果たし状
そんなこんなのことをやりながら、もう朝になり俺は今日の見回りを終えて、城の中にある冒険者ギルドの中に入っていく。
巡回途中でスタンプを押してもらう。なんだかスタンプラリーみたいなものだな。
チェックポイントは4つの門と元冒険者ギルドの建物、今では領の支援の建物になっている。これが出来たことで、色々な対応が可能になりこの領は発展していると言ってもいいかもしれない。まぁ領の役所が領民の近くに出来たようなものだ。
門の責任者も皆、知り合いだったりする。
今ではラドルガの4聖と言われている奴等だ。偉くなったものだ。
途中の元冒険者ギルドの建物で、始めセバスチャンからハンコをもらった時の目はなんとも言えない目だったりしていたが、今では結構仲良しだったりする。
なぜかフレイザに警戒されている。剣に手が伸びるほどだった。
城にある冒険者ギルドは飲んだくれなどいない。
いたらノエノスに叩き出されるのだ。
「ここで飲んでたら迷惑になるでしょう!ふん。」と怒った顔をする。
全然恐くないのだがと思っているが流石に実力は知れ渡っているようだ。
それに今一番深く潜っているのはノエノスだったりしているらしい。
冒険者も何人かノエノスに助けられているらしく、頭が上がらない。
そいつらが呼びかけて、冒険者ギルドでは酒を飲まないと言う暗黙のルールが出来上がった。
「お酒を飲むならダンジョンに行ってこーい。」と最後にノエノスは言っていたらしい。
それを可愛い子からの応援と勘違いした冒険者達がやる気を出してダンジョンに潜ると言うサイクルが出来た。
まぁやる気になるモチベーションは大事だよね。
ミコミのブームから今はノエノスブームになっている。
「ミコミの時代は終わったの?」と冒険者ギルドの陰で泣いていたりしていた。
ミコミがたまに遊びに来たりしていたが、なんとミオンと友達なのだと言う。
今日はいないようだ。まぁ朝早くから来るものではないだろう。
注意されたこともあり、冒険者はダンジョンに潜りながら換金をギルドで行い、酒などは領の酒場や兵舎で飲む事になっている。
ミオンもそれで仕事がやりやすいらしい。
ビルルは勝手に冒険者を城にやったとしてお叱りを受けたが、まだ受付をやれている。
ミオンもどう冒険者に伝えようかと悩んでいたらしいが、その間違って伝えた結果が良かったから許されたのだろう。
「こんばんは、もうおはようですかね。」と話しかけてきたのはミオン。
「今日の巡回は終わった。」とスタンプが押されている紙を見せて報告する。
そう紙だ。たまにダンジョンで落ちていたりするのだ。
意外にダンジョンからの変わったドロップ品が多い。
なぜそこで出るんだと思ったらダンジョンだからと皆が皆納得する。
それも不思議なことだった。
「ありがとうございます。」と言われ報酬を受け取る。
「それとこれを・・・。」と言ってなんだか申し訳なさそうに手紙を差し出してくる。
その手紙に〝果たし状〟と達筆で書いてあった。
「・・・」一瞬時が止まる。
「これは?」
「あの申し上げにくいのですが、いえ、私からは何も言えません。」
近くにあったテーブルまで来て椅子に座る。
手紙を読む。それを覗き込もうとする冒険者たち。
〝てめぇ、よくも私の部下たちを遊んでくれたねぇ。ねぇどうしてくれようか。海にでも沈めようか?ごめんなさいと謝るなら許してやるよ!では明後日正午、辺境領の海と城の間で待っている。逃げんなよこらぁー♡てめぇをぶん殴るやつより♡〟
冒険者たちは可哀そうな目をしている。
どっちに向けた目なんだろうか?
俺か?相手か?
「ふむ、まったく身に覚えがない。このハートマーク、女か?」
一体誰だろうか。そもそも果たし状なんて物騒なもの出す程恨まれているのか?
胸に当て考えるが特に、いやネオンとシオンのことを思い出すがそれはないだろう。
きっと本人たち自身で復讐はしたいだろうからな。
「ふむ、行ってみればわかるか。」と明後日の昼だな覚えておいた。
そしてその日を迎えた。
朝から城が騒がしくて、どうやら貴族のお偉いさんが来るらしい。
「えーやだー。」とか言っているが、クロエまで貴族服のドレスを着ている。
まぁ似合っているんじゃないだろうか?
心なしかメイドも新品のメイド服を来ているようだ。
「どうですか?」と聞いてくるスミンに。
「似合っているね。」といつも通り答えたら怒られた。女心なんだろうかよくわからない。
まぁ今日は俺は関係ないからな用事がある。
失礼があってはいけないからと外に逃げることにした。
そして時間まで見回りをして、正午に決闘の場所までやってくる。
「待っていたお前を!」と手振りを振って挑発する女。
コイツは・・・この前酒場であった。確かマリーナか?
「お前は私の大切な部下をやった。許されるものではない。」と仁王立ちしている。
「いや、そちらの部下が手を出してきたのだが・・・。」
「言い訳はいい。やるかやられるかだ!」
どうやら言葉が通じないらしい。この前、酒場で仲良くなったはずだが
覚えてないのか?
「マリーナワールド!」何かの詠唱を唱えたようだ。
次の瞬間自分の周りを中心に大きな水のドームになる。
「これは?水の中か?」
いつの間に?そう言う魔法なのか?結界?
水の抵抗があって動きにくい。
どうする?流石にこれは不利なのではないか?
そこに迫りくる影、何か大きいモンスターが物凄い速さで俺の周りを旋回している。
まず胴体が長く、青色の外観をしているまるで蛇のように見えるが、その化け物が正面からやってくる。俺を食い殺そうと口を開けたのだった。
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