第一王子
なんでも今ままでミコミの指示通りに実行して来たことにより、連合の協力を取り付けられ、現在聖教国とも連携を取っていると言う話しだ。
規模が大きくなりすぎて唖然とする俺とスミン。
もはや言う言葉はない。
この国はミコミの手によって滅びようとしている。
そう思うとなんだかなーと思ってしまうのは俺だけではなく、スミンもだろう。
「実際のクーデターの決行はまだ先になりそうだが、王子の件は頼んだ!」と両手で強く握ってくる。
これ断っていいだろうか?スミンが心配そうな顔をする。
「すまないが、少し考えさせてくれ。」
「ええ、いいですよ。皆さんそう言って最後はなんだかんだとやってくれましたから・・・。」
そんな物騒な声が聞こえてきたが・・・早くこの空間から出たかった俺はここを去った。
「お気を付けてー。」と言う声が聞こえてきた。
俺たちは肩を落としながら取り敢えず冒険者ギルドに向かうのだった。
クロエ達3人は王城の廊下を歩いていた。
なんだか周りが殺気立っている。
ピリピリとした空気をクロエは感じたが、まぁ姉さま程ではない。
「ふーん、ふーん。」と鼻歌を王城で歌っている。
「クロエ流石に王城ではやめなさい。」と注意するランドル。
「むむむ、わかったー。」と言って今度はタップダンス風に歩き出す。
「クロエ。」
「えーだってー。」と駄々をこねる。
「クロエちゃんはいつまで経ってもクロエちゃんだね!」と理解を示すライズ。
「なんだ、俺がおかしいのか?」そんなことを言う。
そんなクロエの視線が上を見る。
その真剣な顔に声をかけるかどうか迷う。
「・・・どうした?」
「ううん、なんでもなーい。」笑顔で歯を出していた。
「?」と二人して疑問顔。
「行こう。」と急に真面目になるクロエを二人は不審がっていた。
「危なかったでござる。」と天井裏でおでこの汗を拭う者。
「辺境伯御一行、ご入場。」と言って先頭をランドルがその後ろをライズ最後をクロエの順だ。
しかし物々しい完全武装の鎧を着た兵士たちが周りを固めている。
警戒を強めるランドル。
ゆっくりと第一王子のいる御前へと進み片膝を就く。
二人も後ろで習って膝を付いた。
なんだか物凄く威圧した目でこちらを見ている。
その沈黙が長い、クロエなんかはじっとしているのが耐えられないのではないかとライズが心配するが、隣を見れば大丈夫そうだって寝てないよね。コクコクしていたりする。
そう言うところも可愛いとか思っていたりした。
前ではランドルがダラダラ汗をかいていたりする。
「うさぴょーん。」となんだか兎の真似をする王子。
いきなりのその言葉を聞いて二人は・・・コイツ絶対やばい奴だと心で思った。
コクコクハッと起きて、クロエだけはなんか変な人ー程度だった。
周りの護衛達も一瞬毒気が抜かれる。
「よく来た辺境伯。」今度は真面目に言ってくる王子
「はっ。」と返事をするが面をあげないそれは無礼になるからだ。
「面をあげろ。」
そうして三人が面をあげる。
そこにいたのは片膝を組み、玉座のひじ掛けに肘をのせている。
何かを企んでいるような王子だった。いやコイツはきっと暴君になるだろう。
顔がどす黒く自分が一番だと思っている顔をしている。
未だ空位のはずの玉座に座っているのは次の王は自分だと言っているようなものだ。
「私の名前はラビッダ・フォン・アケロ二ア。明日にでもアケロ二アの王になる。くっくっくっ。」と野望に満ちた笑い声だった。
ひとしきり笑って言葉を発する。
その高笑いが玉座の間に響き渡る。
「中々、いい統治をしているようだな?」
「はっ!お褒め頂きありがとうございます!」
「しかし、先の宰相と共謀して王を殺したと言う。その罪はあるとは思わないか?」
そう言った途端周りの兵士が持つ槍が三人を取り囲む。
ここで間違った言葉を言えば問答無用で殺される。
ランドルの額から汗が流れる。
「それは何かの誤解でございます。」
「ほう、私の勘違いと言いたいのか?」
「・・・」そこで押し黙ってしまうランドル。
これは断定に来ている。
「三人を牢に入れておけ。」とほくそ笑む。
この三人を抑えればラミーナ(怒りの氷点下)とノエノス(鮮血鬼)の抑止力にできる。
いやうまく使えば彼女たちによってこの国の第二、第三王子を排除できるだろう。
「くっくっくっ。」とすべてが順調すぎて笑う。
「はっ。」と近寄ってくる騎士たち。
三人は背を預けながら全面を警戒する。
絶体絶命でランドルとライズは汗が滲んでいる。
「ちょっと待つでござるー!」と上からうたはが降ってきた。
「ぐぁぁー。」と騎士の一人を潰し、戦闘体勢に入る。
「助太刀するでござる。」と妖刀ござるを抜いて敵に構える。
プルプルと刀が振動するきっと刀が武者震いしているのだろう。
クロエも指輪の収納からから取り出した短剣を二振り持つ。
長いドレスを破いて戦闘する気満々だった。
「ちょっと二人とも!」とランドルがが注意するが遅かった。
ダン、ドン、ドゥーンとか言う擬音をまき散らしながら騎士たちが吹っ飛んでいる。
「こんなのは本当のクロエじゃない!お兄ちゃんはまだ認めてないからね!」と自分より強いクロエを認めたくないのだろう。騎士の一人を難なく倒して、槍を奪って応戦する。
「ああ、くそ。」とランドルもやけくそ気味に槍を拾い上げて応戦する。
「どれだけ多く倒せるかー。」
「競争でござる。」
二人は獲物を見つけた様にきらりと光、騎士たちを狩り始めた。
その様子に呆然とする王子。
「おい、こんなこと聞いてない!聞いてないぞ!」と王子の周りも慌ただしい。
「ラビ!ここはあたって粉砕するんさぁー!戦うんさぁー!」と言って鼓舞する。
そこにいたのは側近のコネタン・アケロ二ア、宰相の実子で第一王子付きになっている。
なぜか第一王子を盾にしようとする。
「戦うんさぁー!」
「ふざけんなー!ちょと待て!主を盾にするなバカチーン!」
そんなことを主従で繰り広げていた。
王子の威厳は何処に行ったのだろうかと本当に第一王子か訝しがるランドル。
「なんくるないさー。」
「今、それ言うのかぁー。」と慌てている。
そんな中外の窓ガラスが割れる大きな音がここまで聞こえてくる。
皆がなんだと大きな出入り口の扉に注目すると、そのドアを黒々と燃える大剣で一刀両断して入ってくるものがいる。
「私の名前はヘイロン、第一王子の推薦でA級冒険者になりに来た。」
そう言って大剣を振り回して格好を付ける。
ふっ、決まったと内心思っていた。
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