テトの回復と
「どうしよう、どうしようー。」慌てているクロエ。
「取り敢えず落ち着きなさい。」声をかけるユニメ。
「そうだねー。スーハースーハー。」と呼吸をして息を整えた。
「よーし、ヒール!」と回復魔法を唱えるクロエ。
「これは光魔法?」とクロエの方をまじまじと見ている。
光魔法を使えるものの数は少ない。
そう言う私も使えなかった程だった。
「これで治って・・・どうしてなんで?」
「うぐぅーうぎゃあああ。」と痛がり始める。
「頑張ってテトー、テトーーーー。」とさらに慌てながら回復魔法をかけ続ける。
驚いて遅れてしまったが、そのクロエの腕を握って引き上げる。
「どうして!このままじゃテトが死んじゃうーーー。」と泣いて喚いている。
「落ち着きなさい。」と吸い込まれそうな目で見てくる。
「うひっくー。ひっくー。」
「落ち着いた?」
「うーん。」
「恐らくこの子は闇属性で特に光系統の回復と相性が悪いの。」とテトを見ながらそんなことを言ってくる。
「そうなのー?」
「恐らくね。どちらかと言うと貴女の回復魔法の方がダメージになっていたの。それに、貴女に心配かけないように怪我を隠していたのでしょうね。」
「どうしてー。」と目が赤くなっている。
「さぁ、例えば貴女に心配かけたくなかったとか?なにか心当たりない?」
「そう言えばー普段飛んでるはずなのにーでも地面を四足で歩いてたー。それに、一人寂しくしてたクロエに寄り添って元気づけようとしてたー。」
「よほど慕われているのでしょうね。そんな怪我を負ってまで一緒にいてくれるって気に入られているんじゃないの?」
「テトーテトーーーーー。」と抱き締めながら泣く。
「だからダメだって!傷が悪化するでしょう?」と引きはがす。
「うわぁぁぁーん。」とテトを思って泣いているのだろう。
「はいはい、泣き止みましょうね。」と抱き締めて頭を撫でてくる。
「うっぐ、うっぐー。」
「大丈夫?」
「だ、大丈夫ー。」と答える。
「さて問題はこの傷なんだけどね。」
「どうするの?」
「傷薬を使えればよかったんだけど、あいにくと切らしていてね。仕方ないから水魔法で回復しましょうか?」
「水魔法でー?」とクロエが首を傾ける。
「ふふ私こう見えて4属性持ちのエレメンタルマスターなんだからね。」
「へぇー凄いねー。」
「あまりよくわかってないでしょう。」
「へぇー凄いねー。」と返す。
「まぁいいわ。その中で一応回復効果があるのが水魔法なのよ!」
「へぇー。」と感心する。
勉強をしているはずなのに覚えていないクロエ。
「このくらい常識なんだけどね。」
「そう言えばーアリアが言っていたようなー、気がするー?」と睡眠学習をしていたクロエ。
「ちゃんと覚えておかないと、大切なものを殺しちゃうわよ。」と脅してくる。
「はーい。」と背筋をピンとして聞いているクロエにしては珍しかった。
もしかしたらちょと反省しているのかもしれない。
「アクアキュア。」と唱えるとテトの中の肌が治る。
そして痛がっていたテトの顔が段々とよくなって寝息をたて始めた。
「流石に鱗までは無理だね。」
「おおう、ありがとー。」と手を握ってブンブン振るクロエ。
「いいよ。このくらいは・・・・。」と照れくさそうだった。
「わーわー。」と治ったテトを高い高いしている。
「こらこら、怪我人だぞ!」とちょっと切れき気味なユニメ。
「ごめんねーテトー。」と謝るクロエ。
「しっかり面倒を見てあげでね。」
「うん。」と返事をする。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけクロエは大人になったのかも知れなかった。
「ぎゃお。」とテトの手を広げながらテトの真似をする。
どうやら気のせいだったらしい。
「ちゃんと寝させてあげなさい。」と促すことにした。
「はーい。」
「着いて来て、家で休ませてあげよう。」
「お願いしゃーす。」
かなりフレンドリーになっていた。
テトを抱きながらきょろきょろと牧場を歩く。
柵の向こうに馬が沢山だった。
「?」と馬の頭部を見れば一部禿げた所が見える。
「気になる。」と呟く。
「ああ、それは・・・まずはその子テトを休ませて、ちょっと中で話そうか。」
「うん、わかったー。」
木でできた家に入る。
ベットが一つ置いてあって、そこにテトを寝かせるように促す。
「くーくー。」と静かに寝息を掻く。
「どうやら大丈夫のようね。」
「ありがとー。」
「どういたしまして。」とお辞儀をしあう。
「さて、あの子達の事よね。」
「うん、気になってんだよねー。」
「ちょっと待ってね。確かここにああ、あった。」と一冊の本を取り出す。
それは有名な魔物大全と呼ばれるものだった。
「えー勉強?」
「まぁちょっとね。これを見て。」と見せてくる。
「角が生えたうまー?」
「そういう魔物がいるの。ユニコーンと言うのよ。」
「へぇー。」とその図鑑の絵を見る。
「あれー?でも角がなかったよー。」
「そう、あの角は何か薬の材料になるらしくて・・・角の乱獲が始まってしまったの。」
「へぇー。」
「そして私は角の禿げたユニコーンが好き!」と力強く拳を握る。
「あれこれーもしかしてーお兄ちゃんみたいな人ー?」
「ユニコーンは本来一匹狼の気質なんだけど、角が失われたことで元気をなくして落ち込んでしまう。角はもう生えなくなってしまって、また同じ目に会うんじゃないかと不安になっているもの、一人では同じ目に遭うと思って一緒にいる。中には馬に混じって自分を隠すものまでいる。それほどに角がないことはユニコーンに取っては誇りを踏みにじられたようなもの。私はそんなユニコーンが好き。」
「この人ヤバーイ。逃げようテトー、ガーン安静にしてないとダメだった。逃げられないー。」とあんまりショックを受けていないようだった。
それからクロエはユニメの禿げたユニコーン談義を聞かされるのだった。
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