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ラネス嵌められる

うたはがラネスの護衛に付くことになった。

世話になった辺境伯家に挨拶に行き。


クロエが泣いて抱きついている。

「えーん。いっじょにいてぇくれるーと思ってたのにー。」

「また会いに来るから。」

「本当に本当ー?」

「うん絶対!」と手を包み込むようにするうたは。


「ならーいい。」と笑顔を浮かべるクロエ。


「まーたねー!」

「うん、また!」と二人は笑顔で別れた。



うたはがラネスの邪魔にならぬようにラネスの天井に忍び部屋を作り居座ることにした。

そのことに気付いていないラネスはと言うと。


「ぐははは、皆ひれ伏すがいい!ぐはははは。」と鏡の前で何か呟いている。

そう言う年頃なのだろう。

何かを悟ったように温かく見守りこそっとあとで母親のラノカに教えておこうと決めたうたは。護衛と言っていたが監視と報告も含まれるだろう。

それに雇い主はどちらかと言うとラノカの方だ。

だからラネスの命令は聞くときは聞くし、その命令が嫌なら聞かない。

それが私が護衛を引き受ける時の条件だった。


「私が王様だ!皆の者、崇め奉れ!そして我の像を作るのだ!ぐはははは!」と笑う。


「やっぱり王様と言えば末代まで語り継がれるような立派な、いや巨大な銅像がいる。そうすれば我が名が刻まれ未来永劫我を崇めるだろう。ふははははは!」と己の野望を剥き出しにしている。


「そうだ、城よりも巨大な像がいいな!ふくくく。いかんいかん、ルイネの前ではしっかりして影でこの計画を進めねばな。」


「ふむ、だがその前にあの忌々しい第二王子をなんとかしなければ・・・何かよい手はないか。」と考え込む。


「そう言えば兄も学園の生徒で一つ上だったな。そこで我が生徒会長の座に付けば、権力闘争で我の方が上になる。くくく、学園生活が楽しみだ!ぐはははは!」とルイネと母親の前以外では実は己の野望を剥き出しなラネスだった。



ばーん!と扉が空く音。

「なんだ!」とそちらを向けばイコイが現れた。

「遂に完成した!」


「おおう、ついに男になる時が来たのか!」


「よこせ!」と得体のしれない液体をつかんで飲もうとする。


「ああ。それは!」


「うんなんだ?」


「あーあ!飲んじゃった。」


「何を、何を飲ませたんだ。」


「勝手に飲んだのはラネスちゃんだからね!」ニコ!

「こいつ王子である私を嵌めやがったな!」


でっかい大きな一角獣のような角が生えてくる。

「おおう、おおう。」と頭が重い感覚がする。


「そしてドリルを!」

「ドリルを!?」とわけのわからないイコイのの言葉に従う。


ウィーンと回転する角。


「おおう、わけがわからない。」と驚愕する。


「むむ、回転数も全然足りないもっとこうぐぃーんって感じの方がいいのかな?うーんドリルは皆のあこがれだからね!」

「ああ、そうだな。って違うわー男になる薬じゃないのか!」

「へっそんな事一言も言ってないよー。」


ドリルの回転はひと段落して回転が遅くなる。


「この角どうすんの!」とバランスが悪いのかあっちに行ったりこっちに行ったりとフラフラしている。


「ああ、それ貴重な鉄だからきっとラネスちゃんのいい武器になると思うよ。」

「はぁーこれが武器?おっとっと、うわー。」と転げて壁にドリルが刺さる起動していないからだろうかそのまま天井を見る形になっている。

足も若干浮いて角によって支えられていた。


「うぉぉどうにかしろ!」

「ダメです、これから改良品を作るから忙しい!」とドヤ顔してドアをバタンと締めて出て行った。


「俺これどうしたらいいの?」と呟く。

「うーん、うーーーん。うーーーーーん。」と長い角ドリルを抜こうとして壁に手をつこうとしてついて押す事ができずにジタバタする。ふんばって顔が赤くなっている。


「抜けん、誰か・・・いやダメだこんな所を視られたら恥ずかしくて死ねる。」


がちゃ。

「誰だ!」と変な風な状態でそちらを見る。


「げぇー。」とそこに現れたのは母親のラノカと側近のルイネだった。


「な、何をしているのラネスちゃん。」と驚くラノカ。

「この状況は・・・そうかイコイのせいかー。」となにかを察知する。


「壁に刺さってる。まさかラネスがそう言う趣味の人だったなんて・・・。」ショックを受けているうたはもいる。

「ラネスちゃんがそんな壁に刺さるのが趣味だったなんて・・・お母さんはショックで今日は眠れないかもしれない。」と頭を抱える。

「母上・・・」とこんな姿を見せたくなかったと歯を噛み締める。

「ああ、護衛に付いた私にもこんなことになって母上に掛ける言葉が見つかりません。」とうたはがラノカの肩に手を置き慰める。

顔がよく見えない。

「もっと思慮深くなってもらわなければ上に立つものとして恥ずかしいですよ。」と窘めてくるルイネ。


ルイネの言葉にちょっと冷静になったラネス。

「・・・なぁ、あまりにもタイミング良過ぎないか?」


「ぷっ。」

「ぷっ。」

「ぷっ。」と三人が笑う。


「はっ、まさか!」


「ごめんね。うたはちゃんがなにか面白いことになってるって。ふふふ。」とちょっと笑いを我慢する母上。

「主がドジをしている所も悪くないのではないですか。ぷぅー。」ドンドンと何かツボに入ったらしく、壁をドンドン叩いているルイネ。


「まぁこんな日もあるよ。またやってね。ぷくくく。」と右手で口を抑えて笑いを我慢する振りをしている。内心ではもっと笑っているかもしれない。


「むむ、くっそ許せるかー。ドリルー。」といってラネスのからだごと回転して壁を壊して脱出する。


「はぁーはぁ、目がまわるぅー。」くるぅーくるぅーと視界酔いしている。


「おおう脱出した。」


「我にかかればこのくらい!あれ。」と今度は前のめりに転んで壁に刺さる。


「なんで今日はこんな目に!」と嘆くラネス。


とまた三人に笑われた。それを数回繰り返すと角ドリルが折れてもとの生活に戻れるはずだったが・・・角が生えてた部分が禿げてまた笑われるのだった。


「くっそーーーー。」という声が王城に響き渡った。

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