王子たちのチョコ競争
マリーナは特別なチョコのお風呂に入っている。
「ふふふ。」とチョコの姿になった私で誘惑すれば・・・
「ふふふふ。」と熱いチョコ風呂に入りながら、そんな妄想に浸っている。
それから時間が経つ。
「あれ?来ないな?メイドにお願いしてクオンをお風呂に呼び寄せる手筈・・・どうしてだ?」
とさらに時間が経つ。
「熱い、のぼせたかもしれない。ぐへ。」とのぼせ始める。
そこに入ってくるメイド達。
「不埒は許しません!」と入ってきたメイド達に拭かれて連れて行かれる。
「くっそー、完璧な誘惑の仕方だったのに!」と横で休みながら抗議する。
「いやどうなんだ?年齢・・・・ごほん、なんでもない。」と睨まれながらうちわで仰いでいる。
「そりゃー私だって気にしてるんだよー!」
「すまんて!」
「本当にそう思ってる?」
「ああ。」
「じゃあ膝枕!」
「ああ。」と膝に顔を乗せてくる。
「くっそーまだ時間があるなんとかチョコで誘惑する方法を・・・。」と人の膝で考え始める。
「おい。」と抗議するが聞いていない。
「もっとなんかこう直接的で、わかりやすい方法で・・・。」
「いや、何をしているんだ。」
「男にはわからないだろうけど、私は今バレンタインと言う戦場にいるんだよ!」
「おおう、そうなのか?」と疑問顔だ。
「あーでもない、こうでもない。流石にこれはアウト。」と何か考えているマリーナを見ている。
「ふふ。」と思わず笑ってしまう。
「?」
「いや、昔もこうだったなと思ってな。」
「あん?時間なんてそんな経ってない!」と抗議する。
「はいはい、そうですね。」と頭を撫でてやる。
こんなバカみたいな日がいつまでも続けば良いが、そんな事は高望みだろうと悲しい顔をする。
「どうした?」
「いや、なんでもない。」
「はっ!」と何かを閃いて起き上がる。
「じゃあ。」と言ってこの部屋から出て行った。
「昔からまったく変わってないな。」嵐のような女はこんな日でも嵐を巻き起こそうとしているようだった。
第二王子ルオン
「ここか?」となにやら怪しげな店がある。
「本当に入られるのですか?」とちょっと引き気味のマユカがいる。
「入る。」そう答えたのはルオンだった。
カランコロンとベルが鳴る。
「いらっしゃい。」と答えるのは婆さんだった。
「ふぅー。」とキセルを吹きながら聞く。
「何かようかい?第二王子の坊ちゃん?」
「ここに伝説のチョコがあると聞いた。」
「伝説のチョコ?ああ、あれかい。」と指を指す。
「これが伝説のチョコ?」とその手に取ってみる。
「効果は保証しないよ。なんでも個人差があるみたいだからね。」
「はっ!この私に効き目がないと?」
「おやそう聞こえたのかい?最近物忘れが酷くてね。今言った言葉も忘れちまう。」
「そうか、その方がありがたい、これをもらおう。」
「わかった、だけど高いよ。」
「王国につけといてくれ。」
「悪いけど現金払いだ。」と二人は睨み合う。
「あるか?」
ささっと用意するマユカ。
「足りるか?」
「ちっ毎度あり。」とチョコを渡してくる。
そのチョコを受け取りこの店を後にした。
「で、そのチョコはなんですか?」
「世界一美味しいと言われるチョコだ。なんでもダンジョンの深い所で取れた超激レアもので市場には出回らない。」
「なら、あのやり取りはなんですか?」
「それはもちろんノリ。マユカもまだまだだね。」
それを聞くとなんと言っていいのかわからない。
たまにこう言ってわからなくなる時があるのだった。そのマユカの口に入れるチョコは確かに美味しかった。
「まったくもう、今度は私がチョコを上げる番ですね。」
「おおう、献上したまえ。」とチョコ屋を周りながらお金で買い集めようとする二人だった。現実的だろう。
ショコラ・デ・ココアーテ
学園で業務に携わっている私に取って今日は特別な日だった。
渡すチョコを沢山用意して配るただそれだけのイベントではないが・・・
「ふふふ。」と楽しみにしながら朝早く起きてしまった。
「早く来ないかな?」と思いながら待っていたが・・・おかしい、いつも聞こえる喧騒がない。
「流石におかしい。」と保健室を出て教室を回ると人が誰も来ていない。
「今日は休みだったかしら?」と考える。
いや普通の平日のはずだ。
なのになぜ?
バーンと校長室を開く。
「これは一体どういうことですか?」と抗議するショコラ。
「ああ、これはね・・・。」と顔を背けそうになる。
機嫌が悪い理事長。
「毎年この日にうん、イベントしてたじゃない?」
「そうね。」
「保護者からクレームが来て、今年はやらないよね?と皆がいうものだから、臨時休校にしちゃった。」にこっと笑う。
「何勝手に休みにしてるんですか?」とマジ切れで首根っこ掴んで往復ビンタの攻撃がさく裂した。
「わかりました。」
「おお、わがっでぐれだが・・・がく。」と意識を失う顔が腫れた校長。
「こうなったら仕方がないので、男子寮に直接乗り込むことにしますね。」
その後男子寮がどうなったかを語る人はいなかったと言う。
王都の裏路地
「ねぇいいじゃないか、チョコをチョコをくれよーーーー。」と迫る男。
「ひぃいいいい。」と叫び声を上げる女の子。
「ちょっと待て!」
「誰だ!俺のチョコを妨げようとするやつは!」
「私は通りすがりの髭を生やしたスーパーヒーロー。」
「なに?」
「お前の悪事はこれまでだ!」
「グーパンチ!」と一発で敵を伸す。
「ぐはー参りました。」と倒れる。
「裏路地には気をつけるんだぞ。ではな。」とカッコつけるラネス。
「あの待ってくださいこれ・・・。」と差し出されるチョコ。
「いいのか?大切なチョコなんじゃないのか?」
「大丈夫です。また作りますから。」
「そうかありがたくもらっておこう。では。」と言って足早に去って行く。
そのラネスの後ろの籠の中には沢山の助けてもらった女性のチョコが入っていたりする。
「またつまらないチョコをもらってしまったぜ。」と言ったあと正気に戻る。
「俺は一体何を?」と何か頭の中でさっきまで言っていた痛いセリフがリピートされる。
「うわぁぁぁぁぁーやめてくれー。」と泣きながら王城への道を走り抜けた。
ずんずんと街を歩いているマリーナ。
「見つけた!」とそこに向かって歩いて行くと。
「あっ。」と二人そんな言葉をもらす。
目の前にいるのは王国騎士団総長シロンだった。
「なんだどうしてここにいる?」
「それはこっちのセリフなんだけど!」と二人が目線で火花を散らす。
なんかこう反りが合わないというか、会った瞬間敵だと思ってしまう。
なんというかこう女の勘的なものだ。
「ゲロゲログリーンピース和えのパフェミックスを一つ。」
「げぇーなんというものを頼んでんだ。」
「私はここの常連だ。これがうまいに決まっている。」
「あり得ないでしょ。」
「あり得るんだこれが。」とバクバク食っている。
「あっ私はラブラブチョコハートパフェを持ち帰りで!」
「えっ持ち帰りですか?」
「はい、持ち帰りで!」
「お前、バカだろう?」
「お前にだけは言われたくない。」と睨み合い。
「ハイお待たせしました。」
「ありがとう、急ぐからね。暇人の総長の相手なんてしてられない。」とニヤッと笑って出て行く。
「むむ、くっそ、こっちはたるたるソースのえっぐチョコマックスハートビッグストをくれ!」
「マジですか?」
「マジだ!やけ食いしてやんよ!」とそれを食べ切って間食した。
「くっそ、マジで宰相閣下と仲いいのかよ!」と涙を流すシオンだった。
チョコパフェを持って帰ってきてクオンと一緒に食べようとする。
「はーいあーんして美味しいでちゅよ。」
「おい、これはなんだ?」
「なんでも恋人同士がこれを仲良く食べるとラブラブなんだってさ。」
「へぇーそうなんだ。」と口角が上がっている元宰相閣下のクオンは覚悟を決めて口を開くのだった。
そうして満足そうな顔のマリーナと、甘すぎて胃もたれしているクオンがいた。
「でっ、どうなった?」
「私の勝ちに決まっている。」と多くのチョコを取り出すルオン。
「なかなかだな。」と焦るラビッダ。どんぐらいだったか?とコネタンに聞く。
「もう食べているので紙屑でそれっぽく見せます。」
「よしやってくれ。」
「おい、兄貴のはどうなんだ、まさか弟に負けているわけではないだろう。」
「ちょっと待てすぐ持ってくる。でっそっちはどうなんだラネス?」
そちらを見ると頭を抱えている。
「何を悩んでんだコイツは?」
「ラビッダ様用意ができましたよ。」
「ふふ、見るがいいこれこそが私の食べたチョコの証。」とばっとカーテンを開く。
「あれ?なにもない?」とそこには何もなかった。
「あれれ何もないのかな?」とルオンは勝った気でいる。
「どう言うことだ?コネタン?コネタン?」
「それが準備してたはずなのですが・・・いつの間にかなくなって。」
「おいいいい!」と抗議をする。
「まさかこんな決着になるとは。これでは次期国王は私でいいのではないですか?ふふふ。」と口を抑えながら笑う。
後ろで細工をマユカにお願いしていたのだ。いい仕事をしてくれた。
「何をーーお前だってこれ金で買ったものじゃないか!女からもらってないからノーカンだね!」
「なにー!」と二人が睨み合う。
「おーい、一応私が取って来たものは。」と言っているラネス。二人が喧嘩を一時やめる。
「そうだったなお前もいたな。」
「小さいのが何個かとちゃんとしたものが何個か。」
あれ、こいつ意外に多くないか?
「お前も違反しただろう。」と二人の兄たちに詰め寄られる。
「ふっ、負け惜しみめ。」と言ってこの場から去って行く。
しかしその後部屋で、また痛い発言を思い出してはぐぬぬという声を出す。
まるでそれは勝負に勝って試合に負けた気分のままベットに付くラネス。
その机の上には一応母からのバレンタインのチョコが置いてある。
「母上。」とそのチョコをかじりながら母の体調の回復を願うラネスだった。
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