眷属たちの実力
彼女たちが空から振ってきた事により、その場に静寂が訪れる。
着地を成功させたもの。
慌てながらも転がるように着地をしたもの。
顔面から地面に突き刺さっているもの。
様々だった。
まず状況を把握できたのはスミンだった。
武器のスティレットを振るって騎士たちを屠り始める。
「あまり昼間の戦いは好きじゃないのだけど。」と血糊をを振って相手の目を潰す。
「目が目がー。」と言っているがそんなもの気にしないでトドメを刺した。
「ごめんなさいね。本当は生かしておきたかったけど・・・余裕がなさそうだから死んで。」と冷たい目で見下ろしていた。
「こわーい。」と呟いたのはクロエだった。
「無事ですかクロエ様。」
「うん。」とにかーとしていた。
所々服が破れているのを確認する。
「あとでラミーナ様に怒られるの。覚悟してくださいね。」と笑顔で言うスミンがクロエは恐がっていた。
「さぁ行きましょう。」と再び戦闘態勢に入る。
次に動き出したのはノエノスとフレイザ。
ノエノスは大剣を持っていた。それは訓練中だったこともあり、相手を一振りだけで吹っ飛ばす。
その様子に唖然とする宰相とルイネ。
「まぁーあのくらいやってくれないとね。」そんなことを呟きながら、一息入れるマリーナ。
敵が宙を飛びながら落ちてくる。まるで人をボールにしながらバットを振っているようなそんな感覚なのかもしれない。
「おい、しっかりしろ。まだ敵はいるんだ。」掛け声に気を入れなおす二人だった。
「槍は得意ではないんだけどね。」とそれでも自由自在に振り回すように舞う。
連打の槍突きで多くの敵兵をなぎ倒しながら、かつての栄光を思い出していた。
「腕は鈍ってない、むしろ心地いいくらい?」と身体の調子を確認しているフレイザ。
「あれは誰ですか?」とトキは思わずクルーガに聞く。
「かつての王国最強の剣聖だ。」
「ああ。」とそれだけで納得できた。
ノエノスとフレイザがいることで勝ち目が出てきた。そのことに誰もが明るくなる。
冒険者ギルドのビルルはむしろここにいることに戸惑いを覚えている。
ノエノスやフレイザと違って自分は戦闘向きではないと怯えていた。
「どうしてこんな所に・・・。」と頭を抱えるそんな私に迫る敵、気付けば囲まれている。
「絶対絶命なんですけどー!」と絶叫をあげている。
もう終わったと目を瞑る。
しかしいつまでたっても終わりが来ないと目を開ければ、目の前に剣がある。
「ひぃー。」と震えあがるが・・・何かの膜に防がれることによってそれが止まっていた。
「なんだどうして、剣が届かない?」
「ぐぎぎぎぎ。」と無理やり剣をねじ込もうとしている。
ビルルは震えるしかない。
そんな剣が何かの膜に掴まれて根元からぽっきりと折れた。
「はぁー。」と唖然とする敵と私。
まるで剣よりもこのバリアの方が固かったように、いやバリアが意志を持って攻撃している感じだ。
「ミコミコミコミコミコミコミー。」
戦場には似合わない声が聞こえる。
ミコミが頭から刺さった地面から抜け出していた。
フラフラになりながら、騎士たちが取り囲むビルルの方に向かって行く。
「ミコミコミコミコミコミコミー。」と頭を下げながら近づいてくる。
その姿に何を思ったか気圧される騎士たち。
まるでここの戦場にふさわしくない、化け物のように見えているのかもしれない。
勇気ある騎士がミコミに向かって、剣を振り降ろした。
もらったと思っただろう。
その剣を片手で受け止めて握力で握りつぶした。
「はぁー。」と再び素っ頓狂な声をあげる。
「ミコミコミコミコミー。」と男の顔に目が大きく開いた顔を近づけて鉄兜を拉げさせながら潰した。
恐怖に転げた残りの男たちも同様に潰していくミコミ。
「ヒィー。」その様子に敵ではなくビルルが一番ビビッていた。
一瞬死んだ目でビルルを見た。
ビルルは震えあがりながらこっちに来ないでぇーと思っていたりする。
バリアがビルルを守るようにファイティングポーズを取っていた。
そのことが通じたのか、ここから立ち去るミコミ。
「ミコミコミコミコミコミー。」と言いながらフラフラしながら戦場の敵の武器と鉄兜を潰して回っていた。
絶対にミコミさんに逆らわないようにしようと心に誓ったビルル。
タルタロスもそんなミコミの様子を見ていた。
「アイツ軍に誘うか?」と本気で検討しだした。
「なんだ?なんなんだよ。こいつらー。」と言う声を出す騎士たち。
「ちょっと宰相やっとくかって、レベルじゃないぞ。」と下がりだす。
「ええい、数で押しつぶせ!」と命令する指揮官。
ノエノスとフレイザの活躍が凄すぎる。
それにスミンとミコミ物を言わさない恐さの健闘もありありながら・・・
女の子が敵の指揮官に忍び寄っていることに気付かない。
「ばぁー。」と言って何処から現れたのか驚かしてきた。
「ちょ、クロエ。」とライズが大きな声を出している。
「まぁー大丈夫かな?」ノエノスは心配するはずがそんなことを言いながら大剣をぶん回して風を起こして群がる敵を吹っ飛ばしていた。
「ギルティー。」と歯を剥き出しに笑っていた。
そのことに恐怖を覚える。
この私がこの少女に後ずさりさせられたと怒りが込み上げて槍を持つ手に力がこもる。
「くっそ、舐めるな。」と馬上から槍を振った。
「わぁー。」と驚く少女の顔が見える。
もらった。その年で戦場に出てきたことを恨んで死んで行け。
その少女に槍が突き刺さった。
一瞬全員が驚いていて唖然とする。あのノエノスさえも・・・
「くく、ざまぁーみろ。」と少女から槍を抜いた。
「?」となんだか手ごたえがない。
剣を見れば血のりが付いていないと思ったら目の前の少女に抱きかかえられ、闇へと引き摺り込まれて行った。
刺されたクロエは溶けるようになくなる。
男の後ろにもう一人のクロエがいた。
「ばぁー。」と皆を驚かすことに成功したように発言するのだった。
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