ユニメの取り合い
アヤノはクロエを連れて逃げ出した。
あの冒険者ヘイロンに勝てるわけがない。
じっとりと汗が掌に滲んでいる。
そもそもなんでここにアイツがいる。この子もそうだこの間王都にいたばかりのはずが・・・私が知らない裏道の転移ゲートでもあるのか?
「今考えてもしあk他ないことか。」
正直逃げ切れるかわからないかったがこの子がいる以上私に手出しはできないはず。
そう思って担いで逃げているところに偶然、そう偶然に前方に見える知人がいた。
それを見てほくそ笑む。
「ついているというか・・・ふふふ。ピースが揃った。勝利の!」
「アヤノがどうしてクロエを連れているの?」
そう聞いてくるのはユニメだった。
今は角がないユニコーンの世話をしていた。
「まだその子たちの世話をしてたのね。いい加減現実に目を向けたら?役に立たない馬の世話なんてせずに、放ったらかしにするべきよ。」
「アヤノ姉どうしちゃったの?」と警戒している。
「そうね。私は実は天狗党の一員なのよ。」
「ツゥ。」と警戒するように身構える。
「今の貴女には私に勝てないわよ。」と手に取って刀を見せる。
「その刀・・・。」と驚いている。
「偶然拾ったのよ。どうやらわらわを主と認めてくれているようでね。地獄丸よ。きいたことくらいあるでしょ。」
「伝説の刀、どうして・・・。」
「だから拾ったって言ってるでしょ。」威圧するようにユニメを見る。
「くっ。」と土と風魔法の複合技。
「先手必勝、ウィンドストーン!」と唱える。
「無駄よ。」一振りしただけで魔法が消される。
「どうして天狗党に!」
「・・・そうね私も両親を殺されたのよ。棟梁にね。」
「そんなことしてないはず、きっと何かの間違えよ。氷結乱舞。」氷の礫がアヤノを取り囲んで攻撃する。
「断定できないでしょ。無駄、無駄!」と周りにバリアが張ってあるように攻撃を通さない。
「本当に強い。刀を持つだけでこれほどに。」
「貴女がとろいだけよ。魔法に逃げたユニメちゃん。」と近づいて耳元でささやく。
距離を取るユニメ。
「壊れてるの?」
「失敬ねこれがわらわの本当。今まで隠していたのごめんね。だから私の敵討ちの贄になって!」とクロエを一時的に手放し、ユニメに切りかかる。
「?」と横から攻撃を受ける。
「光魔法なぜ?」戸惑った声をあげる。
「貴方たち・・・。」
「ひひぃーん。」
「角が生えてたのね。ユニコーンの折れた角は生えないんじゃなかったの?」
「私とユニコーンとの友情の証よ!」
「でもそんな攻撃何百個あっても・・・危ないわね。本命はこの子ね。」
クロエを救おうとやってくるユニコーンたち。
「本当に好かれてる。だけど刀の力の前では無意味よ。」
赤黒く変色した地獄丸を一振りしただけで・・・跳ね返される魔法たち。
一振りで倒れ伏す。
「はは、こんなに使えるなんていい刀。相性がいいのかしらね。」
「そ、そんな皆。」とペタンとへたり込み手を伸ばそうとして首根っこを掴まれる。
「何人やられた?」
「私以外は皆・・・」
「そう、その子は連れて行きなさい。」と現れた部下にクロエを運ぶように命令する。
頭を縦に振ってクロエを担いで行ってしまった。
「貴女も大人しく来てもらうわよ。この子たちの命が惜しければね。」
「くっ。」トンと首筋を叩いて気を失わせる。
「まったく手こずらせてくれる。ふん。」と言ってユニメを回収して立ち去ろうとして・・・
「ほっほっほ。その子は置いていくがよい。」
「ちっ爺。」
「お主が不審な行動を取っていたことは気付いていたわ。」
「なに!」と視線を鋭くする。
「わざと放置していたにすぎん。お前さんらの居場所をつきとめるためにな。」
「つかめたのかい?」
「いいや。、途中からわからんようになる。何かの小細工かのう。」と森の中をどこから声がしているかわからない。
「なら良かった。」
これだから棟梁の爺は油断できない。
油断できないからうたはにやらせようとしたのに・・・
「刀を持って油断はしとらんようだ。今のお主からユニメを奪い返すのはちときついのう。」
「なら大人しく孫娘を連れ去られときなさい。」
「そう言うわけにはいかん。行くがよい。」
そちらを見れば走ってきたのは・・・
「ユニコーン?しかし角がない。敵ではない!」と刀を持つと私を飛び越えて、ユニメを魔法で背中に乗せている。
「魔法なら相当な腕ね。だけど私から逃げられると?」
ユニコーンとの睨み合いが続きそうになって、隙を作ってしまったのがいけなかった。
四方からのクナイの攻撃。
「そんなもの!」と炎のバリアを張って遮る。
「なっ。」とそこから飛んでいく翼が生えたユニコーンを見る。
「逃げられた・・・天馬か進化したの?」
「何かやるとは思っとったが・・・これは驚いた。まだやるか?」
「ここは引かせてもらうわ。」と悔しそうな顔をする。
「そうか・・・いつでも帰ってきてよいぞよ。」
「もう貴方を討つまでは戻らない。」そう決めて忽然と姿を消した。
「まったく。本に娘の様に育ててきたのに・・・誰に毒を吹き込まれたのか。」と苦虫を噛む。
「天馬か、これが吉兆か、はたまた嫌な予兆か、この地で何が起ころうとしているのか・・・わしらも変わらねばならぬ時が来たのかもしれんのう。」と顎をしゃくる。
「ひひーん。」と上空を飛んでいるペガサスが叫ぶ。その姿を見ながらそう呟いた。
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