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竜の子に転生したらテイムされました!?  作者: 矢斗刃
幕間バレンタイン
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同情するならチョコをくれ

この物語はクロエが王都に出発する前の話し。

辺境伯領ラドルガでは現在、ダンジョンでチョコがドロップする特殊な期間だった。


肉チョコだったり、板チョコだったり、もちろん普通の肉もドロップする。

チョコ自体が高級品のためこの日を稼ぎ時としてダンジョンに潜る冒険者が多い。


まぁ冒険者の男どもは欲に目が眩むほどだ。


「女の子からチョコが欲しいかー!」となぜか音頭を取っているのはミコミ。

「おおおおおおおう!」と叫ぶ冒険者!その叫び声は城を揺らす程だった。


「ならば!沢山のチョコをミコミに献上するんだー!」とミコミはほくそ笑むこの冒険者達を使って食べ切れないチョコに囲まれてミコミは幸せになると!


「・・・。」

「・・・。」しかし反応はなかった。


「ミコミはないわー。」

「義理でいいよー。」

「義理でお願いね。」と言って冒険者たちが中に入っていく。

「がーん。」


最後に肩を叩かれた。

「へっ。」とそこを見るとノエノス。

「ミコミ、強く生きるんだよ。」と同情している。


「くっそー同情するならチョコをくれーーーーーー!」と涙ながらに言って走り去って行く。


「いやそれ男が言うセリフだからねー。」と遠くでノエノスのツッコミがさく裂する。


「もういやーーーーぐわはっ。」と駆けて転げていた。


そしてそんないつものミコミを放っておいてダンジョンに潜る身重のノエノス。

「多少の運動は必要だよね。」とあっと言う間にモンスターを狩ってチョコ集めを終わらせて帰ってくる。


「さてと。」と今のうちからチョコを作り始める。

なにか横には怪しげな薬が置いてあった。


「これを混ぜたら美味しいチョコの睡眠薬ができるー。」と下手くそな歌を歌いながらノリノリだった。


ここラドルガで取れたダンジョン産の高級チョコが各地に出荷されていくのだった。



バレンタイン当日。

王都では誰が一番チョコをもらうかと三人の王子が競争をしていた。


「この私が一番チョコをもらえるんだ!」と言っているのは沢山の女を侍らかす第一王子のラビッタ。


「私こそが真なる王子、例えチョコ集めだとしても負ける気はない!」と第二王子のルオン。


「くくく、一番年下の私こしょが人気者に決まっているチョコの勝負で私が負けることなんてあり得ない。」と第三王子のラネスが途中の言葉を噛んで周りに笑われている。


三者の睨み合いが勃発して、バレンタインの負けられない戦いが始まる。


「ふん。」

「いくぞ。」

「・・・。」



「どうしよう?」ああは言ったが実はあまり自信がないラネス。

女を侍らかすと私が女であるとバレてしまう可能性がある。


「どうしたものか・・・。」

「どうされました?」と声をかけてくるルイネ。


「ああ、実はな・・・。」とさっきあった話しをルイネにする。


「なるほど。」と何かを考える。


「そんなお悩みを解決する。イコイ!」とポーズを取る。

何か嫌な予感を感じるルイネ。


「ふふふ、これです。この薬こそが女の子に持てまくる驚異の薬。なずけてモテまくり大作戦。」

「おおう、よくやったイコイ。これで私の男化計画も進むというもの。ごくと飲んでしまう。」


「あーやばい。」飲んじゃったと頭を抱えるルイネ。

「むむ、なにか女の子が助けを求めている気がする。」とマントを羽織って、窓から飛び降りようとする。


「おい。」と止めたがラネスは行ってしまった。

思わず下を見ると大丈夫そうだ。


「で、本当は何を飲ませた?」

「えっそれ聞いちゃう?うーんなんかヒーローになる薬?」


「なんだそれ?」

「だって薬の鑑定したらそうでたし、面白そうだから使っちゃおうと。テヘペロ。」

「はー、後でお説教だからな!」と怒っているルイネ。

「はーい。」と元気よく返事をしている。


「さて、私はもう行く。」

「えールイネも薬の実験体になってよ!」

「い・や・だ。」と断って逃げるのだった。


「危ない、危ない、今日の私はこのチョコをライズにあげるという使命があるのだ。」と可愛いラッピングがされたチョコの箱を持っている。


それから王都の辺境伯屋敷に向かいながら、どう渡すか考える。

「なんか普通に渡しても食べてくれるかどうか・・・。」と悩む。


なんだかんだと考えながら来たら、屋敷についてしまった。

どうする?どう渡す?と考えながらうろうろしている怪しい女。


その様子を面白そうに見ている視線の先にポルルがいる。

チョコの箱を持っていてなんとなく察しは付いた。

それが一分、十分、一時間を経つと笑いのツボに入ってしまったのか腹を抱えて笑い出す。


「どんだけ乙女やねん、くくくくく。」と壁を叩く女を変な風に見ているライズがいる。


何をやってるんだと思ったが声をかけるのはよくない、こういう時は絶対によからぬ事が起きる。それよりも今日はバレンタインなのにクロエからのお兄様大好きチョコが届いていない。


「なんと言うことだ!まだ届いていないのか?」と屋敷の中をぐるぐると回っている。


そのことに気付いているポルルはさらに笑っていて。

「もうだめ、助けて死ぬー腹筋が笑い過ぎてーー。」と倒れ込んでいた。


「くっ。」と覚悟を決めて屋敷に潜入するルイネ。


流石に直接渡すには勇気が足りない、なんとか誰かにお願いして・・・とよく見れば床に伏せながら辛そうな服装が奇抜なメイド?がいる。


「どうしたんですか?大丈夫ですか?」と思わず声をかける。


「ああ、心配ない、お腹がちょっと痛いくくく、だけだから。」

「そうですか、実はお願いがあってこのチョコをライズ様に渡してもらえたらと・・・。」

「ああ、わかった。わかった。」と身体が震えている。本当に大丈夫だろうか?


「お願いしますね。」とやはり直接渡すとなると恥ずかしかった。

普段はそんなはずはないのに・・・とそこを去ろうとして玄関で偶然会う。


「あの、こんにちはー。」と挨拶する。

「ああ。」と通り過ぎようとして。


「いつもクロエの事で助かっている。」とその笑顔にやられる。

「はいいいいい。」と言ってその屋敷から走り去って行った。


「なにやってんだろう。」と胸の鼓動がなりやまない。

「ふぅー。」と落ち着いて王城を目指し始めるのだった。


ポルルは考えるこのままルイネからもらったチョコを渡しても、きっとライズは食べないだろうと。

「ふふふ。」とそのちょこのリボンに兄へ、妹のクロエよりと偽のカードを入れる。

あとはこれをライズの机に置けば・・・

「ははは、これで完璧。」とその部屋を後にする。


「はぁー。」とため息をつきながらクロエからのチョコがなかった事に愕然とする。その様子を見て笑っている専属メイドのポルル。

いつか絶対担当を変えてやると決めて拳を握る。

特に母親の担当にしてやる。


部屋に戻れば置いてある箱。

なんだと思って警戒する。


「おおう、クロエからだ。」と匂いを嗅いだ。


「こ、これは・・・。」と疑いの目を向けるまるで何かを査定するようにまじまじとその箱をみる。

「クロエの匂いがしない、既成品か?でも手作り感が・・・もしかして、誰かに頼んで王都で買ってもらったものを置いておくようにと・・・なんて兄思いの妹なのだ!」とシスコンポジティブのライズだった。


袋を丁寧に破りながら、箱を開けてチョコを摘まむ。

「まぁ既製品だしな、これがクロエの手作りしたものだったら・・・永久保存するのにー!」

と言って食べ始める。


「クロエーおいしいよー、おいしいよー。」と涙ながらに声に出す。

「会いたいよー、会いたいよー、妹を補充したいよー。」


「きも。」その言葉を聞きながらそう呟くポルル。

「ふっ。」と笑ってその場所から消えるように夜の街に向かって行く。


後日、ニコニコ顔のライズがその話をルイネにしたところ。

なんか超絶微妙な顔をしていた。

そしてそれからルイネはよく屋敷に出入りするようになる。



さてそんな王都でラビッダはどうするか考えていた。

「あーどうするかー。」とコネタンの指圧を受けている。


「別に皆に命令してチョコをもらったらどうですか?その方が速いですよー。」

「いや、なにかこう違う気がする。もっとこう愛情の篭もったものがいい。」

「わがままですね。じゃあ、私のはいらないですか?」

「いるに決まっているだろう。バカ野郎。」とコネタンが取り出したチョコをバクバク食べる。


「え~今食べるんですか。」


「イマイチだ。」

「ひどー、愛情をたっぷり込めたんですよーコネタンだけにこねたんですよ!」とたまにわけのわからない事を言ってくる。


もう長年の仲でなれたものだった。


「あとお母様から大きなハートのチョコをもらってます。」


「ふーん、なんだか大きくてけしからん。」と膨らんだ部分だけ食べる。


「もう、残して、ああ、美味しい!」と感動している。


「他にも色々な令嬢からもらってますよ。」手を上げてわかったと返す。

このチョコに一応口をつける。

匂いを嗅いで大丈夫そうな奴をバリバリと食う。


「微妙。愛情がない。」

「そんなんでわかるんですか?」

「なんとなく?」

コネタンも食べる。

「ああ、確かに愛情ないですね。好みじゃなかったんですかね。」

「かちん。」

「かちん?」

「ハーレムは解消だー!また新しいハーレムを作る!」と炎に燃えている。

「おおう。」

「今度こそは真なる愛を手に入れて見せる。」と決意に燃えていた。

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