ダンジョンは遠足?
命令書
緊急事態により、冒険者ギルドを接収します。
つきましてはと続く文言。
辺境伯 ランドル・フォン・ラドルガ
「まぁそうなるわよね。」
緊急事態だから冒険者を兵士として雇う事になる。
強制だ。
そのことに頭を抱える。これをどう皆に言うべきか悩む、ミオン。
「大変だ!皆見てくれ!」とゴエモンが叫んで冒険者ギルドに入ってくる。
「そんな慌てて、どうしたのです。」
「いいから外に出てきてくれ、説明が難しいんだ。」
「?」と訝しがったが受付のカウンターを飛び越える。
こう見えて実はB級冒険者なのだ。
男たちの悲鳴が聞こえたが知らない。付き合っていたら切りがないことを学んでいるから、そこから冒険者ギルドを出る。
「何これ!?どうなってんの?」と思わず声を出してしまう。
領主邸があった場所に大きな城が聳え立っていた。
黒い外観にまるで魔王がいるんじゃないかと思ってしまう。
城壁まであるなんて・・・
「はっ!」と圧倒的で飲まれそうになる城の外観から現実に引き戻される。
「冒険者達は部隊を編成、ゴエモンが部隊長。あの城に向かってください。」
「えっ俺?」と指を指す。
「貴方この中じゃ一番ランクが高いんだから、頑張ってね!」と丸投げすることにしたミオン。
「えっ!えっ!待ってくれミオさん!」と止めようとする。
「なにか文句あんの?」と睨まれて皆が震えている。
「ありません!行ってまいります。」と冒険者ギルドにいた冒険者が全員いないくなった。
「よし!」と親指を立てていた。
「私も寝ようと。」ベットにいたビルルを落として、ベットにダイブした。
ビルルは頭を揺らしながら受付に座ってそのまま寝続けていた。
バンと言う音と共にダンジョンから帰ってきた冒険者たち。
「あの城はなんだ?」
「何が起こっているんだ?」と言う声がする。
「わからない、何があったんだろう?」
「クーカー。」と未だ寝続けるビルル。
バンとカウンターを叩いて起こそうとするバスルン。
バスルンがビルルを揺する。
「起きなさい!」
眠そうな目を擦りながら起き出す。
「ふわぁーい、なんですかぁー。」と聞いた。
「あんたねぇー真面目な話しなんだんだから、ちゃんと聞いてね。ダンジョンがなくなたの!それになにあれ、なんであんな大きな城が出来てるの!」机をバンバン叩いていて寝れない。城って何だろうか?
「そうだ!ダンジョンは?ヘイロンさんは何処に行ったんだ?あの城はなんだ魔王城か?」とコルタ、いつもと装備が違うような気がするけど・・・まぁいいか。
「報告と確認がある。責任者のミオンを呼んでくれ。」とうるさい声が聞こえる。
ミオン先輩は寝たばかりで、起こすと怒られる。
ああ眠い、いっそ誰かにこの仕事を押し付けたい。
そう言えば領主様が冒険者ギルドを接収するとか言ってたような。
「報告はこれから領主の館にお願いします。」と机の下にあった命令書を突き付ける。
「これは領主様からの命令書!!」
それを読んで理解をするカルマ。
「わかった。俺達は領主邸に行く!」
「はーい、行ってらっしゃい!」と皆が出て行くのを見送る。
これでうるさいのがいなくなったとカウンターで静かに寝始めるビルルだった。
わらわらと冒険者が城の広場に集まりだす。
壇上で長話をしようとしたランドルを止めてラミーナは何故かミコミを送り出した。
そのことに疑問を浮かべるがすぐに納得がいった。
「お前等生きてるかぁー。」と壇上で仕切っているのはミコミだった!
「うぉぉぉぉ。」と言う冒険者が熱狂の渦に包まれる。
「これからお前等はミコミの肉のためにダンジョンに潜ってもらう。異論は認めない。これは領主の命令だからだぁー。」
「うぉぉぉぉぉ。」とさらに熱狂を帯びていき怒号がこの城を包んでいる。
「ミコミの肉のため!皆死んでくれぇぇー。」と目を閉じ開いてそんなことを言って拳を握って天に向かって拳を掲げた。
「うぉぉぉぉ。」と雪崩を打って冒険者がダンジョンへと向かって行く。
「えっちょっ待って、待ってミコミは待ってるだけだからぁー。」と冒険者の群れにわっしょいされながらダンジョンに連れていかれた。
「未だにミコミが冒険者達に人気な理由がわからない。」とスミンは呆れていた。
「羨ましいのか?」そんなことを聞くポルル。
「そうじゃない。」
「なるほど皆、目線が胸にしか行ってないからな。」と頷いているポルル。
「先輩、この世では言ってはいけない事があるんだよ。」
「恐いよ、恐いよスミン!」もうこの話題でからかうのはいけないと思っているが、からかい続けるのは、ギリギリを責めるポルルらしいのかもしれない。
メイド服姿に白いハチマキやら腕まくりをしているフレイザの目が光る。
戦闘準備のように気合を入れている。
ミコミの指示のもとダンジョンになだれ込もうとしている皆に、干し肉を投げ渡していくフレイザ。まるで忍者のように手裏剣を投げているようだ。
食物を無駄に使っていると言う声があるかもしれないが、それはそれこれはこれだ。
それに落とそうとした冒険者はこのダンジョンから弾き飛ばしているノエノスが・・・
実力が足りない冒険者達は年若かったりしている。目がイっているノエノスにどういう目に合わされているかはわからないが、こういう所で貴族の特権をフル活用しているなと思う。
今の王都の貴族はさらに混沌を呼んでいるらしい。
そんな噂が辺境まで届いているあたり王都は終わっているのかもしれない。
「ミコミの前が見えない。」とミコミの目を覆いかぶさるように干し肉を投げたのは仕方ないことかも知れない。
冒険者の口や上級者になれば手でキャッチしている。
「私は、干し肉投げマスターの称号を得たかもしれない。」と独り言ちるフレイザだった。
冒険者全員が中に入るのを確認して、年若い冒険者を食べようとしたバカ弟子ノエノスを引きずるように連れて行った。
「私のショタが~。」最近ミコミに似てきたかもしれない。
そう言う性格は映るものなのだろうか?主従に教育が必要かもしれない。
ラミーナ様にお願いしようかと悩むフレイザだった。
「ショター。」と手足をバタバタさせて連れて、いや連行されて行った。
「ダンジョン!ダンジョン!」と元気に声を出すクロエ。
辺りを見回して誰も付いて来ていないことを確認する。
「よし!」と言って、再びダンジョンダンジョンと言っている。
俺を抱えながら、武器はどうした?そんな格好で入るのか?
これは止めないとまずいぞと誰かいないかとみていたが、兄の変態しかいない。
見なかったことにした。
いや、ファイヤーボールを放って焼いた。
「ぎょぉぉぉあああ。」とか言って城の中を駆けずり回っていた。
いい気意味である。ストーカーは犯罪だ。
例えそれが兄であっても許されない。たぶん、きっと、だよね?
なにしろこの世界の常識がまだわかっていない。
ダンジョンの入り口には現在川鎧の兵士二人が待機していた。
流石に見つかるだろうと思ったら、クロエはそのまま入って行った。
えっそれでいいの?
止めろよ兵士!入ったらもう声は届かなかった。
「おい、今誰か通らなかったか?」
「?お前の見間違えだろう。」
「そうか。」とそんなことを言って再び警備についていた。
「ダンジョン、ダンジョン。」と言う声を出しながら洞窟を進んでいる。
「うぁぁあぁあぁ。」とか言う泣き声が洞窟の中を支配している。
どうやら声の方に向かわずに別の方に向かっているようだ。
「ふん、ふん♪」ご機嫌の10歳の子供が冒険を楽しむあれに似ている。
きっと木の棒とかを探しているだろう。
そして現在ウリ坊みたいなモンスターやら兎のモンスターが襲い掛かっている。
それらをすべて躱して。
「あははは。」とか言っている。
俺はもしかしたら、ヤバイお嬢様にテイムされたんじゃないかと頭を抱えた。
モンスターの数が段々と増えていいき。
最初はじゃれ合っていて、今は真剣に躱している。
いや、この娘回避の天才だわ。聖女かとおもったら、そっちの才能もあったのね。と鑑定で見たらレバルが60になっていたりするからもしかしたら化け級になっているのかもしれない。
だが流石にこれ以上はまずいのではないかと思っていると。
「うぁあああああん。」と言う泣き声と共に前から砂埃を立てながら走ってきているミコミが現れる。
凄い勢いですれ違っていった。
ビューンとまるで風のようだ。
その向こうから来る何かに恐れたのかさっきまで遊んでいた小物のモンスターたちは消えている。
現れたのは大きなイノシシの魔獣だった。
流石に身構えるクロエ。
イノシシの突進をバク中しながら躱して、その上に乗るほどの余裕を見せている。
それを身体を振って振り降ろし、再び対峙をする。
「ごぉぉぉぉ。」と叫んだらもう一匹大きなイノシシが現れる。
流石にまずいのではないか?と思う。
何か?何かないか?と思うがファイヤーボールでも吐くか?
だが、便利に使われてさらに奥へと向かってしまう未来が見える。
流石にそれはクロエの身が危ない。
「ぎょお。」と困った声を出す。
いつの間にか近くまで来ていたウリ坊に攻撃を受け、よろめくクロエ。
近づいてくる大イノシシ。
クロエは流石にヤバいと思ったのか、口を開いて固まっていた。
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