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 これは戦闘ではない訓練と・・・

テトとレジスタンス、いやなんか悪い集団にしか見えないのはなんでだろうか。

タイツ姿の敵だからか?とくだらないことを考える。


アオノリにトドメの一撃を放ち。

「バケモノ。」と失礼なことを言って倒れる。

まぁ竜だからあながち間違っていないか?


「ひぃー。」スズネの方を見ればそんな叫び声を漏らしている。扇子で自分の身を隠している。

「全員気絶させて、訓練を付けてやったようなものだ。伸びている奴はちゃんと介抱してやれ。」と命令するとコクコク頷いていた。


戦闘と言うより、本当に訓練のようなものだった。

むしろ殺さないように手加減が難しい。いやもう慣れたものか・・・

盗賊を沢山捕まえて、奴隷として沢山ラミーナに売りさばいたからな。

そのあいつ等はダンジョンの鉱山で過酷な労働下で働かされているだろう。


そんな昔捕まえた盗賊のことをふと心配した。


向こうを見ればスミンとフルフがじゃれ合っている。あっちは長引きそうだ。

「さてどうするか?」いや、俺も一応自称姉のフルフに説教くらいしなければいけないかとそちらに向けて重い足を向けるのだった。



スミンVSフルフの戦いはどちらかと言うと戦闘と言うよりも、言葉での喧嘩みたいになっている。


「どうしましたか、その程度で姉を語るのですか?」

「そっちこそ、その程度で私の弟の嫁になろうなんてお姉ちゃんが許しません!絶対!」と拳を握って対抗する。


「まだ本気じゃない。これっぽっちしか実力を出してない。」

「私も全然、まったく本気じゃない。」


「ではいかせてもらう。超絶手加減の一撃。」と目にも止まらない速さの攻撃をするスミン。

「うひゃー。」となんとか躱すフルフ。


「絶対、絶対嘘だ!かなり本気じゃないかー。テトも姉を亡くしたら号泣してスミンを振るに決まってるんだからね!」

「その心配はないでしょう。むしろ清々するのではないですか?」

「そんなことはない!ムキー!」と言って自分の袖口を口に加えて悔しそうな顔をする。

勝ち誇るスミン。


「次は私の一撃、あっテトが後ろでスミンに抱きついて来ようと。」

「えっ本当!」と思わず後ろを振り向いてしまう。

「かかった。おんどりゃあ!鉄拳制裁。」と拳を鉄のように固くして殴りかかる。


「ああん、どこにもいねぇーじゃねーか。」とその拳を片手で受け止めるスミン。

「げっ!」と慌てるフルフ。


すかさず蹴りをしてそれを躱すスミン。

拳から手を放した。


「ふふふ、嫁と姉ならもちろん嫁の方が格上なのですよ。お姉さま。」

「くっ。」と思いっきり睨みつける。


「いつの間にか、雑魚から最大の敵大魔王になってしまったのですね。この勇者フルフが必ず弟のために撃ち果たしてみせます。」と二人睨み合う。

「というか魔王って、私のことか。ないだろう。」と無茶苦茶切れているスミン。


「でやぁー。」

「こいやぁー。」と二人雄たけびをあげているところ。


俺は入って行っていいのだろうか?と迷ってしまう。

あの二人の攻撃を受けたらきっとダメージは入るだろう。痛そうだやめておこうか?

だけどそれもそれでかっこ悪いのだ。

どうしようかと悩んでいると。



「もう、喧嘩はだめだよー。」と呑気な顔で間に割って入るクロエがいた。


「クロエ様?」と出そうとした武器をクロエの首筋で止めるスミン。

クロエの額に冷や汗が流れる。

「スミンに殺されるー。」と強がりで言っている。


フルフの拳もクロエのお腹のあたりで止まっている。いや、もしかしたら少し入ってしまったかもしれない。


「おうふ。」とちょっとお腹を擦っている。


「大丈夫ですか?」と声をかけてフルフを睨むスミン。

「手加減したんだけどねー。」とクロエを覗き込んで心配するフルフ。


「だ、だいじょうーぶ。だいじょーうぶ。」と自分にヒールでも掛けたのだろう復活しているクロエ。


「ほー。」と胸を撫でおろすスミン。

「あまり無茶はいけませんよ。」と注意をした。

「わかったー。」と本当にわかっているのか怪しい。


俺も冒険者ヘイロンの姿から可愛い小竜のテトになりパタパタと飛んで近づいて行こうとする。


「げっとー。」と掻っ攫われるように腕に包まれる。

「へっ?」

「あれ?」とクロエとスミンが戸惑う。


「じゃあ。」と二人に手をあげて走り出すフルフ。

「これからも姉と弟の愛の逃避行は続くのだった。」まるで何かのストーリーにでも酔っているように拳を握って、目を輝かせる。

「行くぞーテトー。」と負ぶさって逃げる。いや、俺はリュックサックじゃないのだが。

フルフそれではまるで人攫いならぬ。モンスター攫いだ。

「ギャオー。」助けてくれー。



「テト様ー!テト様ー!」そんなスミンの叫び声を聞きながら俺はまたフルフに連れ去られれるのだった。



「くっ。」とスミンは追うべきか、クロエの方を見るべきか迷う。

「追ってきていいよー。」と答える。

「よろしいのですか?」

「うん、帰り道わかるからー大丈夫!」とにっこりしている。

「多少不安ですが・・・行って来ます。」

「いってらっしゃーい。」とにへらーとまだ遊べるなーと思うクロエ。


そこにスミンが戻って来て一言。

「ちゃんと勉強はしてくださいね。じゃないとわかってますよね。」

笑っているが恐い顔のスミン、うんうんうんと全力で首を縦に振るクロエ。


「なら良かった。」と多少スミンの圧に後退りしたのは内緒だった。


そんなことを言って去って行く。

「待てー。」と叫んで屋根伝いに追って行く。

これから王都を舞台にあの二人の全力の鬼ごっこが始まった。


「ふー。」多少内心を見透かされたかなーとかおでこを手の甲で拭って焦りを落ち着かせる。


「さて何処に行こうかな?」とさっきの注意を忘れてしまったかのように行動を始めるクロエだった。


その目線は再び王城を向いていた。

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