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竜の子に転生したらテイムされました!?  作者: 矢斗刃
3部 第1王子
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夜営の焼き肉

「そうなんでござるな。」と遠慮などなく辺境伯家の夜営のご飯にしれっと混ざっているうたは。その間も逃げようとする妖刀ござるを捕まえている。反射神経。


お前から汗が見えるのは気のせいじゃないだろう。

親指を立てたら、なんか切れ気味の圧を放ってきている。


正直コイツとは仲良くやれると思ったのに残念だ。


「バクバク。」とクロエが差し出すお肉を食べようとする。

「まぁーてぇー。」とかクロエが命令するが無視だ。


「ばっくんばっくん。むしゃむしゃ。」

「どうして言うこと聞いてくれないの?」と顔を傾けている。

いや、俺は別に犬とかじゃないからなぁー。

別にそんなに困っている顔をしているわけではないクロエ。


「じゃあ、次は・・・。」

「がおがおがおおお。」と言ってその発言を止めた。

最近はノエノスに感化されてきているのか、淑女として危ない発言をしそうになるクロエを俺はツーカーで止めているのだ。


「もうなんでよぉー、フルフは素直だったのにぃー。」とその辺に落ちてた枝でうまい絵を地面に書いていた。


ノエノスとフルフの二人は完璧に命令を遂行していた。

二人とも目が獲物を狩る感じだったな。

うん、フルフも成長したのだ。立派なケモ耳少女にでもなっていた。


何か似た感じの匂いがしたのは言わないでおこう。

あの領にいてノエノスから逃げ切った俺を褒めて欲しい。

最後なんてやばかったからな・・・思い出さないようにしよう。


ミコミはフルフに最近専属メイドの立場を脅かされており焦りだしている。


「ミコミ、ミコミの存在価値は~どこぉー。」とかいつも言っていたりする。大丈夫だろうか?


「それではダメですよ。」と言っているのはスミンだった。

「さぁ、これをお食べ。」と出してきたのは高級肉、恐らくダンジョンの下層で取れたのだろう。あまりにも美味しそうで涎が・・・


おっととと拭う一瞬。


目の前からなくなる高級肉、俺は愕然となり頭を垂れたのだった。


きょろきょろと犯人はこの中にいる。


二人の口から骨の部分が出ている。

そう犯人はなんとクロエとうたは、この二人が一瞬の隙を付いて奪い合い、分けたのだ。

あまりにもな阿吽の呼吸。いや本当に何してんだよ。俺の肉を返せ!

「ぐぉぉぉ。」こいつらぁー特に新入りのうたは許すまじぃーと見る。


「がおおー。」と抗議の意味でうたはを甘噛みしているのは仕方ないことだろう。

「痛、微妙に痛いでござる。」みたいなことを言っている効いているぞ!


「その手があったか!」とスミンが得心が言ったような顔をしている。


また再び元気に肉を焼いていた。

そうスミンは肉焼きマスターになっていた。

俺のために焼いてくれている(自惚れ)。


「お肉!お肉!」と歌い出すクロエ。

いや、これはお前の分ではないと譲る気はなかった。


しょうもない戦いを繰り広げながら、俺達はご飯と言う名の戦場を生き延びて行くのだった。そしてスミンの作戦は二人の女の子たちの手により失敗した。

「テトお預け大作戦がー。」と頭を抱えていたがその顔の上に載って慰めると目を輝かせてすぐに復活を果たしていた。

「これはこれでありですね。」と鼻歌を歌いながら焼肉を作っていくのだった。


「この珍妙な生き物きるでござるか?むしゃむしゃ。」

ちゃっと刀を少し鞘から抜く。食い意地が張っているのだろうか、俺の分のお肉を取ろうとする。

俺もまたうたはを威圧するのだ。


刀がやれ、もっとやれ!と言っているような気がしたが・・・気のせいではないようだ。

お前等いいコンビだよ。と漁夫の利を得るようにクロエが食べる。

「いただきぃー。」とにぃーとした顔をする。


「くっそー。」と箸の動きがもう少し早ければ取れていたのに、と悔しがる。

「まだまだ甘いでござるな侍よー。」と勝ち誇るクロエ。


そしてその一方で一口も食べれないランドルがいるのだった。


着いてきた来たタルタロスが護衛用の肉をランドルに渡していた。

「まぁ、焼肉は戦場ですから。」と同情をしている。

そうなのだ。辺境伯家の食卓でバーべキュウをしようものなら、ラミーナとノエノスの独壇場になり、クロエが辛うじて取ったぞーと言った時はなんかこう褒めてやったぞ。


その時の男性陣はまったく取れない。

ノエノスやラミーナが嫌いな野菜を押し付けられるだけだった。


あのフルフが参戦した時にライズが獣に負けたと愕然としていたのはよく覚えている。

まぁ俺もちゃっかり確保していたが・・・


「そう言えばうたはちゃんと言ったか?これからどうする?見た所いい所のお嬢さんのようだけど?」

「そうでござるな。この刀の威力を試したいでござるから、しばらく冒険者でもやろうかな。」と答える。

「おおう、そうかではお願いがあるのだが・・・」

「お願いでござるか?」

「このクロエは冒険者で無茶ばかりして心配なんだ。スミンもいるが、メイドだからな。」

まぁそう言うことになっているが、メイドのスミンも中々やるのだ。

5年もあれば結構一緒にダンジョンにもぐったからな。

レベルが上がりまくっていた。


称号にメイドの中のメイドなるものがついていたが知らない。



「だから、クロエの護衛をお願いできないかと思ってね。」と真剣に聞くランドル。

「別にいいでござるが、ちゃんと朝昼晩の食事を付けるでござる。このご飯も美味しいでござるし。」と要求を突き付けてきた。


「わかった。」とランドルは即決した。

「決めるの早いでござるな。」

「こう見えても領主だからね。人を見る目はあるんだよ。」

「なるほど。」と答えながら次ならお肉に箸を伸ばす、その手が止まらないうたはだった。


「太るぞ。」とパタパタと飛んでぼそっと言ってやるとお肉が落ちた。

それをキャッチして食べるクロエ。


「なにか今、恐い幻聴が聞こえたでござる。」と身体を震わせている。

あれだな忍者でも体重気にしてたんだな。


「クロエもやめなさい。あまり食べるとお腹周りに脂肪という悪の権化が憑りつくでござるー。」とクロエも巻き込もうとする。

「私大丈夫ー。太らない体質だからぁー。」ニコッと今日もいい笑顔だ。

「なんだってぇー。」と太らない体質ーがエコーになってうたはの耳に聞こえてくる。


愕然としてうたはは四つん這いになるのだった。

「私のお肉ライフはここで終わりなのか?」


「明日から考えればいいよー。」とクロエが魔法の言葉を言う。

立ち上がって勝手に箸が肉を掴もうと動き出す。まるで箸が妖刀になっているような気がして来るでござる。


「待って、待ってくれぇー。」と止まることのない箸と口の動きに涙するうたは。

「美味しい、美味しいでござるよ~。」と言いながら次から次に泣きながらお肉を消化していったのだった。


俺もちょっと、かなりごめんと心の中で謝っておいた。

「この子にクロエを頼んで大丈夫だろうか?」と少し思ったりしているランドルがいる。


話変わって、スミンの胸元にはミコミから預かった手紙があった。

中身を開けて確認しているスミンを見て、いいのかそれで?と思ったりもした。

「ミコミの手紙勝手に読まないでよ!」と抗議するミコミ。

まぁ内容は兄弟元気ですか?みたいな内容だったのが拍子抜けして、スミンは手紙を引き受けることにしていた。


「もう、ぷんぷん。もうスミンには頼まない。」と怒っていた。

ゼアーもやれやれ気味だった。我が強いミコミにいつも振り回されている。


まぁスミンもこう見えて置いてきたミコミのことを心配しているのだろう。

「はーいどうぞ、お肉ですよぉー。」と箸であーんしてくる。

これが人間の時なら喜んで有頂天になるのだが、あいにくと俺は竜、がぶっとしてむしゃむしゃと咀嚼を始めるのだった。


「がおおーん。」うーん、美味。


この時俺は気付けばよかった。

すでに時代が動き始めていて、止めることなど誰にも出来ないと言うことに・・・

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