今こそ復活の時!
「まったく楽しくない戦いでござる。」
「鬼、退治する。」とブラブラしているクロエから攻撃が来る。
それをいなすように森の中の木々を利用して攻撃を回避するうたは。
山の斜面を登りながら、二人の後には所々まるで刃物で切り裂いた切り株ばかりになり、木々がなぎ倒されている。
ゴロゴロと転がり落ちていく大木が目に入る。
「禿げ山になるでござるが仕方ない。」
「鬼ー鬼ー鬼は切り刻まないとー。」と刀を舌なめずりしているクロエ。
「恐いでござるな。でも勝つのは私でござる。」
クロエとうたはの戦いは最初クロエが押し気味だったが・・・
山の頂上に着く頃には慣れてきたのかうたはが優勢に変わっていく。
「攻撃が単調でござる!いつものクロエじゃない!」
「鬼ー鬼はどこー?」と刀の向かう先に剣がいると錯覚しているのだろう。
力で弾き返すようにクロエを飛ばす。
「鬼は倒す。」
「次の一撃で終わりでござるよ。」
「鬼さんこちら!」と二人の全力がぶつかる。
片方の地獄丸を弾き飛ばして切った。
クロエから血が噴き出して倒れる。
「その刀うまく使えぬと、己を滅ぼす刀だったでござるな。」
どうやら気を失っているようだ。
どくどくと脈打つ血、放っておいても死ぬだろう。
「トドメでござる。」
妖刀ござるで刺そうとすると横から受け止められる。
「何奴でござる?」
さっきクロエが切られた拍子に風呂敷から脱出に成功した。今こそ復活の時!
「冒険者ヘイロンだ!」と刀を持っている。
「刀の名前は神威竜転でござるか・・・今日は伝説の刀によく出会うでござる。普段ならうれしいことでござるが、今は邪魔でござる。時間を食い過ぎた・・・はぁ一刀で終わらせるでござる。」
”神威竜転か何の因果だろうか・・・?”
向かってくるうたはを迎え撃とうと構える。
「構えが全然なってないでござる。」と切りかかってくる。
それを受け止める。
「受け止められたでござるか?」
力で弾き返す。
飛ばされるうたはは空中で回転して着地する。
「負けないでござるよ!はぁはぁー。」と肩で息をしている。
「・・・。」
「なんで?どうしてでござるか?」と震えている足。
「目の前に立つと恐ろしいでござる。まるで大きなおとぎ話の竜にでも会ったような。くっ!はぁーはぁー。」と膝をつくほどの精神的なダメージを受けているのであろう。
「俺は何もしていない。」と黙々と語る。
「嘘でござる。」
「俺ではない。クロエがすべてお膳立てしたことだ。」
「クロエが?どう言うことでござるか?」
「お互い全力だったのだろう?」
「それはそうでござるが・・・。」
「クロエと戦って疲れない方がおかしい。」
その首に刀を当てる。
「くっ、父と母の仇を討てずに・・・悔しいでござる。」と涙を流す。
「しばらく眠っていろ!かーつ!」と峰打ちで気合を入れると元のうたはに戻ったように気を失う。
この刀何の因果か俺が持つことになるとはな・・・手に入れた時は鑑定などせぬままアイテムボックス行きだったのに
「まぁ、いいか。取り敢えずクロエの止血をして・・・。」とクロエを見るともう二本の刀はどこかに言っているようだ。
風がざわめく。
「誰だ?」
「ああ。気付かれてしまいました。」と転がっている地獄丸を手にしてそんなことを言う。
警戒するように刀に手を掛ける。
「その子をこちらに渡して欲しいのだけど・・・」うたはの事を言っているようだ。
「断る。」連れて行かれたら何をされるかわかったものではない。
「私はその子の姉なんだけど。」
「それにしては殺気が出すぎているぞ!」
「じゃあ。いいわ。貴方恐いし、その代りにこの子はいただいて行く。」とクロエを背負って連れて行こうとする。
「行かせると思うか?」とそう言った俺の周りに青黒い炎の玉が浮かぶ。
「者ども!」何人もの忍者に取り囲まれているようだ。
「数が多いな。」
「やれ!」と皆が同じ装飾を着ているために惑わされそうになる。
「ファイヤーボール。」と唱えるとさらに増えた数十の青黒い火の玉が忍者に向かって飛んでいく。
「無駄よ。」と変わり身の術で燃えているのは丸太だったりする。
「それじゃぁーね。」と言ってクロエを連れて行こうとする。
「待て!」
「ああそうそう。その子、残念だけど毒がそろそろ回り出すから、もしも任務に失敗したらと思って・・・細工しちゃってたんだテヘっ。」
「なに!どんだけ性格悪いんだ!」
「それじゃあね。竜の冒険者さん。」と彼女の姿を隠すように忍びが襲ってくる。
「くっそ!」
それを捌いて捌くがキリがない。
「コイツ何かからくりがあるのか?」
「おい、起きろ!」と段々青白く変色して行くうたはの身体。
「忍者なら毒に耐性があるんじゃないのか?」きっとその忍者の授業はサボっていたのかもしれない。
「ああもう。幻影球、闇の世界。」
ドーム状の暗い世界が辺りを支配する。
「なんだこれ?ぐわぁー。ああ。」とやられている忍者。
「ぐわぁぁぁ。」
「どわぁぁぁー。」と本人たちが叫んでいるのに声が聞こえない。
「俺だけ見えている世界なんてチートだな。音も遮断されているし普通の奴等がこの罠から逃げれるとは思えんが、忍者だからな。やられた振りも平気でするかもしれん。マップの生体反応に呼応して・・・」
ぼっぼっぼっと自動発火の様に燃えて消える忍者のマーカー。
動くに動けないだろう分身たちもこの中では意味をなさない。
何百いたと思ったら十人か・・・少な!
「これで後始末は終了か・・・。」と闇のドームが消える。
「これ使うとめっちゃ疲れて眠くなるからな。」
疲れ目になっている。フラフラとしながら、それでもなんとか起きている。
病み上がりには少しきつい、いやなんでもない。俺はおやじではないのだ。これ大事!
さて、目の前に完全に青くなっている女うたはがいる!起きているのはそれが理由だ。
「まったく好みじゃないとは言えんか・・・。」どこかクロエに似ているところがある。
おっちょこちょいで悪戯好きなところがクロエに似ている。
それにクロエの友人を死なすわけにはいかなかった。
俺は・・・
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