眷属召喚
〝眷属召喚を使用しますか?〟と声が聞こえる。
使用する!使用するから誰か来て!
〝ランダムで召喚します。〟
地面に魔法陣が現れ出てきたのは・・・
ミコミだった。ダメだこれはダメだと頭を抱える。
「かぷ。」
「ぷぎゃー。」と言ってクロエの盾になってイノシシの噛みつきを受けていた。
「凄いミコミ!何処から現れたの!」と興奮するクロエ。
「例えミコミがやられても第2、第3のミコミが・・・。」パタ。
外れだったか。
イノシシ達は何度も何度もミコミを噛み噛みしていた。
もう一度召喚!
ゆっくりと出てきたのはスミンだった。
「あれ?ここはどこ?」と辺りを見回す。
目の前のイノシシ達がミコミを噛み噛みするのをやめて、こっちを見てまた再びミコミを噛み噛みしてこっちに来なかった。
「今のうちです。ミコミが犠牲になっている間に逃げましょう。」と状況を把握したスミン。
「そっそんなぁーミコミぃーミコミぃー。」と叫ぶクロエ。
「ミコミの事は忘れない。」と必死になってクロエを連れて逃げた。
ミコミが可哀そうだから気付かれないようにファイヤーボールを放ったのは内緒だ。
「ぐごぉぉぉぉお。」と言う二つの悲鳴が聞こえた。
その悲鳴をミコミの悲鳴と勘違いする二人。
ダンジョンで戦闘を行っているスミン。
何処からか取り出したのかスティレット二振り構えて止めを刺した。
ドロップする肉を持っている。
そして少し休む。
「なぜここにいるんですか!」と怒っているのはスミンだった!
「だってぇーだってぇー。」と泣きじゃくるクロエ。
「もう私が来なかったらどうしてたんですか!食べられていたかもしれませんよ!」
「ううううう。」と潤んだ瞳をする。
「はぁー、あとでお母様に怒られてくださいね。」とにっこりと言うスミン。
「えっ?なんで?なんでそんな酷いこと言うの!」と抗議するクロエ。
よくお話しで、いかにお母様の説教が恐いかノエノス姉さまややライズ兄様に聞かされていた。
「クロエ様、これも貴族としての務めです。」
説教が貴族としての務めなのか?と俺は思った。
「いやだ!いやだ!」と抗議する声。まるで子供、いや子供だったな。
「さてそんなことより、帰り道は何処でしょう?」
「えっ?わかんないの?説教はヤダ!」
「私来たばかりなのですが・・・クロエ様、わかりますか?」
「わかんない!説教はヤダ!」そこは元気に答えてほしくなかったみたいに頭を抱えるスミン。
「はぁー。」と溜息を吐く。
「私も方向音痴な所があるので・・・」どうしようと二人が困っている。
しかたないとクロエの腕から飛び出してパタパタと飛び出した。
「テトどこ行くの?」と聞くクロエ。
クロエが捕まえようとするがそれをスルスル躱した。
「ぎゃお。」と言って奥へと進んでいく。
彼女たちを案内するように・・・
どれだけ進んだだろうか。
広場に出て出口も見える。
「やった!テトありがとう!お説教は嫌だけど。」と抱き締めてくる。
「ぎゃお。」と答えておく。
その姿に訝し気な目を向けるスミン。
まるでお嬢様を騙せても私は騙されませんよ!と言っているような顔だ。
「ぎゃお。」と言って視線をそらしておいた。
ダンジョンから出るとノエノス、ポルルがいた。
「わっ!」と驚くクロエ。スミンも頭を抱えた。
「もう、ダメでしょう。ダンジョンは危ない所なんだから一人で入っちゃダメ!」
頬を膨らませてそう叱っていた。なぜだろう、全然恐くない。
「スミンもごめんなさいね。」
「いえ。」
「ポルルが急にスミンがいなくなったって言うから探したら、クロエもいなくて探しているんだろうなと思って・・・良かった。」と安堵している風に言う。
「クロエ、もしダンジョンに入りたいなら私の訓練を受けなさい!」
「えっ。」
「受ける覚悟がないならダンジョンには入らせない!死ぬかもしれないんだから!」
「ミコミ。」クロエはミコミのことを思い出しているようだ。
「ミコミ、本当はいい奴だったのに・・・」とスミンが顔を覆っている。
「呼んだぁー。」とダンジョンから出てくるミコミ。
「は?」
「えっ?」
二人が戸惑う。
「本物?」
「大丈夫だったの?」と心配する二人。
「ふふふ、あの後ミコミの真なる力が覚醒してイノシシのモンスターを倒したのだ!」とドヤ顔をする。いや俺のファイヤーボールだからな。
「おおう、凄い!」とパチパチと手を叩くクロエ。
「お前はそう言って調子に乗るから痛い目に会うんだ。」
「ふふふ、ミコミの真なる力が覚醒した今スミンなどワンパン!痛いぃ。」と額を擦っている。スミンのデコピンがクリーンヒットしていた。
「ミコミ、本当に覚醒したのか?」
「覚醒したもん!」
「はいはい、じゃあ皆でお母様の所に行こうね。」
それを聞きクロエは逃げ出そうとして襟元を掴まれた。
俺はパタパタと逃げる。
「テト、一緒に怒られよーう。」と遠ざかっていくクロエを見ていた。
そして何かを思い出したように戻って来てミコミの襟を掴んで二人を連れて行く。
「待って!ミコミもぉ?なんでぇー?」
「ミコミ。」
「クロエ様。」と泣き顔をするミコミ。
「一緒に怒られよう。」満面の笑顔で言う。
「そんなぁー。」とノエノスに連行されて行った。
「まぁ自業自得だな。むっ!なんだか面白い匂いがするから俺は行く!」と言ってポルルは走り出した。
さて俺も・・・
「何処に行かれるのですか?」と片手で俺の首を持っている。
パタパタするが逃げられない。正面を向かせられる。
「ねぇどういうことか説明ぐらいありますよね!テト様?」なぜ様付けするのだろうか?
「ぎょお。」と可愛く首を傾ける。
これで誤魔化せるよね。
「ありますよね?」可愛い子が目の前で恐い顔で近づいてくるのが、こんなに恐いとは思わなかった。
「ふー。」俺は観念した。
「はぁー。」と吐いて誰にも聞かれたくないから指で部屋を指した。
「わかりました。」と逃がさないように掴まれながら、俺は連行されて行った。
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