郁美との出会い
亮は新宿西口のテニスショップで
自分と加奈のラケットを2本買うと
歌舞伎町にある新宿不動産に入った
黒いスーツ姿のおよそ新宿歌舞伎町に似合わない
まじめそうな女性が座っていた
「いらっしゃいませ」
女性は亮の全身を見つめていた
「あのう、この辺りにマンションありますか?」
「お客様が住まわれるのですか?」
「はい、一人なので狭くても」
「でも新宿御苑の方じゃないと
環境が悪いですよ」
「でも職場が近いほうがいいので」
「ご職業は?」
「歌舞伎町でホストを」
「えっ?」
その女は歌舞伎町では一切見ない
知的な男性だったので
おどろいて声を出してしまった。
そしてホストと聞くと
女は急に態度と口調を変えて言った
「ホストは借りるのは大変よ、
よほど良い保証人が居ないと」
「はい。それは大丈夫です」
「そんなに良い保証人見つかるの?」
女は疑ったような目で亮の顔を見た
「昼間は会社員ですから」
「あらそう」
亮はDUN製薬の名刺を差し出した
「DUN製薬、係長」
そう言うと急に態度を変えて
自分の名刺を差し出した
「久保田郁美さん」
「はい」
郁美はマンションの資料を持ち出した
「本当に歌舞伎町は環境が悪いわよ、それに高いし
新宿三丁目方面にしたほうがそれとも新大久保方面」
郁美は女らしく声をだして物件を何件か見せた
「歌舞伎町2丁目というのは?」
「行きます?」
「はい」
亮は郁美の目をじっと見つめると
郁美の体が興奮をしていた。
亮はテニスバックを持って外にでた。
「松平さんテニスをなさるの」
「はい、この間軽井沢でラケットを
壊してしまったんです」
亮が照れくさそうに笑うと郁美は
不思議そうな顔をした。
「あら、そんなにラケットって壊れるんですか?」
「あはは、同時に二つの玉を打ったら壊れました」
「えっ?」
「久保田さんテニスは?」
「私はゴルフのほうです、会社が会員権を売っているので」
「そうですか、僕はゴルフを始めたばかりです。
82で回りました」
「えっ、すごくない?」
「後半はバーディ取りました、
キャディさんがプロ試験を受けるそうで
教えてくれました」
「そうですね、ゴルフはコーチが
良いと上達が早いようです」
「はい、後でお礼します」
「今度一緒に回りましょう」
「そうですね、ぜひ」
「はい」
亮は電話を切りすぐに美咲にレイプられた場所が
後藤田組が管理している事を伝えた。
「ああ、武闘派の組ねうちのリストに上がっていたわ、
亮、危ないから深入りしないで」
「分かりました」
「ところで彼女たちは?」
「今彼女たちが声をかけられたのは20人以上よ」
「尾行されている様子は?」
「あるわ」
「よかった、効果があったみたいですね」
「うふふっ、効きすぎよ」
~~~~~~
「久保田さん、今から行くマンションは
やくざがたくさんいるんでしょうね」
「やくざは居ないとは言えないですね、
ホストやホステスが多いわ」
「そうですよね」
「ところで、歌舞伎町のやくざって
何とか組ってあるんですか?」
「はい、ここは色々な組が混ざり合っています」
「後藤田組って歌舞伎町では有名なんですか?」
「あの組は、歌舞伎町じゃなくて中野です」
すんなりと答えた郁美の返事に亮は
何かを感じた
「どうしてやくざの話なんて?」
「はい、ホストとしてやっていくのに
情報は必要と思いまして」
「あまり関係ないわよ、従業員は」
「分かりました」
「ところで、一流企業に勤めていて
どうしてホストに?」
「はい、会社を興すのに事業資金を
貯めようと思って」
「そう、目標があるのね。素敵です」
「ありがとうございます」
郁美は本気で素敵だと思った
「ねえ、松平さん。今夜は?」
「えっ?」
「時間有りますか?」
久保田は勇気を出して亮を誘った
「すみません、これからデートです」
「そうですよね。おもてになりそうです」
「明日なら大丈夫ですよ」
亮は白い歯を見せて笑った
「すみません、いきなりお客さんを誘って
ホストさんだからというわけじゃなくて・・・・・」
「あはは、僕も誘いたかったんです。
だからさっきからテニス
とゴルフの話をしたんです」
「ありがとうございます」
「ここは安くていい物件なんだけど
あなたの気にしていた、ヤクザ系の
人が住んでいるのよ」
「かなりヤバめですか?」
「正直言うと後藤田組の人」
「そうですか?」
物件の部屋に亮と郁美が入ると
郁美はいきなり亮に抱きつきキスを求めた。
「ちょっと、ちょっと待ってください」
亮は郁美を突き放した。
「ごめんなさい、私なんて言う事を・・・・」
郁美は座り込んで泣き出した。
「いいえ、僕は久保田さんの事が
嫌いではありませんが、今ここでこれ以上の
事をしたらまずいですよ」
今の状況では一文字のハニートラップの
可能性が有るので亮は
郁美に手を出すことが出来なかった。
「ごめんなさい」
「いいえ」
「この辺りの事知りたければなんでも教えてあげる」
「お願いします」
亮は郁美を落ち着かせようと優しく話した。
「じゃあ戻りましょう」
「もっと部屋の中を観なくても・・
いいんですか?」
「いいの、私の部屋を貸してあげるから」
郁美は真剣な顔をして言ってドアを開け部屋を出た。
「では、明日また来ます」
亮は小指を出して指切りをして別れた。
「亮、どこ?」
美喜から電話がかかって来た。
「トーホー前」
「今行きます」
~~~~~~~
「ねね、お姉さん。学生さん?」
男が聞いてきた。
「いいえ、働いています」
「仕事何?」
「見てわかるでしょう」
「まさかモデル的な」
「うん」
「あっ、幸田・・・」
「うん」
美喜はうなずいた。
「ああ道理で目立つと思っていた」
~~~~~~
「お兄さん」
女性が声を掛けてきた。
「ホストさん?」
「いいえ」
「ごめんなさい、イケメンだからホストだと思った」
「すみません、でも今度遊びましょう」
「本当!」
「ただ、エッチさせてくださいね~」
「マジ言っているの?」
「はい、僕のは太くて長くて硬いですよ」
「私フェラうまいよ」
女の子のノリは良かった
「おお、じゃあ今度ね」
亮は冗談で言ったが女性はマジで
スマフォでLINEを出していた。
互いにバーコードを読み合って別れた。
トーホー前に行くと美喜の周りに男が居た。
「あっ、亮」
美喜が手を振った。
「どうしたの?」
「ナンパされていた」
「お疲れ様」
亮が美喜に近づくと男が離れて行った。
「それより、亮の後ろにいた女性たちは何?」
「ナンパされた」
「お互いさまね、それよりそのラケットどうしたの?」
「この前壊したので買いました」
「今日買うか?」
美喜が首を傾げた。
「そう言えば、何か月か前伝説のホストが
歌舞伎町にいたらしいわ。たった
1週間でやめちゃったらしいけど」
「1週間で伝説?」
「はい、1週間の間に凄いセレブが毎日通ったそうよ」
「名前は?」
「あなたと同じ名ね、亮だって」
「へえ」
「あなたなら彼を超えるわね、きっと」
亮はそう言われて目を伏せた。
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理恵とめぐみは十数人の男の誘いを断り
居酒屋浜魚に入った
後ろからホスト風の男三人が入って来て
女店員が席を案内すると
「こっちだ」
三人組の一人が二人に声をかけて強引に
理恵たちの方へ行くと店員が声をかけた
「お客様困ります」
「うるせい!」
大きな声で凄んで二人の隣に強引に座った
~~~~~~
美喜と話をしている亮の元に美咲から電話が入った
「亮、何処にいるの?」
「新宿の歌舞伎町にいます」




