マリーナ・フォン・ラドルガ
マリーナは勝利を確信していた。
己の最高の手札、リヴァイアサンを切っている。
これを使って沈まなかった船がなかったほどだ。
その水の中で戦っているのだろう。
わかっている。慈悲など与えない。
私にとって奴等も家族の一員なのだ。
まぁ流石に線引きはしているがな。
その戦いを見ていたが、おかしい、何が起こっているのだ?
リヴァイアサンの噛みつきの攻撃でやられると思っていたが、それを乗り切っている。
それだけではない本来得意なはずの水魔法によって圧倒されている。
いや私の魔法が凍らせられてきている。
そのことによってリヴァイアサンの水の中での行動を制限している。
自分自身に水魔法を使って水の中を自由に動いているのか?
それを見て目を疑う。
やがて敵の氷に行き場を失って出てくることになる。
「そんな、なぜ?送還。」送還魔法でリヴァイアサンを元の海に返す。
だがそれだけでやられる程私は甘くない。
ガチャ。と娘が開発したランチャーを構える。
水の中から出てくる奴に狙いを定めて発射した。
それを俺はもろに食らって姿を消した。
黙々と登る煙。
「流石にやったようね。」
それを確認する。おかしい。燃えている死体のはずなのに、これは偽造された死体?
「くっそ!逃げられた!何処だ?」と地面を蹴っていた。
「奴は何処に行った。」遠くには言っていないはずだが、マリーナは領都に向かって移動を開始していた。
「あいつの冒険者のホームが向こうだからな。そこにいる可能性は高い。」
そう言って走り出していた。その丸い大きな巨大な氷塊を置いて・・・
ドンと浮かび上がった巨大な氷は浮力を失ったように落ちる。
そしてゆっくりとゆっくりとさらに早くその向かう先は・・・
俺は取り敢えず離脱することに成功した。まぁまさか可愛いこの見た目になっているとは思うまい。
しかし、飛んでいた俺の下を走り続ける女マリーナがいる。
凄い顔で走り続けているな。
「待てや、こらー。」もはやヤンキーのような言葉使いになっている。
顔も怒り顔だ。必死に走っている。
後ろからも?
ゴロゴロと言う音が聞こえる。
なんだこれは?振り向いてみたら巨大な氷塊
それが・・・転がってきている。
マリーナも後ろを向いてそれに気付いたようだ。
「はぁー。」と言う顔をしてさらに必死に逃げている。
「どうして私がこんな目に、アリアちゃんママ死ぬかも。」と走り続ける。
「足速いな。」いや人間必死になればなんでもできるものなのかもしれない。
しかし、あの氷塊が向かう場所は城のようで・・・
「ヤバいな。」今から追っても間に合わない。
念話でスミンにでも伝えておこう。
〝スミンか?〟
〝えっなにこれ何?幽霊恐い?ミコミ取り憑かれたの!〟
間違えた。
〝スミンか?〟
〝はい、テト様どうされました?〟
〝そっちに大きな氷塊と残念美人が向かっている。〟
〝それはどういうことですか?まさか・・・浮気?〟
〝なぜそうなる。残念美人だぞ。ないだろう?〟
〝でも、美人だったんでしょう?〟
〝美人だったが人妻だからな!〟
〝人妻、禁断の愛!〟
〝違うから、ノエノスにでも報告しておけ。〟
〝次はノエノス様を毒牙に・・・〟
もう、念話を切った。
一体スミンは何を言っているんだろうか?
ミコミのポンコツ具合がうつったのか、あり得るかもしれない。
冒険者を扇動していた時もミコミパワーみたいなことを言っていたからな。
もしかしたら異世界特有の力が働いているのか?
俺は一応過ぎ去ってしまった氷塊を追い始めた。そうパタパタのんびりと。
「テト様が浮気!?」と頭を振る。
今はそれよりもノエノス様に報告をして・・・
って今、宰相様来てるんですけど、ノエノス様達その対処中どうしよう、でも言わないといけない。
「あの、すみません。」
そう城の上部から宰相様を迎えているところに声をかけてしまう。
「なんだ無礼者!そこから降りてから物を言え。」と兵士の物から剣を抜かれて抗議される。
だから嫌だったんだ。絶対後で怒られる流れだだが緊急事態だし仕方ないな。
「なんか城の上から何か変なものが見えるのですが・・・敵かも知れません!」
そんな言い訳通じるのかどうかわからないが・・・私は言うしかなかった。
「閣下申し訳ありません、優秀なメイドが言っていることですので緊急事態かと思います。私とノエノスが対応いたしますので挨拶は後ほど。」とラミーナ。
「わかった。気をつけてな。」
「ラミーナ。」
「貴方、宰相様の事よろしくね。」
二人はそこから抜け出した。
なんか二人ともニコニコしていたのだが、対応がそんなに嫌だったのかな。
クロエはお母さん、お姉ちゃんずるい私もそっちに行きたいと思っていたが口にすることは出来ない。今回のクロエは無言を貫くように言われていた。
むーとふくれっ面をしていたが、その表情がアリアにバレていたのだろう。
身体を少しつつかれ顔を整えていた。
マナーもここ最近フレイザにわざわざ来てもらって夜教えてもらっていたのだ。
クロエはいやがっていたが、ラミーナの説教と言う単語がよほど怖かったのか真面目に望んでいた。なんとか及第点までは持ってい蹴れたみたいだ。
「しかし、似ている。」と馬車から降りた宰相がアリアの方を見てそんなことを言う。
「まぁそんなことはないか。」と言ってランドルの案内に従って中に入って行った。
「なんだあれは?」
それに気付いたのは城壁の上から観察していた冒険者だった。
「何のことだ。」とそこを見れば凄まじい程の砂煙が上がっていた。
「こっちに向かっているぞ!」
「敵かもしれない注意しろ!」と城壁の冒険者が言うが・・・
そこに現れたのは巨大な丸い氷塊だった。
その氷塊は城壁を壊しながら空を飛んで城へとダイブしようとしている。
「さて、どんなモンスターが来るかな?」とニコニコ顔のノエノス。
「そうね。時間をかけてやりましょうか。」と腕を捲っているラミーナ。
二人は戦闘態勢に入っていた。
そこに現れたのは大きな氷の塊とそれに追われているマリーナだった。
二人の間を走り抜けて倒れるマリーナ。
「もうへとへと、走れない。」と言っていた。
迫ってくる氷塊をノエノスが剣を構えて突き込んだ。
「刺突・大崩壊。」
まるで楔のようにそこから氷が割れて粉々になる。
「あっもう終わっちゃった。私の出番なかったじゃない。」と残念そうにするラミーナ。
「後始末をするからノエノスは戻っていてもいいのよ?」
「お母様こそ、宰相様の相手をされては?」とここから戻りたくないのだろう。
取っ組み合いの喧嘩になりそうな雰囲気だ。
お互いにお互いの仕事の譲り合いをしていた。
普段はお母様の言うことを聞くノエノスも今日は違うようだ。
目線がぶつかり合っていた。
「あははは。」と笑ってヘたっているマリーナはそんな様子を見ながら、全力で走っていた疲れで気を失った。
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