迷いと毒の森
「ここどこー?」
転移させられた場所でクロエは迷子になっていた。
「冒険だー!」と最初は楽しそうにしていたが、周りの景色が全然変わらないことにつまらなさを感じていた。
森の中をさ迷いながらぐるぐると同じ場所を回っているようだった。
「ふぅーお腹すいたー。」と座り込みながらグーと言うお腹の音。
「誰かー誰かーいないのー。」と声を出すけど誰もいない。
まるであの頃の孤独で一人きりの、呪いにかかって寝たきりの自分を思い出してしまったかのようだ。
泣くように顔を伏せる。
「うぐうぐ。」と泣き出す。
「誰かいないのー?誰かー!今度からちゃんとお母様の説教もー、勉強もちゃんとするからー、悪い子のクロエを迎えにぎでー。えーん。えーん。」と以外に精神的に打たれ弱かったクロエ。
「誰か〜。」と前を見ると誰かがゆっくりと歩いて来ている。
「ぎゃお。」と声を掛けてくる者がいる。
「テド~。」と抱きつきながら号泣するクロエ。
「ざみじがっだよー。」と泣いている女の子を見ている。
「えーん、えーん。」と一しきり泣いて落ち着く。
「ガオ?」
「うん、大丈夫。お腹すいたー。これ食べれるかなー?」と調子を取り戻して、見ればキノコを食べようとする。
鑑定すれば毒キノコと出ている。
ぼっと火を吹いて燃やした。
「ああーどうしてー。」とぷんぷんと怒っている。
全然恐くない。
「じゃあこれー。」と蛇を掴むが毒蛇のようなのでがぶっと
噛んでぺっと吐き出した。
「もう、テトー!」と怒ってくるが・・・お前のためだからな。
「じゃあこれー?」と毒々しい果物を出してくる。
食べようとするクロエの歯を手で止める
また毒かよ。毒類多いな。
辺りを見れば毒類で満たされていた。
「がおがお。」おいおい。
「もうテトー、食べさせてよー!お腹減ったー。」と駄々をこねる。
「ふー。」と息を吹いてアイテムボックスから肉類を取り出す。
「いただきまーす!」と生で食べようとするクロエの口に腕を入れて食べさせないようにするテト。
「もーう、どうして、食べないと死ぬー。」と声をかけてくる。
「ぼっ。」と炎で燃やす肉。
「えっあれ燃やしてるー。」
俺のアイテムボックスから調味料を取り出して塩胡椒をかける。
あとはマヨネーズをつけて。
「ぎゃお。」食え。
「おおーう。」と目を光らせて骨付き肉をムシャムシャしている。
「うまー味!」と喜んでいるようだ。
まぁうまいならいい。
「むにゃむにゃ。」と食べ終わったら眠くなったのか寝ようとするクロエ。
流石に地面で寝させるわけにはいかないので、テントぽいアイテムを取り出す。
「おおーう。」と目を輝かせてやまないクロエ。その中に入ると布団が用意されている。
「寝るー。」と言って布団に倒れ込むように寝た。そのクロエの上に毛布をかける。
「うぅぅぐ。」とお腹のあたりを抑えるテト。
異世界で初めて怪我を追ったのではないか?治りが悪い。
一応クロエにバレないように鱗で覆っていたする。
「ガオ。」と俺を覆うような水のルームを作りながらちょっと自分を水洗いする。
出てきていた血を洗いながらそこの穴を塞ぐ。
休みたい俺だがそうはいかない。
この森には危険な奴等がいる。
さっきから大きな大蛇がクロエを狙っていたりする。
「あんまり無理はできないのだが?」とテトとして対戦しながら魔法攻撃で蛇を圧倒した。
「中々レベルが高いな。」もう何匹かやってくる。
「やれやれ。少しは休ませてくれよ。」と怪我を気にしながら応戦した。
俺がうたはが投げた刀で貫かれたあと、その瞬間にクロエの方に逆召喚した。
少し自分の身体を応急処置をして、クロエの方に向かっていたがクロエがなんだか迷子になっているようでウロウロしているその様子を少し見ながら、蹲った所に近づいていったのだった。
そこからは蹲って泣いているクロエが抱きついてきた所に行きついた。
どうやらこの森には特別な精神的なダメージを負わせる効果もあるようだ。
だから、前世の俺の振られまくったシーンを再生するんじゃない!
もう昼頃になり大分寝ていたクロエが起きだす。
「ふわぁぁぁ。」とだらしない恰好で現れる。
「げっ。」と思いながら水の中に放り込まれるクロエ。
その中でもがきながら、ばっと吐き出される。
「もーう、悪戯ダメだよー!」と濡れている状態になっているクロエに風魔法を使いながら乾かす。
「むぅー。」と怒った顔をする。
気持ち悪いようにしていたが、最後には普通の状態に戻っていた。
「ぎゃお。」と飯を用意しておいた。
野菜バーガーだ。
それを見て嫌そうな顔をするクロエ。
しかし食べるしかないと口に含んで食べる。
なんとか涙ながらに食べ切った。
「もうテトー野菜はやーやー。」と言っている。
しかし朝から肉だと重いぞ。
さてどうしたものか?
この森はどうやら結界の中らしい。
危険な毒物の中で管理しているエリアみたいなものだ。
それを壊して外に出るのもなー。なんとか出れる場所を探さないといけない。
空を思い切り飛ぼうとすると意外にも身体に負担が来る。
あまり無理はできなかった。
今はクロエの後ろでリュックサックの中にいる。
ただ寝るわけにはいかなくて様子を見ている。
周りで俺が寝た頃にでもクロエを襲おうと企む敵が四方を取り囲みながら、一定の距離を保っていたりする。
人気者だなクロエは・・・そうじゃなくて久しぶりの食事だと思っているのかもしれない。
「もう、どうなってんのー。」中々出口に行きあたらず投げやりになっているクロエ。
やはり強硬突破するか?
いや何か方法があるかもしれない。
真ん中には切り株が一つある。
ああ、これはもしかして・・・
「ぎゃお。」
「うんなにー?」とリュックから俺を出して聞いてくる。
指を指す。
「?」と首を傾けてわからない振りをする。
「はぁー。」と言ったけれどそこを指し続けるしかなかった。
「そこに何かあるのー?」と言って向こうに近づいていく。
「切り株だねー。」とそこに座って休憩しようとするクロエ。
しかし座った瞬間に魔法陣が現れて転移させられる。
「おおーう。」と驚きながらも転移先で立ち上がる。
どこかの大きな崖の上だったりする。
「ぎゃお。」落ちるなよ。
「落ちないよー。」と言っているがその崖から影魔法を使いながら崖伝いに垂直に降りていく。途中からノリで走っていたのはクロエだからか。
「うああああ。」と調子に乗り過ぎて途中で崖から足が離れてしまう。
着地する直前で少し浮いてクロエの衝撃を和らげた。
「死ぬかと思ったー。」といつも通りのクロエ。
ちょっと血が出てきた気がした。
「さてとーここからどうするー。」
向こうの方で一応煙が上がっている。
あそこを目指そうとクンクンと肉の匂いを嗅ぎ取っているのかもしれない。
「おおう。」とその匂いに誘われるように歩き出すクロエだった。
ぐつぐつと煮込まれているスープから取り出して口に含んで食べている女の子。
その様子を涎を垂らして見ているクロエ。
「食べる?」
「食べるー!」と元気になる。
いつの間にかマイお椀とスプーンを取り出していた。
煮込み料理をいただきながらお互いに自己紹介をする。
「私はユニメ。ここでユニコーンたちの保護をしているんだ。」と馬にしか見えない子を撫でる。
「ごくごく、ぷはー。おかわりー。」と遠慮をしないクロエ。
「はいはい、どうぞ!」
「私はもぐもぐ、クロエー、この子はテトー。」
「へぇー。いいねこれを上げるね。」とベーコンを出してくるのでありがたくいただいた。
「がお。」さんきゅー。
「ふふ、どういたしまして。」
「テトの言葉わかるのー。もぐもぐ。」
「ちょっとだけね。ユニコーン達と同じかな?」
「そうなんだー。うんうん、ぷはー、もういっぱーい。」とおかわりを要求する。
「はいはい。」
「がおお。」おいクロエ遠慮を知らないのか?
「えーなにー?」とこれだクロエに都合が悪いと聞こえなくなるというこの現象どうにかならないか?
「ふふふ、いいんですよ。ここに来る人は珍しいですからね。」
「がおがおー。」そうかよろしくなー。と声をかけた。
「はいよろしくですね。」と声をかけてくる。
「がおおお。」安心したらもうだめだった。
俺は倒れるように眠った。
「あらこれはどうして?」と血が出ている。
「テト、テトーーーーーー。」と叫んで駆け寄るクロエ。
「しっかりして、しっかりしてーーテトーーーーー。」とその声は虚しくしばらく俺は起きなかった。
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