叔母VS姪
一階で未だ追いかっけこをしていたクロエとルイネの二人。
ドボンっと言う大きな音が聞こえ二人は見合って、ただバカでかい噴水の方から大きな水柱が上がっていた。そちらに向かっていくと宰相、ルイネの父親がボコボコになり沈んでいる。
「父上ー。」と必死になって助け起こす。
そこそこ深い噴水だったこともあり。衝撃による怪我がないことに安堵する。
上を見上げれば主犯の顔が見える。
ルイネは感じる。あれもまた化け物だと。
二人の視線が交差して、勝手に直っていく城の壁が二人を遮るまで睨み合っていた。
なんだか逸らしたら負けのような気がしたから・・・
「ねぇこれでいいの?」とクロエの声で我に返った。
「はっお父様無事?」と聞く。
「ごほごほ。」と飲んでしまった水を吐き出していた。
「ほー。」と息があることに安心するように声を出す。
しかしそこでクロエが使っている魔法に気づく。
「クロエその魔法まさか、回復魔法。なんで使えるの?」
「あっ!」としまった顔をするクロエ。
「いや、違うよ。魔力を流してるだけで回復魔法なんて使ってないよ。」と顔から汗がだらだら流しながら答える。
「いや、その状態で否定するの無理があるからね。」と向こうを向きながら回復魔法を使っているクロエ。
「ありがとう。」とルイネは言っていた。
「うん。」とこっちに顔を向けない。内心どうしようと思っているクロエ。
「あれ、ここにいたんですかクロエ様?」と声をかけてきたのはメイドのアリアだった。
「げっアリアー。」とこの状況を理解しようとして、険しい顔をする。
「これは何がどうなっているの?」と聞いてくる。
「えーっとさぁー、でもあれえーと叔母様のせいかな?」と母のせいだと知って頭を抱えるアリア。
「ただでさえ立場が悪いのに、宰相に暴行したら、ああもう!お母さん!」
「お母さん?」と意識が戻ったのか宰相が聞いていた。
「閣下申し訳ありません。私の母が・・・。」とアリアが頭を下げた。
「そうか、ああだから切れてたのかいいのを3発ももらった。」
「ふん、殴って当たり前のことをしたやつを殴らないのは私のポリシーに反する。」とゆっくりと廊下を歩いてきていたマリーナ。
「お母さん、謝って!この国の宰相様だよ。」
「はっ!これが宰相ならこの国は終わっているよ。」
「お前言わせておけばー!」と拳を構えるルイネ。
一睨されれば身体が動かなくなった。震えている身体が・・・恐いと言う感情が湧いてくるようだ。まるで大きな蛇に睨まれたような。
震えているルイネの前に出るクロエ。
「えっ。」
「ここは私が!」と強い人と戦えると言う思いがクロエを動かしていた。
わくわく目がキラキラしている。
「私はルイネの友達だからね。そのお父さんを殴ったんだからやっていいよね。やっていいよね。」と涎を垂らしている。
「いや、クロエ戦闘は食べ物じゃないから。」袖口を拭うクロエがグッドサインをしている。
「預かってて。」とテトをアリアに預ける。
「うん。」と返事をするしかない。
どこから取り出したのか短剣が握られている。
「姪が私に挑む。ノエノスちゃんならわかるけど、クロエちゃんには届かないかな?」
「おばさんは負けるのが恐いかな?」とクイクイと手で挑発をしていた。
「ああん?ちゃんとわからせてあげるよ!」と年齢を気にしているようだった。
マリーナが取り出したものは、カード?と疑問に思うクロエ。
そのカードから、サメが召喚された。
「あれはサメ?」とルイネは聞く。
「お母さんは海のあらゆる生物と契約できるの。ある程度の大きさならだけど、古代の遺跡から発掘された召喚符がモンスター達を召喚できる札になって発掘される時があって、それに封じることで契約しているって聞いた。」
「それに浮いている?」
「召喚者はその魔力でモンスターを浮かせることがあるのよ。」
「適当にあしらいなさい。」と命令している。
「ぐらぁー。」と牙が沢山の口を開いてクロエに近づいていく。
それを難なく躱す。
「その程度?」とにっこり笑う。
「むっ。」とただ遊ぶつもりでいたマリーナ。
流石にここでリヴァイアサンを呼ぶわけにはいかない。
あの男との対戦で傷ついているし、さらに複数のサメを召喚した。
「シャー。」とまるでネコみたいな声を出しているサメのモンスター。
「ふふふ。いけぇー。」と余裕の表情で数をけしかけるマリーナ。
「グラァー。」とそれぞれが叫んで囲むのだった。
クロエはそれらと遊ぶように舞う。
サメの頭を踏み台にして行ったり来たりしていた。
まるでそこから落ちないように遊んでいる子供の様に。
暗くなり始めた城内を明かりが灯る。
「ふわーぁ。」と俺も起き出す時間だった。
クロエが妖精のように空を舞っていた。
まぁファンタジーだからそう言うこともあるかもしれない。
なんだかクロエとマリーナが戦っている。
いやマリーナは戯れている様子を見ているのかもしれない。
しかも大きなサメだ。
うん、妖精って言ったこと訂正したくなったぞ。
海風に言えばセイレーンの子供みたいな感じか?まぁ海のいきものだから戯れることもあるか?
あれ?サメって美味しいのかな?
段々と考えがずれてきている。寝起きだからだろうか、疑問が尽きなかった。
「美味しいかも。」といつの間にか涎を垂らしたフルフの人型がやって来た。
なんとこの数日である程度喋れるようになっている。
物凄く頭がいいし、一体何を考えているのかわからない時がある。
まぁ元は狼だからな。
ここ最近気付けば近くにいるのだ。
アリアから俺を預かるように胸に抱いていた。
俺を遊び道具とか思ってないだろうな?思い出せばその可能性はありそうだった。
クロエはあれだサメたちと遊んでるな。
美少女が浮かんで泳いでいるサメ達と戯れている光景。
絶対なんか違うからね。ここ絶対映画とか襲われてるシーンだからね。
「ボッ、ボッ、ボッ、ボッ。」と気付けば俺はファイヤーボールをサメたちに放っていた。
燃え盛るサメたち。
「うぎゃぁぁー。」とか言っている。
焼サメって美味しいのかな。異世界だから味はどうなのだろう。
「テトー、遊んでたからー手を出さないでよー。」とハブてている。
「あれで遊んでるの?」と驚いているルイネ。
「あれでも毎日ノエノス様に訓練されてますから・・・。」とアリアが答える。
一緒になって宰相を介抱していた。
宰相は黙ってアリアを見続けている。
やはり似ている。時期的にも・・・間違いないのか?と心の中で動揺する。
「俺の子なのか?」
「えっ。」と二人が聞き返す。
そう言って宰相は再び眠りについた。
二人は気まずくなる。
「きっと、意識が朦朧としているのでしょう。」
「ああ。そうだな。」
二人はそんなやり取りをしながら残った傷の手当をするのだった。
焼けてしまったサメを戻すようにカードをかざせば、そこに戻っていく。
「ああー。」と俺とフルフは残念そうな言葉を吐いた。食ってみたかった。
「さて第二ラウンドと行こう?」と曲刀のカットラスと言う剣と魔法銃を取り出して、いきなり銃をぶっ放してきたのだ。
「わぁー。」
迫って来る魔弾に驚くクロエが見えていた。
「私の勝ち。」と勝利を確信するマリーナだった。
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