第一王子の正体
「その前に御着替えしましょうね。」とさっさと着せかえる。
今度はなんだと思いながら、着物っぽい服を着せられているのはなんと言えばいいのだろうか?
「うん、ピッタリ。」と姿見を見せて言ってくる。
「そうか?なんだかよれよれなんだが?」
「そのよれよれがいいんですよ。」
これがいいのか?わからんと悩んだ。
スミンとデートに行く前に多少ノリで拉致してしまった第一王子のいるダンジョンに向かってスミンのリングで一緒に転移する。
一人でいいと言ったのだが・・・
「ユカリは危険です。私も行きます。」と睨みを利かせる。
「ああ。」目の前まで迫って言われたら断ることは出来なかった。
最近スミンに押され気味なのがちょっとなーと、前世で女の子と喋ったことがない弊害だろうか。もうどうにでもなれという気持ちだった。まぁ美少女に迫られるのも悪くはないが・・・
俺もそろそろ転移リングをもらっていいのではないか?
まぁ一応辺境伯邸くらいまでなら転移は出来なくはないが・・・
座標をミスって壁に埋まってしまった時は大変だったな。
マジで動けなかった。その後魔法の力を使ってなんとか抜けだっせたがな。
壁はライズの私室だったから。
「強く生きろよ!」と言って壊れた壁はそのままに出てきたのだ。
これからも特訓が必要だなと思っている。
なんせ転移は異世界ものではかかせないからなと自分の苦手分野に挑戦する意気込みだった。
「では行きますよ。」と俺を抱いてギュッとしてくるスミン。
うろこで感触がないのが悲しい。いや、そんなことは今はどうでも・・・いや少しあってもいいんじゃないかと思っていたりするのは内緒だ。
「ああ、行こう。」と二人で転移するのだった。
そこでは第一王子が餅を伸ばしながら食べていた。
俺達を見た瞬間。
「ほへひものほぺーこののらのらー。」と餅を食っているからだろうか、変な呪文っぽい口調になっている。
「つまらせるなよ。」と言ってやる。
案の上、胸を叩いている。
餅は喉につまらせやすいからな。正月は気を付けよう。
そんなことを思う。
床まで叩き出したのは何と言っていいのだろうか?
というか第一王子だよな?ダンジョンマスターのユカリによって豪華な女ものの着物に着せ替えられている。
その姿をじーと見ているのがいけなかったのか。
ぎゅーとぎゅーと俺を抱いているスミンの抱き締め力が強い気がした。
「おい、やめろ死ぬ!」
痛くはないが、俺の竜の鱗でも割れる時があったりするんだぞ!
それでも締める力を弱めない。これはあれだ。
「浮気ですか?」と死んだ目をして聞いてくる。
恐い恐い、最近ヤンデレ化ひどくない?
「ちょと今罅入ったんじゃない?ミシミシ言ってるんですけど!」と思わず叫んでしまう。
「まて、第一王子だぞ。これはあれだ、そう女装、第一王子には女装癖があるに違いない!」と弁明する。
「本当にそうでしょうか?」とこちらを上から睨んできたので首をうんうんうんうんと高速で振る。嫌な汗が顔から流れているような気がした。
「テト様。」そこで現れたのはユカリだった。
「おおう、ユカリ、お前からもスミンの説得を・・・。」とお願いするテト。
「残念ながら第一王子は・・・女の子、つまり第一王女なのです。」
「へ。」
「えっ。」と二人してそんなことを言う。
二人の思考が追いつかない、現在処理中。
「はぁーーーーー。」と思わず絶叫する俺。
「やっぱりテト様、浮気していたんですね。許さない!」と武器まで取り出すスミン。
首筋に当たっている。これ刺さらないよなね。俺の防御力大丈夫だよね。
「ちょっと待てスミン、早まるな!」
「今回ばかりは許しません。第一王女なら浮気相手ににふさわしいとでも思ったのでしょう?」とごごごごと真っ赤な炎がスミンの後ろから燃え上がっている。
「ちょっと待てスミン大事なことがある。」と真剣に彼女を見つめる。
その真剣な姿にたじろぐスミンこれはもしかして・・・
「あいつはお前より小さい。」と何がとは言わない。俺は紳士だからな。
自分と第一王子、いや、第一王女と言った方がいいのか?を見比べている。
「なら安心ですね。」とにぱーッとした笑顔を向けてきた。
「ほー。」と胸を撫でおろす。
最近嫉妬深く、凶悪になっているヤンデレ化、これをなんとかしないと俺は殺されるかもしれない。絶対に何か対策をしようというか眷属なら命令でどうにかできるのだが・・・そんなことはあまりしたくはないテトだった。
「で、なんで第一王子が女なんだ。」と疑問をぶつける。
「そこはこの私が説明しよう。」胸を張って偉そうにする。
「私が第一王子だからだ!」と決まったポーズをするラビッダ。
「ユカリ説明よろしく。」
「えーとくすぐり拷問で聞き出した結果。」拷問と言う言葉に身体をプルプル震え出す。
「あれはだめ、あれはだめ。」と独り言を呟いている。
一体どんな拷問をしたんだ?
「多少憶測にはなりますが、ラビッダの母親は第三王女なのです。立場は非常に弱く、近く第二王女も身籠ってもし王子が生まれたら・・・そんなこともプレッシャーだったのでしょう。生まれた子が女の子だと知られることを恐れてつい魔が刺したらしいのです。」
「この子は男の子、いいわねこの子は男の子!と側にいる皆を脅して言ったらしいですよ。」
なんて言っていいのかわからん。
「こらー勝手に人の秘密をしゃべるなー。」と抗議する。
「あら、もう一度拷問されたいの?」とくすぐりようの羽を見せびらかしている。
「ひぃー。」とブルブル震えて逃げ出そうとして着物の裾を踏んで転げた。
「あぎゃ。」と言って気を失っている。
なんだかコイツが王様にならずに良かったとホッとしている自分がいるんだが・・・
ブックマーク、評価お願いします。




