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友達作りと騎士団総長

「くっそ!まだ見つからないのか!」と歯ぎしりしながらそんなことを聞くルオン。

「残念ながら・・・。」と答えるのはマユカだった。


「くっそあいつめ。この私の秘密を握ってどうするつもりだ!」

本来なら秘密を握って脅すなりするのは第二王子派がこれまでやってきたことなのに・・・

「交渉がないってことはもしかしたら、第二王子だと知らないのでは?」

「そんなバカなことがあるか!ここは王城だぞ、そんなことをすれば最強の王国騎士が黙っていないだろう。」とこの王城の警備が万全なのは周知の事実。


「忘れたのですか・・・それでも第一王子は攫われたのですよ。」

「そうだった。」と頭を悩ます。


「あの時は第一王子自らが辺境伯家と親交の深い総長を遠ざけていたこともあり、お咎めはしませんでしたが・・・。」

「放っておけ、軽々しく王国最強を裁くわけにもいかないだろう。」

「はい。」では継続して調査を続けます。


「待て。」

「どうされました。」

「私が自ら不審者の絵を書くからそれを元に探すのだ。」

「はぁーわかってますか?王子には絵心がないってことを・・・」

「ふざけるな私の絵以上の才能はないのだ!」

「はぁーわかりました。」と投げやりだ。

「わかればいい。ふーんふーん。」どんな暗黒な絵が生まれるのか。


「出来た。」

「速!」


「これを見ろどうだ。」


「こ、これは・・・」

「ふふふ短時間ながら力作だぞ!」そこに書かれていたものは・・・


「何かの怪獣ですか?」


「人だ!人だからな!」と抗議をする。

「これが人?」と普段は見せない驚愕した顔をする。


「そうだ分かればいい。」と奥の方に戻っていく、きっとこれから部下に働かせている間はベットの上でゴロゴロしているのだろう。


第二王子の部屋を出る。

「はぁー。」とため息をついてこの紙をマユカの部下達に見せに行く。

「この絵を解読しておいて、犯人だってさ。」

「この怪物がですか?」唖然としている部下。

「ああ。」

「わかりました。」


「それより不審者の捜索はどうなっている。」

「現在は王都全体に展開しております。ただ情報があまり少なく、誤認逮捕などがどうしても発生しているのが現状です。」

「そうか、だがなんとしても探すしかない。頼んだぞ!」

「はっ!」と言って部下達は散って言った。


「最悪、ルオンを見限ることも考えなければ・・・。」と一人呟いていた。



ルオンはゴロゴロと大きいベットで寝返りをうちながらこのゆっくり空間を楽しんでいた。


しかし見上げればそこには・・・

「どうしてお前がそこにいる!」と怒鳴り声を出す。

「うん?」と首を傾けるように天井に張り付いている女に聞いている。


「それは・・・遊びに来たからぁー。」と満面の笑顔で言う。

「ふざけるな!ここは王城だぞ貴様のようなわけのわからない小娘が勝手に入っていい所ではない。」

「へぇーそんなひどいことを言うんだぁー。」

「はっ?」と次にその女を見ればまるで万華鏡のように視界に映り込む。


もうわけがわからないルオン。

「誰か!誰か!」と大声をあげようとしてその口に手を当てられる。

「ダメだよー!友達が遊びに来ているのにー大声出しちゃー!めっ!」その女が何人いるかわけのわからない空間に戦慄して蒼褪める。


「友達?」

「そう友達ー!」にぱーとする笑顔を全方位から向けられる。

「へ、へぇー。」と口をあげて恐がる。いや精一杯強がっているのかもしれない。


「友達なら、こんな魔女みたいなことしないと思うんだけどな。」と辛うじてそんな言葉が出る。

「えーでも友達はからかって遊ぶものだって、あれ?」と首を傾ける。

別に教えられたわけでもない。

勝手にルイネにやっていたことを何倍にもして近づいているんだけど、これで友達になるんじゃないの?と何か勘違いをしているクロエ。


「そう、友達ならそんな脅すように沢山の君を作るわけないでしょ。」と思わず女言葉が出てしまう。

「えーでもこっちの方が絶対、ぜーったいに面白いよねー!」と自分の価値観を押し付けてくる。

「知らん、恐いわーホラーだわー。幽霊だわー。」

「ガーン。」もしかしてあのルイネの驚いている姿も・・・今度ルイネに聞いてみようと心に誓った。


「わかった。じゃあまた遊びに来るね。今度はもっともーっと驚くもの考えるー。」と全然反省していないクロエ。

「ふっざけるな!もう二度と来るな!」

「えー恥ずかしがちゃって!」とからかって女は去って行った。


「まったく、なんだあれは。化け物か?」と今になって汗が止まらない。ブルブル震える身体。もしかしたらルオンは彼女がトラウマになってしまったのかも知れなかった。


「もう絶対会いたくない。」と布団を被って丸くなっていた。


「ふーん、ふーん、ふふん。」と元気に歌いながら天井を闊歩するクロエ。

「むっ、かなり強い気配をこの先から感じる。」と向こう側を睨む。

「行けば、もしかしたら強い人がいるかもー。」目を輝かせてクロエの足はそちらに向かって行くのだった。




騎士団総長 シロン・フォン・ラオン

先日の第一王子誘拐事件。それに内密にだが第二王子の不審者事件。

どちらも王城の警備の隙を縫った見事な物だった。敵に感服するしかないだろう。


「しかし、責任は取らなくていいとは・・・。」

まぁ未だ王が決まっていない現状、総長として忠誠の捧げる先がないのが問題なのだ。

そんな宙ぶらりんな状況で頭を振って執務にあたろうとする。


各地から上がるモンスターの被害や各国の様子。

きな臭い報告ばかりで憂鬱になる。

中にはこの王都にレジスタンスなる存在があるとかないとか・・・

それだけ今の王国は危ない状況なのだ。

本来なら王子達が手を取り合ってこの危機的状況を乗り越えようと団結するはずが・・・いがみ合い、この国をさらに危機に陥れている。


「いっそ私が王にでもなるか?」そんな思ってもない独り言を呟くほどだった。


そんな報告書の中に一つ手紙が入っている。

親友のノエノスラドルガからの手紙だ。

前半部は妹とショタのことについて書かれている。

ご丁寧に読んでしまうのは総長故なのだろうか。


それから辺境の現状が書かれている。

こちらは平和そのもので異常はないです。今度暇なら遊びに来てねと書かれている。


「騎士団総長に暇なんてあるわけないだろう。アイツこんな面倒なこと押し付けやがって・・・。」と直接文句を言いたかった。


うん?追伸って書かれているな。

妹のクロエが王都に行くので私の代わりに可愛がってね!


「ほう。」手紙ではノエノスとも互角に渡り合うみたいなことを書いてあったな。

「今度手合わせでもしてみるか。」と近くにあった。一振りの剣を持って王城の巡回に出るシロン。



「むっ!」と目の前から強い気配を感じる。

まるでノエノスと対峙したようなプレッシャーだ。


思わず腰の剣に手が伸び抜いて構える。

どこから来る前か後ろか?

沢山の気配を感じる。どれもダミーだけど本命の気配は一つしかない。


「ここ!」と斜め後ろに剣を向ければキーンという音が辺りに響き渡る。

「受け止められた。」ノエノス以来の感動に高揚してくる。


「誰かは知らないけど、やるね。」

「うん、お姉ちゃんと同じくらい強い、いや今だったらお姉ちゃんの方が二倍くらい強いかも知れない。」

「ああん?!」その言葉に切れそうになる。

「私より強いかもしれないって言うならノエノスくらいだろうけど。そんなに差は開いてねーよ。」と剣を振るうがそれを避けられる。

「やっぱりお姉ちゃんの方が強いかなー。ってお姉ちゃんの知り合い?」


「ああん?お前妹のクロエか?」

「そうそう。私クロエー。」とにぱーとする笑顔。


「おおうそうか、ノエノスの妹なら大分強いんだろう。」

「10回やって1回勝つかなー。」

「そりゃあすげー。私でも5勝5敗の互角なのによ!」

「うーんでも今のお姉さんとならお姉ちゃんに完勝されると思うな。」

「ああん!?」とぶちぎれる。


「一体どこにその要素があるって!」

「だって、私にも勝てないんだから!」速い。


二つの短剣を上手に扱っている。

はたから見たら互角に見えるかもしれない。

だけれども・・・


「王国最強の私が押されている?」

「お姉さんトドメー。」一瞬刃が消えたかと思うと首筋に冷たい感触を味わう。


ツーっと首筋に血がにじむ。


「やるじゃねぇーか。」と剣を構える。

「へへへ。」と褒められて満更でもないのかもしれない。


「だけれど!」と闘気を纏い出すシロン。


何かを感じたのか距離を取るクロエ。


「私が王国最強なのはこの技があるからだ!受け止めて見ろ!」と挑発する。

「へへへ。」と未だ油断をしているのかもしれない。褒められ慣れていないのかもしれない。

色々な状況の中でシロンの一撃が放たれた。


「ラオンの一撃。」次の瞬間物凄い斬撃がクロエを襲った。

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