E級冒険者になった
わけがわからない現象に戸惑っている。
今俺の前にいるのはマグロや鮭なんかが、なんと森の中を浮きながら泳いでいる。
この不思議現象をどう説明していいかわからない。
お嬢様を回復させた後、冒険者ギルドに行き、なぜがFランクからEランクに昇格していた。
Eまでなら受付嬢の権限でできるらしい。
それを見た周りの冒険者がマジかって顔をしていたが、まぁ上がるものなら上がっておこうと思った。相変わらず紙のギルドカードだが、いや、ちょっと厚さが増したか?折れにくくなっているのかもしれない。
Dランク以上はギルドの上司の許可がいるらしいが、今このギルドにはいない。
冒険者達が唖然としている中をゆっくり歩いて出ていくのはなんだかカッコつけれたかもしれない。
身長が小さいのが難点だが、それは仕方ないこと、これからに期待しよう。
どうやら森に入ると前回の森と全然違っていたりする。
一種のダンジョンじゃないかと思うほどだ。
「ふぅー。」吐息を吐きマグロのドロップ品を回収する。
分厚い切り身だったりする。
「醤油がないのが痛いかもしれないな。」
辺りのマグロモンスターを倒して、全部倒したけどリポップするかな?と不安になる。
また来ようと決めた。
「さてと。」と周りはいつの間にか様子が変わり、骸骨のワイト達が溢れている。
顔面を殴っていけばいいだけなのだが、落ちているのがワイトの布だったり骨だったりと、なんと言えばいいのかドロップ品の価値が下ったぞ。
ワイトの首を跳ねたら、頭の骨がカタカタと口を動かしているのを、足で踏みつける。
なんだか少し恐かったのは内緒だ。
「ああっもう、高く売れるものでもドロップしろよ。」と言いながら殴り続けていた。
ゲーム感覚ではいけないなと思っているのだが、バンと顔を叩き戒める。
最後にボスっぽい豪華な鎧を着たワイトキングが出てきた。
殴り倒しておいたがドロップ品が金ぴか鎧だったりする。
いるか?いらないか?売るか?まぁ持っとくか。と悩んだ末にアイテムボックスで死蔵しておこう。と決めた。
「帰るか。」と呟くと朝焼けの時間だった。
この目は闇の中がよく見える。
夜目だったり昼時の目だったりを切り替えることができる。
意外に便利だなぁと思った。
「はて?依頼は何を受けていただろうか?うーん。」と思い出そうと首を振る。
スライムの討伐だったか?何処にいるのだろうか?
〝マップが表示されます。〟
あのお知らせボイスがなる。
「はいはい、ありがとうね。」と答えておいた。
表示された赤マークがスライムだろうか?
近いなと走りながらそこに向かうと、メタリックなボディーのスライムがいた。
いや、これアレな奴だよな。
レアな奴だよな。
ゆるゆる動くまるで敵などいないかのようにのろのろだ。
のんびりとしているスライムを倒すことに抵抗があるのだが、仕方ないこれも依頼だ。
バンと殴っても反応がない。
まるで相殺されているようで、ダメージが入っているのかどうかわからないぞ。
「ふむ、ファイヤーボール。」と魔法を投げつける。
燃えているが魔法ではダメージを受けないようだ。
どうしようか?
拳に魔力を乗せて殴った。
バーンと弾け、敵を倒す。
鉄スライムの核をドロップした。
「?」レアではないのか?と思ってしまう。
「鉄だったかぁぁ。」と残念がった。
後の二匹も倒して、こいつで良いよな?と思って核を三つ持って帰った。
冒険者ギルドに入ると何人かの冒険者に囲まれる早朝なのにご苦労な事だ。
「なにか御用かな?」と質問を投げつけた。
「俺はCランクのゴエモンだ。」と拳をゴキゴキしながらこっちにやってくる。
お互いに睨み合う。
「こっちにこい生意気なガキにわからせてやるよ。」
外に出ろと指示してくる。
早朝なのにご苦労な事だ。身長が小さいのは仕方ないと諦めている。
「はぁー。」とため息を付き。
外に出た瞬間殴られた。
「ぐぉぉぉぉぉ。いてぇぇぇぇ。」とゴエモンの拳から血が流れている。
手を抑えぐったりしている。
「おい、やんのか?なら早くしろよ。」
そう挑発すると拳にメリケンサックみたいな物を身に着ける。
「てめぇぇは俺を怒らせたぁぁぁ。」と拳を振るってくる。
これは殴らせてしまうか?どうするか判断に困る。そんなことを考えながら。
奴のメリケンサックを何度も受けたが全然ダメージにならない。
むしろ、メリケンサックが壊れた。
「はっえっ?」壊れたことに驚く。
「終わりか?じゃあこっちの番だな。」と思いっきり顎を殴って星にしてやった。
俺は唖然としている他の冒険者達を置き去りにして、ゆっくりと冒険者ギルドの中に入って行く。
「依頼の報告に来た。」といつもの受付嬢ではない。
何か顔が引きつっているが、ケモ耳まで付いている。あわあわしている新人だろうか?
まぁいい、と思って鉄スライムの核を三つ程出す。
「これでいいか?」
なんか無言でコクコク何回も頷いている。
まぁいいかと依頼完了の印を依頼の紙に押されているのを確認した。
「査定はまた次に来るときでいい。」
コクコクと頷いている奴に核を渡してギルドを後にしようとして、振り返ってついでにマグロの切り身を何個か置いて外に出た
「えっえっ。」と最後まで戸惑っていたが知らない。
大丈夫だったろうかと思ったがまぁいいかと思いなおし、屋敷へと向かった。
「ふぁぁ。」と大きな欠伸をする。ちょっと疲れているのだろうか、帰ったらぐっすり寝ようと決めた。
今日は尾行はなかった。
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