馴れ初めとか聞く?
昼までは皆忙しそうにしていた。
都合がいいことにドレス関係は始めっからこの城に備え付けられている。
その衣装合わせを行う。
「これがいい。」とマリーナが選んだのは真っ赤なドレスだった。
普通嫁ぐ時は白を着るものだが、なぜこの衣装をとフレイザはわからない。
「赤がいいのよ。燃えるでしょう?」とそっけなく答える。
未だマリーナがこの結婚に乗り気なのかどうかわからないでいる。
結婚式の時間は刻々と迫った来ていた。
アリアは宰相クオンに呼ばれていた。
護衛だろうカ扉の前に一人立っている。
「お入り下さい。」と促す男。
そのドアの前で少し戸惑い、意を決して中に入る。
「失礼します。」と言って部屋の中に入って行った。
宰相はすでに新郎の恰好になっている。
こう言うおじさんが何を着ても似合っているのは貴族だからだろうか?と変なことを思うアリア。
ドアが締まる音がして我に帰るアリア。
「そんなに怯えないでくれ、君も私の家族なのだ。」と真面目な顔で言われる。
そう言われても・・・
クオンは立ち上がり、対面のソファーに座るように促した。
「まずは名前を教えてもらえないか?」
「えっと、アリアです。」と恐縮気味に挨拶をする。
「そうかアリア、私は君のお父さんだ。なにか色々言いたいことがあるかもしれん。」
「いえ、そんなことは。」と否定する。
実際何を聞けばいいのかわからない。
あまりにも事態が急すぎて、それに追いつくほどの余裕がアリアにはなかった。
「そうか・・・私とアリアがあったのは学園の時だった。」
「えっ。」と言う顔をする。お母さんが学校に通っていたの?
「ふふ、そんな顔をしているのもわかる。実際マリは学校に通わずにスラムのならず者を支配するような凶悪な奴だった。」
「ああ、お母さん何やってるの!」と頭を抱えるが今とあまり変わらないと考え直す。
「まぁそんなマリがへまをしたことがあって、逃げ込んだ先が私がいる寮の一室だった。まぁ寮にはたまに寝に来る程度で、学校の仕事や王宮の仕事で忙殺されていてな。新しいメイドさんが入ったのか程度だった。その時は取り繕うようにメイド服を着ていたと言っていたな。」と当時のことを思い出す。
「朝起きた時に下手な料理が出されて無理やり食わされた。なんて無礼な奴がメイドになっているんだと思ったほどだった。」
「それから帰る度にいるから段々と仲良くなってな、マリも抜け出そうとして、抜け出す機会を失ったって、居心地が良かったんだろう。そしてその、まぁそう言うことになるわけだ。」
「・・・」
「それでも一向に料理は上手にならなくてな、私が料理をした方がうまいものが食べられる。それを食べて悔しそうな顔をしていたことを今もよく思い出すな。」
それを静かに聞いているアリア。
「本当にあの時は楽しかった。」と懐かしむ。
「あの破天荒さに惚れてしまった私はおかしいのだろうな。いやそれに救われたのかな。」
コンコンとドアを叩く音がする
「閣下時間です。」
「もうか、そうか。」ともっと話したがっていた。
「・・・お母さんを頼みます。」と言ってアリアは立ち上がって頭を下げる。
「ああ。任された。」この真剣な顔に母が惚れるのもわかる気がした。
ルイネは護衛を付けずに城の中を歩いていた。
皆が皆結婚式の準備で慌ただしくしている中、邪魔をするわけには行かない。
私も黒いドレスを着ながら。ヒールをカツカツしながら城の廊下をクロエを探しながら歩いている。
「かくれんぼしよう。」といきなり言ってくるあたりまだ年相応なのだろうか?
まぁ可愛い妹ができたと思ってこの遊びに付き合っている。
「しかし、こんなドレス王都にもないぞ。」と結構な生地で作られている。
最初はぐわぐわだったのに今ではピッタリとあっているドレスはもしかしたらマジックアイテムの類かもしれないと驚いていていた。
「ここにきて驚愕のしっぱなし、それに色々あった。」とトキのことを思い出せば探そうとする足が止まっていた。
「私はこんなことをしてていいのだろうか?」と下を向き、自分の無力さに悔し涙を流す。
「ぎゃお。」と言う鳴き声が聞こえる。
顔を上げると黒い何かがいる。確かクロエの使い魔?
後ろを向いてなんだか付いて来いと言っているような気がする。クロエの所まで案内するつもりかと私の足はそちらに向かうのだった。
一つの部屋の前で止まった。
「ぎゃお。」と開けろと言っているように見える。
「?」クロエがここにでも隠れているのか?と思ってそのドアを開ける。
そこには・・・ダンジョンで死んだはずのトキがいた。
「トキ。」と涙が出てくる。
「ルイネお嬢様。」とトキが振り返る。変な格好で何かを検証しようとしていたのだろうか?
思わず駆け寄ってルイネはトキに抱きつくのだった。
その様子を後に俺はクロエを見つけにパタパタと城の中を行く。
なかなか見つからないと思い、城の上から見下ろそうとパタパタ。
「あっ、見つかっちゃったぁ。」と城の屋根の上で日光浴でもしていたのかも知れない。
そこにいたクロエは可愛い声。
クロエもルイネとおそろいの黒いドレスを着ている。
普通結婚式はもう少し明るい色を着るものだが・・・
「これじゃないとやー。」と言うクロエのわがままを通していた。
仕方がないのでルイネも一緒になって着ることにする。
こうすればクロエだけ悪目立ちすることはなかった。
俺を抱きかかえると、壁をたったと走りながら降りていくクロエだった。
ズバッとルイネが歩いている廊下の所に降り立つ。
「バァー。」と驚かすように両手を顔の位置に持ってきていた。
ビクッと震えるルイネは驚き、トキは護衛するように身構える。
「なんだクロエか、また脅かさないでよ。」
「むぅー最初の反応と違う。」と悔しがっている。
「クロエのそういうとこ慣れたからね。」
この滞在期間、何度もルイネを驚かして遊んでいたクロエ。
それに耐性が付いてきたのかもしれない。
「今度は魔法を使って忍び寄ろうかなぁー。」と考えている。
「はぁー行こうか。」手のかかる妹だと思い溜息をはき、父の結婚式の会場へと促した。
「うん行こう。」と二人は仲良く手を繋ぐのだった。
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