VSゴブリンキング(2体目)
「知り合いか?」と聞いてくるポルル。
「いや、その変に気絶して転がっていただけだ。」フレイザのことは知らない振りをした。
知っていたとしてどう説明すればいいかわからない。
生まれ変わったみたいだとでも言えばいいのか、きっと正気を疑われるだろう。
運んできたあの4人はクロエの近くに置いた。
「それよりも二匹目のゴブリンキングか。」と見上げる。
「うぉん。」と子狼のフルフがやって来る。
ある程度のゴブリンを殲滅しているコイツもコイツで優秀な奴だ。
ゴブリンの群れと戦いながら、傷などなく生き残っているのだから相当やるな。
4人が眠っているが瓦礫をどけてカーテンを敷いて横たえた。この状況を見たら死体に見えてしまう。
それはそうだろう所々に血が付いているのだから。
ダンと待てずにゴブリンキングが大剣で攻撃してきた。
それを大剣で受け止める。
先ほどノエノスが戦っていたゴブリンキングよりも強い個体かもしれない。
受け止めた大剣を弾いた。後ろに後退するゴブリンキング。
罅が入っているこの大剣は使い物にならないなと投げ捨てた。
「ごぉぉぉああああ。」と強敵にあって気合を入れているのかもしれない。雄たけびを上げて気圧されて下がるランドルとポルル。
「ガルル。」とフルルは威嚇して、俺は平然としている。
さて、どうするか?
ここであまり実力を出してクロエのパパに目を付けられるわけにはいかない。
しかし、この状況で戦わないわけには行かないか、と拳を構える。
「ねぇ。」
なんだ周りの空気が一段と寒くなっているような気がする。
「くぅぅぅん。」と何かに恐がるように俺に身を寄せているフルル。
「一体どうしたんだ。」と撫でてやる。
「私、寝てたのよ。気持ちよくてね。」コツコツと歩いてくる。
ハイヒールでも履いているのだろうか?その女は氷のハイヒールを履いている。
「おおう。」とクロエパパが助かったみたいな顔をして尻もちを付いている。
もう戦えないのだろう。
「寝てる時に邪魔されるのが一番嫌いなのよ!わかる?気持ちよく寝て、気持ちよく起きたいの。誰にも邪魔されずに私の好きな時間を使いたいのよ!」
その殺気は尋常ではないだろう。俺も骨の髄まで凍りそうだ。
いや実際、凍ってるぞ!炎を纏ってとかした。
この状況、後は任せても良さそうだ。
「この私を怒らせたんだ。凍って逝くよねぇ。」とゴブリンキングを上にいながら下に見ている。
その言葉が発せられた瞬間。
足元からゴブリンキングが凍っていく。
「なぁ。」と言って抜け出そうとするが、足がそのまま途中からとれてもげて立てない。
「可哀そうに、痛かったでしょう?大丈夫今から一気にトドメを刺してあげるよ。」
ゴブリンキングには彼女が悪魔に見えていただろう。
俺もその気持ちわかる。
この領でクロエママだけは怒らせてはいけないと思った。
ラミーナは天に手を開いて言葉を発する!
「大・氷・塊!」
この屋敷ほどの大きな氷の塊が上空から降ってきてゴブリンキングを押しつぶした。
抗おうとしたがすでに氷で腕や足が氷で縫い付けられていて逃げることなどできない。
同情はしない、これもお前が取った行動の結果だ。受け入れろ。
消えていくゴブリンキングの最後を見終わった。
大剣だけが残った。
それを見終わって、ラミーナは魔力を使い切ったこともあって再び眠りについた。
俺はその場の残りのゴブリンを殲滅して、いつものように遠回りをしながらパタパタとクロエのもとに帰って行った。
流石に俺も眠たさの限界だった。
ぐぅーぐぅーとフラフラ飛びながら寝ていた。
ぶつかった誰かに抱きかかえられながら俺は寝てしまった。
「おはよう。」と目を擦りながら声をかけるミコミ。
なんか酷い夢を見ていたような気がする。
周りを見ると瓦礫ばかり。うん、これも夢だと思って二度寝をしようとしてスミンに睨まれているのに気付く。
「ミコミ何もしてないよぉー。」と目を擦りながら言う。
「良かったミコミ生きてたのね。えーん。」と抱きついてくる。
「・・・気味が悪い。何か企んでるの?」と何か訝し気に応える。
空が青いミコミはどうしてここにいるんだろう?
ミコミの部屋で寝てないの?なんで?と思ってまだ眠いミコミは取り敢えずスミンに身体を預けようとした。
「あれ、ここはどこ?屋敷?なんで瓦礫ばかり?それにミコミもスミンも何をしているの?」と聞く。
そちらに振り向き見る。
「「誰?」」ミコミとスミンは同時に聞く。
「誰ってフレイザだよ。なんだか口調が変だなぁー。」と自分の調子がおかしいことに疑問を浮かべるまるで・・・
「メイド長?何言ってるの?メイド長はもっとこうおばばで、年を取っている。かなり怖くて、極悪人だよ!」と指を突き付けてミコミは言う。
「えっ?えっ?」と戸惑う。
「そのどう考えても若くて、別人なんですけど。」とスミンがおずおず聞いてくる。
「そうそう、あのおばばこんな時に何処ほっつき歩いてんだ!」といきる。
取り敢えずミコミをチョップしてミコミは一撃で気絶した。
「ほ、本物だ。」と言ってガクッとなった。
「ほ、本物?」とミコミとフレイザとのいつものやり取りに見える。
ポルルは相変わらず近くで寝ていた。聞く確かめる相手がいないスミン。
「若返ってますよ!」と指を刺して驚いた顔で言う。
「嫌味か?」と聞いてしまった。
スミンが何も言うことが出来ずに指で水が溜まっている噴水を指す。
何か自分の顔に恐ろしいものが付いているのかもしれないと思う。
フレイザは恐る恐る水辺を覗き込む
「・・・」
一度スミンを見る。コクコクとい凄い速さで頷いている。
もう一度水辺で自分の顔を見る。
「なんで!どうして!こうなってんのぉー!」と思わず叫んでしまう。
「私若返ってんだけどぉぉぉぉぉ、なんでぇぇぇぇぇ。」と言う声が屋敷中、いやこの領都に響き渡ったかもしれない。
「もう何が起こっているのかわからない。」どうやらフレイザの理解を越える状況で、考えるのを放棄してぐったりしていた。
「ふわぁぁー。」よく寝たと次に起きたのはノエノスだった。
しかしこれは何があったんだと周りを見る。瓦礫の山だ。これからどうしたら良いのか。
「あーなるほど。」と一分かけて状況を思い出す。
「ゴブリンたちはどうしたの?」と思わず近くにいたスミンに聞く。
「わかりません。」とミコミに抱きつきながら応える。
「そう。」取り敢えず生きてる。近くでクロエとお母様が寝ている。
スミンはもしかしたらミコミのことを好きなのかもしれない。
抱き合っていたし、女同士ってお互いがいいなら別にいいと思う。
「頑張ってね!スミン!」そう言ってスミンの肩を叩いた。
「はぁ。」と答える。何を頑張るんだ?と疑問に思った。
ノエノスは青い空を見上げながら、崩れた屋敷のことは置いといて、皆無事ならそれでいい、取り敢えず今はそれで満足した。
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