二人の断頭台と
「で、どっちがミコミだ?」
「こっちー!」と二人がお互いに指を指す。
「おい、ふざけているのか?」と帽子を被った処刑人が話しかける。
「ふざけてなーい!」
「真面目に答えてる。」ミコミが若干目が泳いでいた。
「ふーむ。レジスタンスのリーダーだからな。バカっぽい奴ではないだろう。」
「ばかじゃないよー!」と二人揃えて抗議する。
「ふむ、まぁ二人同時にでもいいか?」
「へ?」
「え?」
ガチャガチャと拘束される。まさかの処刑台は二人使用だった。
首だけが拘束台から出ている。
その上には鈍い光を宿した刃物が見える。
「やばいよー、やばいよー。」と泣きじゃくるミコミ。
「どうしよっかー?」と何かを考えるクロエ。
「どうしよっかじゃないですよ!どう逃げるかですよ!」
「でもー、なんかこう面白いことをやらないとー!負けな気がする?」
「こんな時にそんなことを考えれるのはクロエ様だけです!」
「えーそうかな?」と余裕そうだ。
「最後のおしゃべりは終わったか?では処刑を始める。」
「ひぃー許してーミコミは何も悪いことしてない!してないよー。」と訴える。
「えーそうかな?」
「ちゃんとお肉食ったこと、謝るからー!死にたくないよー!」
「謝っても、許されないことがこの世にはあるんだよー。」にぱーと笑う。
「なに!そんなに大事な肉だったの?!」
「そうだよー!」
「では、さらばだ!」と一瞬だった。
ミコミは最後の瞬間目を閉じる。
クロエは笑顔で・・・飛んでくる大剣を見ていた。
ガキンという音がして大剣がギロチンを吹っ飛ばす。
「なっ!」
「へっ?ひぃー。」と卒倒するミコミ。
「あーもーう!ぷんぷん!」となぜか怒っているクロエ。
広場の皆の視線が処刑台の向かい側の方に向く、そこに冒険者ヘイロンがいた。
「あれ、もしかして第一王子を攫った犯人?」
「懸賞金を掛けられた極悪人じゃないか!」と騒がしくなる広場。
「すぐに刑を剣での処刑に切り替えろ!」とマユカが言う。
「わかりました。」処刑人が何人かが剣を持って二人に近づこうとする。
「そんなことはさせません。」
「ふふふ、フルフたん参上。」
スミンは狐の仮面に巫女服を着て薙刀を持っている。
対するフルフはチャイナドレスに身体ほどある鉄扇を持っていた。
「おりゃー。」
フルフが鉄扇を振れば砂塵が舞い、近づこうとした兵士たちを吹っ飛ばす。
「ふっ!これがフルフたんの実力見たか者ども、ふふふふ。」と高笑いする。
「あの子はなにやってんだか。大丈夫ですか。クロエ様?」
「むぅー。出番とられたー。」と駄々をこねる。
「また、何かしようとしてたんですか?」
「うん!取り敢えずやって見る!」
「えっ?」と驚くとクロエの首が空を飛び出す。
それと同時に灯っていた魔道具の魔灯の明かりが消えている。
「はっ?」
「えっ?」と皆が空を見上げる。
何個ものクロエの首が明るく輝き空を飛んでいる。
近寄ってにぱーと笑って行く。
「ひぃぃいいい。」公開処刑を見に来た皆が怯えて後退りして逃げようとして逃げ場がない。
「はーまったく、クロエ様やり過ぎです。」
「え~そんなことないよー!」といつの間にか固定された台から抜け出している。
いや、身代わりが溶けている。
「ふふふ~ん。」と歌っているから、ちょっとは満足したのかもしれない。
「さて逃げましょう。」と言って道を切り開いたフルフの後を追おうとして・・・
「ごめーん!ちょっとやることできたー。」と城の方を見る。
「そうですか、お供しますか?」
「いいや、大丈夫ー!それよりテト探して保護しててー!」
「わかりました。」
「こう言う祭りには来ると思ったんだけどなー。」
「あははは。」とどこかを向いているスミン。クロエはテトが冒険者ヘイロンだと知らない。
隠し事があることに何とも言えなくなるスミン。
「では王城までは護衛いたしますので・・・。」
「えー、一人で行けるのにー。」
「はぁー、大事な時に力を温存していると思ってください!」
「なるほどー!」
切り開くように兵士たちをなぎ倒すスミン。
見た所フルフはどこかに消えて行ってしまった。
彼女は鼻が利く、何か面白い所を見つけたのかも知れなかった。
「では切り開かせてもらいます。」と薙刀を上段から振り降ろせば王城へと続く道にいた兵士たちが倒されるのだった。
「行きますよ。」
「うん、レッツゴー!」と走り出すのでその後ろについて走り出すクロエだった。
ヘイロンは警戒していた。
大剣を投げたあと。
「ちっ。」と言う声を聞いた気がした。
少し呆然とする。
その間俺の首を取ろうと攻撃を銜えてくる者たちがいるが、まったく効かない。
仕舞には縛って連れて行こうとしたので・・・
「ファイヤーボール。」と自身に向かって放ち。すべて燃やした。
流石に蒼い炎に包まれている俺を攻撃しようとするものはいない。
「バケモノが!」と後退る賞金目当ての愚か者たち。
「おうおう、やってるな。」とそこに現れるシロン・フォン・ラオン。
恐ろしいほどの闘気を纏っている。
「私はこの時のために生きてきた気がするよ。」と二本の剣を構える。
「乗り気がしないのだが?」
「そんなこと関係ない、圧倒的な強者だと戦えるんだからな!」
地面を強く蹴るシロン。
攻撃が当たるそう思った時、割って入る影がある。
「雑魚が、邪魔をするな!私の昂ぶりを!」
「ふふふ、弟と戦いたければこのフルフたんを倒してから行くんだね!」と大鉄扇で応じる。
「それと変態はお断り!」
「ただのバトルジャンキーなだけだ!」
二人は火花を散らしてやり合っている。
「任せた。」とどこかに消えていく。
「弟に任されましたー。ならやる気を出さなくちゃね。」と答えると立ち上る闘気。
「へぇーやるね。雑魚かと思ったけど、ちょっとは楽しめそうだ。」
「ちっちっち。負けるのは貴女です。」と鉄扇で指す。
「はははは、ならば楽しませてみろ!」と交戦は激しくなる。
周りの人間は二人の圧に吹っ飛ばされていく。
「ははは、楽しませてくれる。ノエノスが去って退屈だったのに最近は楽しいなー。」と二つの剣を繋ぎ合わせて、両剣にしている。
「ふふふ、そりゃどうもですよー。」
「こんなに楽しいんだから、にげるなよ。」
「逃げませんって!」二撃三撃の連撃攻撃。
思ったより遅く感じているはずなのに、速い。防戦一方のフルフ。
「強いですね。」
「これでもまだちょっとしか本気出してないからね。」
「ああ、そうですか。ならこっちもちょっと本気出してみようかな?」と見た目が輝き出す。
「?」
「私、狼なんだけど。ちょっと特殊みたいでね。」
「ああ、そういうやっかいなタイプか。」
「鉄扇、舞!」と唱えると大鉄扇が分裂してシロンを取り囲む。
「?」と警戒を強める。
「封!」と閉じ込める。何らかの魔法的な結界の中に押し込められたようだ。
「はっ?」と出ようと攻撃を加えると跳ね返る。
「じゃあねー。」と走りながら後ろ向きに手を振るフルフ。
「てめぇー逃げるなー、戦えー!」という声が聞こえて振り向いて戻ってくるフルフ。
「雑魚に構っている暇はない!にしし。」と腰に手を当てシロンに指を指したあと笑った。
「くっ、こんな屈辱。」と歯を噛み締めている。
「それと逃げるんじゃない!弟の勇姿をこの目に刻むため追いかけるんだー!」と親指を立ててペロリとして走り出した。
「くっそ、この日をどれだけ私が楽しみにしてたと思うんだ!くっそたれー。」
自分が言ったセリフを返される事になるなんて!
「そんなの知らよー、えっほえっほ。」とテトを追いかけるフルフ。
「くっそーこんちくしょー。」と少しの間身動きが取れないシロンだった。
シロン一時戦線離脱。
フルフ・・・テト追跡中。




