催眠対幻影
クロエは爺こと風魔小太郎を追いかけだした。
「たぶん、こっち。」野生の感が鋭いのか迷うことはなかった。
たまーに外れるが今回は・・・ビンゴだ。
「なに!見つかったのか?」
金のしゃちほこを背負っている。
「逃がさなーい!」と行く手を塞ぐ。
「くくく、やりおるな。」
「ふふーん。私に掛かれば楽勝ー。」
ピン親指を弾いて何かを投げてきたと思ったら光った。
「うわぁー目が見えないよー。」とフラフラになっている。
「あはは、まだ精進が足りんようじゃのうそれではのう。」
逃げようとする爺。
「なんとなくこっちー。」と投げナイフを投げまくる。
「待て、クロエ待つんじゃ、金のしゃちほこが傷ついてしまうぞ・・・」
「それよりー返してー。」
「それはダメじゃー。」と再び追いかけっこが始まろうとして、強い気配を感じる。
「むっ!」
「お爺さん避けてー。」と叫ぶクロエ。
爺はしゃがんでその攻撃を避ける。
「ここにいたでござるな。」
まがまがしい気配を漂わせる。
「お前は・・・」
「うたはー。」
「クロエどうしてここにいるでござる。」
「それはーあれなんでだっけ?」
「まぁいいでござる。そんなことより・・・。」
「クロエのことがそんなことーガーン。友人にハブられたー。」とショックを受けている。
「そんなに殺気をふりまいて孫娘よ、なんのつもりじゃ。ついに棟梁になる決意が出来たか?」
「惚けるんじゃないでござる。私はすべて知っているでござる。あの日父と母を殺したのは爺、貴様だということを・・・。」
「それは妖刀ござるか?」
「そうでござる。この刀のおかげで拙者は昔の何倍も強いのでござる。今の爺では敵にすらならないでござる。」
「もしや、妖刀に操られているのか?目を覚ますのじゃ・・・お主の父と母を殺したのは天狗党の奴等じゃ。わしではない。」
「もう騙されないでござる。父と母の仇でござる。」と刀の柄に手を伸ばす。
「一刀両断!」そこにあったのは丸太だったが・・・
「ちっ、浅かったか。」
血を流して倒れる爺。
「年は取りたくないのぉー。忍術の質も落ちとる。信じてくれ、わしではないのだ。」と説得する。その後ろでは金のしゃちほこを回収しているクロエ。
「待つんだクロエ。いや今は違うな。」
「?そんな言葉信じられぬ。父母を殺してのうのうと生きている爺に虫唾が走るでござる。」
「くっ。しゃちほこが・・・。違う違う。」
「戦いに集中するでござる。次で終わらせるでござるからな。」と刀を鞘に収める。
「抜刀術、あげは乱舞。」
黒い蝶のような幻影が空を飛び惑わすように爺に絡みつく。
逃げられないところに一突き刀を入れようとして・・・
「なんのつもりでござる。」
「なにか違うかなーって。」短剣と刀が交錯する。
「クロエ友人の敵討ちを邪魔する気でござるか?」
「うん、なにかいつもとちがうからー倒すねー。」と短剣を構えようとして・・・
「あれぇー。」と二つとも折れている。
「クロエは知らぬだろうが、この土地では刀が絶対の力を持っているのだ。」
「なにそれー?聞いてないよー。」
「この国では刀以外の武器は刀に勝てないような法則が出来ているでござる。つまりこの国ではクロエ、お前は無力なさるでござる。」
「さるー?うきーの奴?なんだか知らないけど、げぇーやばー。」と言葉を返す。珍しく額に汗が滲んでいた。
「まぁその刀も封印されて、現存する伝説の七刀だけになってしまったでござるからな。」
「それはどうしよーう。」と考える。
「クロエさようならでござる。いい友人だったでござる。」と妖刀を振り降ろした。
そのクロエの目の前に現れたものを掴んで応戦する。
「むむむ。」
「焦ったー。あれこれ何?」応戦した刀の鞘から刀身が見えて光輝いている。
「・・・まさか伝説が2つ揃うことになるとは、これも運命でござるか?」
「まさかこんな日が来るとは帰っておったのか。包狂丸よ。」
「むむむ。なんか違う。」
「はっ?」
「何がでござる?」
「足りない!足りない!」
「何がでござる?」
「?」
「もう一本ない!」
「ああ、クロエは二刀流でござったな。残念ながらそうポイポイと伝説の刀が目の前に現れるわけ・・・。」と言ったうたはが目を丸くする。
爺を見ても同じ反応だ。
「やったー!これで戦えるー。」
目の前にはもう一本の刀。
「クロエ。それを掴むということがどう言うことか理解しているでござるか?」
「うんにゃー。」と何も考えていないであろう。
「その刀を掴むということは天下を・・・この国の頂点に立つということでござる。その覚悟がないなら・・・。」
「よっと。」
「ああ、掴んじゃったでござるー。」と頭を抱える。
「へぇ?」と素っ頓狂な顔をする。
「その刀を持つと支配者になり、この国のすべてを支配できると言われた・・・幻の刀、
天啓空之。お主にはこの国を収める権利がある。」と二人が膝をつく。
「どうか御下命を。」
その刀を見る。
そして・・・指輪のアイテムボックスにしまった。
「クロエはなにもー掴んでなーい。もう一本!」と要求がエスカレートして言っているな。
「流石にクロエ。それはどうかと思うでござる。」
「そうじゃ!そうじゃ!」
「もう一本。」と人察し指を天に掲げて言う。
「はぁー。」と後ろで気付かれないように溜息を着くと。
高位ダンジョンボスが持っていた6本の刀の1本を取り出すのだった。
「今度こそ大丈夫だろう。」クロエは気付かないが、見た目が結構変化している。
具体的には言えないがまぁ大きくなっているとだけ言っておこう。
クロエの目の前に刀が現れる。
二人は唖然として声を出せないでいる。
「ふふふー今度こそー!」
その刀を握った瞬間。
世界が暗転した。
「あーあそれだけは触ってはいけなかったでござる。」
「まさか一番ヤバイ地獄丸を引くとは・・・。」
「あっやべぇ、それはあかん奴だった。」
「鬼がいる。全部退治しないとね!」とその攻撃を受け止めるうたは。
「それじゃあーの。うたはあとはまかせたのじゃー。」と逃げだす。
「くっそ爺。ちっ。仇を打つチャンスだったのにでござる!」
追いかけられない、追いかけたら後ろからばっさりとやられる。
冷や汗をかきながら嬉しそうな顔をする。
刀と刀の応酬。周りの木々はなぎ倒され、地面は削られる。
熊は二人によって切り倒されて沈み。
二人とも水面を走りながら、ぶつかり合うと湖の水がその二人の所だけなくなりさらに周りで水柱が立っている。
うたはの方が刀に一日の長があるはずなのに・・・クロエはその手数で補って戦っている。
「鬼は退治するー!」
「もうどちらが乗っ取られているでござる!クロエを倒して仇を討つ!」
剣を交えて二人は睨み合う。
片や洗脳、片や幻影。
二人の本当の全力の戦いがこうして実現するのだった。
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