俺達の関係は?
あれから取り敢えず部屋に入り。
俺とスミンはお互いが睨み合っている。
さてどう切りだすか?
いや、これは仕方ないと俺は冒険者をやっている時のように立ち上がった。
「貴方!」と警戒を強める。
それはそうだろう。今まで可愛い顔をしていたのが立ち上がって多少大きく見えるのだから、それに辺境伯に喧嘩を売っているからな。
「そう警戒をするな。俺はあくまでもクロエの従魔テトだ。まぁ冒険者をやっている時はヘイロンと名乗っているがな。」
「・・・」そう言っても信じてもらえない。
「俺もテトとしての生活が気に入っている。クロエに隠れて冒険者をやっているのもこの領のためになると思っているからだ。」まぁ冒険者が楽しいのもあるが・・・
「・・・」俺を睨んでいる。
「信じられないか?」
「信じられない!」
「スパイのお前に言われてもな。」
そう言った瞬間にスティレットを俺の喉に突き付ける。それはきっとバレちゃいけないことだろう、刺しているのだろうが届いていない。むしろ震えている?いや身体がそれを拒否している。
「どうして?殺す気でやったのに?」
「お前はすでに俺の眷属になっている。」
「えっ?」と戸惑う。
「主人が嫌がることを特に命や怪我をさせる行為なんかをお前、いやスミンが出来ないと言うことだ。」
「それは私を奴隷にしたと言うことか?」警戒心がさらに上がっている。
「さぁ、どうだろうな。そう言う意味でも、俺はすでにクロエの奴隷になっていると言うことだ。」
「・・・」
「そう言われれば何も言えないだろう?それに賢いお前なら、あの玉座の間でのやり取りの茶番くらい見抜いているだろう。あれはいずれ物語になるだろうさ。ははは。」あれは領主がこの領を守る気概があるかどうか試したものだ。
出来レースの用なものだ。例え違う言葉を言っていたら、次にラミーナに聞いていたことだろう。
「・・・わかった。」と納得はしてないけど納得しているようだ。
「まぁ、まどろっこしい事は嫌いだ。取り引きをしないか?」
「取り引き?」と困惑する。意外に表情豊かだな。眷属化したから素が出ているのだろうか?
「そうだなスミンは俺のことを黙っておくこと。」
「そんなこと命令すればいいことだろう。」武器は直したが未だ睨んでいる。
「それならそうするが、協力関係がいることもあるだろうしな、協力者としては嫌々協力されるのはパートナーとしてはいつ関係が破綻してもおかしくないからな。それにクロエとは従魔関係を結んでいる以上。俺はある程度クロエを尊重しなければならないようだ。」
「・・・。」黙って聞いている。
「正直クロエに報告されて、従魔としての制約を科せられるのは嫌だと言うのが本音だ。だからスミンに無理を言えないと言うのが俺の本音でもある。」
間接的にも干渉されれば俺の行動を制限されるだろう。
冒険者活動にも影響が出る。
「なるほど。」
交渉としては俺の弱点を曝け出しているようなものだ。かなり不利な状況だろう。
「だからスミンは奴隷と言うわけではない。ちょっと複雑な状況なのだ。」
クロエがいて俺がいて眷属(スミン達)がいるピラミットを形成していた。
まぁ人質ならノエノス(眷属)がいるから、一概にピラミットと言うわけではないか。
「さて、取り引きをするかどうかだが、スミンからも何かないか?」
「私からですか?」
「そうだ。取り引きは基本お互いが納得しないといけない。スミンからも要求を言え、保留はなしな。」
「では時々抱かせてください!」
「うん?はぁぁぁぁー。」と思わず叫ぶ。
「・・・ち、違います。そう言う意味じゃなくて、えーとペットやぬいぐるみを抱き締める感じの!」と変な風に勘違いしそうな発言だと気づき訂正をしている。
右と左の人差し指をちょんちょんとやっているなんでこう可愛く見えるんだろうか。
あざといと言うのはこういうことなのだろうか?
「まぁ時々な。」と答えておく。
「はい、よろしくお願いします。」と嬉しそうにしていた。
俺は従魔の姿になりスミンに抱き締められながら、この領の現状を話した。
残り3つのダンジョンがこの領にあること。
ダンジョンを攻略すればそのダンジョンを自由に設定できること。
城の地下のダンジョンも肉ドロップを中心に出来ていると話す。
まぁ流石に転生のことは話せないがな。
「子供なのに頭がいいんですね。」
「まぁ竜だからな。」うんうん納得している。竜はきっと頭がいい種族なのだろう。
「それと俺は夜、ダンジョン攻略のため冒険者をする。クロエへの言い訳とかフォローを頼む。昼は寝ているからな。」
「わかりました。」
「もし何か危機的な状況があれば念話で伝えろ。」
「念話ですか?」
〝ああ、聞こえるか?〟
〝聞こえます。〟
鑑定をすると念話の文字がスミンに付いている。
「これでたぶんできるだろう。スミンからもやって見ろ。」
〝聞こえますか、テト様?〟
〝ああ、聞こえる。しかしテト様?〟
〝はい、私のご主人様はクロエ様ですがテト様はその従魔なので、そう呼ばせてもらえればと・・・〟
〝まぁいい、奇特な目で見られないように気を付けろよ。〟そう返しておいた。
「それとこれをクロエに渡して置いてくれ。」と取り出したのは精霊からもらった指輪だった。
「これは指輪?まさか!」
「違う、俺はロリコンじゃないから。これが説明書だ。」
「マジックリングですか?」
「そうだ収納機能がついている。俺からあげると説明することが出来ないからな。」
「なるほど。」とまじまじ指輪を見て。
「私にはないのですか?」と聞いてくる。
何、その期待の目?
転移のリングしかないんだけどそれ俺のなんだけど?
「まぁしばく使わないか。これを貸しておく。」とリングを渡した。
「わぁーありがとう。」と言って喜んでいる。人並に女の子なんだろう。
今の辺境領にアクセサリーなんて売っているところなんてないだろう。
女性だからそう言う着飾るのも大事だよなと思っている。
まぁ多少の身体強化の効果もリングにはあるようだが。
「大切にします。」となんだか可愛く言われて照れるのだが・・・
返してもらう時どうしようか?俺、転移魔法覚えるだろうか?いやこうなったら自力で覚えるしかないなと決意した。
「そろそろ出ようか。」
「はい、テト様。」そう言って俺を抱えながらクロエの元へ運んでいくのだった。
〝意外にむっつりなんですね!〟と念話で言われた時、俺はしばらくスミンを無視をしようと決めた。
クロエの元までの間に寝てしまったのは仕方ないだろう。
俺はまだ子竜なのだから・・・
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