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美喜の登場

「それで?」

「出国はしていないけど、でも今朝羽田から5時に

プライベートジェットが香港へ飛んだ記録があるわ」

「本当ですか。パスポートがなければ

出国はできないですよね」

「そんなものどうにでもなるわよ、

出国は入国より簡単なんだから

まして行き先が香港だから顔パスでしょう」


亮は山口がもうこの世にはいない

予感がしていた。

「じゃあ、美咲さんの山口摘発の

仕事は終わったわけですね」

「はい、山口が消えたと言ったら。

捕まえた連中が怖がってぼちぼち自供しているわ」


「自供って何ですか?」

「山口の何人かに対する監禁、恐喝。あと名前は

まだ分からないけど女性の死体遺棄の教唆が分かったわ」

「それってもしかしたら理容師の城田春子さん?」

「たぶん」

「そうですか。喜んでいいのか悲しんでいいのか。

とりあえず裕子さんに報告します」

「はい、そうしてあげて」

「はい」


そこに亮の電話が鳴った

「亮か?」

「はい」

「文明だ」

「こんばんは」

「あはは、返事に困っているな」

「えっ?まあ」

「今、山口と話をしている」

「えっ、まだ生きているんですね?」


「あはは、簡単には殺さないよ。

僕は殺し屋じゃないからね」

「もちろんです」

「それで、山口の財産を我々がすべて抑える事になった、

そうじゃならなかったら殺すけどな」

「あはは」

亮は本気で笑えなかった


「そうそう、その中にDUN製薬株があった」

「本当ですか!」

「その株を亮に委任する、色々大変なんだろう」

「はい、ありがとうございます」

「その代わり例の糖尿治療薬の中国の販売権は

うちのクループの製薬会社と契約してもらう」


「もちろんです」

「それから、亮の仲のいい警察官僚は女性だったね」

「は、はい。どうして知っているんですか?」

「あはは、じゃあ、また連絡する。がんばれよ」

「はい」


~~~~~~~~~~~~~~

香港の香港島セントラルの高層ビルの一室

「これでいいのか?麗華」

「うん、ありがとう文明」

「こんな面倒な事をしなくたって、

DUN製薬は助けられるはずだぞ」

「だって、表立って亮を助けたら彼傷つくでしょ」

「まあな」

「それに山口は亮の敵だったから」

「うん、でも一文字はどうする?殺すのは簡単だぞ」

「大丈夫、一文字は彼がひねりつぶすわ」


「なるほど、麗華はそうとう亮の事好きらしいな」

「文明、あなただって亮の事好きなくせに」

「あはは、亮とは桃園の誓いを交わした仲だ、

長兄の私は死んでも彼を守る」

「ありがとう、文明、これで図書館の時の恩返し

が出来た、兄さんも喜ぶわ」


~~~~~~~~~~~~~~~~

「誰からの電話?」

流暢な中国語で話す亮を見て

美咲が聞いた。

「劉文明です」

「えっ?」

「山口は生きているそうです」

「本当?」

「お金のトラブルらしいです」


「そう、もし日本に無事帰れても

山口その頃には逮捕状が出ているわ」

「はい、では無事のお帰りを祈りましょう」

「うふふ、これ美味しい」

美咲は微笑みながらアメリカのデビッドから

送って来たボルドーワインムートンを飲んだ


「それで、一文字の五輪産業のインサイダー容疑は?」

「もちろん今、裏づけを取っているわ、

株の売買とお金の流れ当時の五輪産業の情報の流れ」

「明後日まで決めて欲しいんですが」

「無理よ、証人が少なすぎるわ」

「分かりました」

亮は肩を落とした


それを見た美咲は亮の手を握った

「大丈夫よ、私たちが必ず一文字を逮捕するから」

「はい」


~~~~~~~~~~~~~~

一文字は上原とクラブ華の席に着いた

「上原さん木曜日は大丈夫ですね」

「はい、ジュディさんが理事長を

今月いっぱいで辞めるにしても

今回の件は理事会に計って、他の八人の

賛成票を取らなくてはいけませんからね、

しっかりまとめていますよ」


「はい、木曜日が楽しみですね」

「はい」


そこへ順子ママが挨拶に来た

「一文字理事長、楽しんでいます?」

「はい、こちら今度ヤマト美容専門学校の

理事長になる上原さんです」

「そうなんですか。あのジュディさん

お辞めになるんですか」


「はい、でもこれは内緒ですよ」

「もちろん、私は銀座の女ですもの他言は致しません」

「あはは、失礼しました」

上原は頭を下げて順子は高級クラブのママの

風格を漂わせ名刺を上原に渡した


「順子です。これからもごひいきに」

「やあ、あの有名な順子さんにお会いできて光栄です」

「まあ、お世辞が上手ですね」

「いいえ、そんな事ありませんよ」

上原は名刺を差し出した


「まあ、上原建設の社長さんでしたか。

失礼いたしました」

「こちらに見える、

スーパーゼネコンの社長さんと違って

民間企業の仕事を細々とやっています」

「まあ、ご謙遜を。これからは世論が厳しい

公共事業より民間企業の方が

堅実で安定していますわ」


「ありがとうございます」

父親の急死で3代目を30代で継いだ武志は

銀座の高級クラブは初めてだった

「では、ごゆっくり」

順子は丁寧にお辞儀をして席を立つと

店の裏の部屋に入り直に絵里子に電話をかけた


「ありがとう、すぐに動きます」

「はい、待っています」

絵里子は電話を切るとすぐに亮に電話をした

「絵里子です」

「ああ、お疲れ様です」


「あのう、直ちゃんに華へ行って貰いたいの」

「どうしました?」

「一文字と上原が華に来たそうなの」

「分かりました、今日は直子さんじゃなくて

美喜さんに行って貰います」

「はい、分かったわ。じゃあお願いします」


「忙しいわね、亮」

少しあきれたように美咲が話すと

亮は微笑んだ。

「一文字と上原さんがクラブ華に来たそうです」

「あら、明後日の打ち合わせかしら?」

「たぶん」

亮は席を立って美喜に電話をした


「美喜です」

「お願いがあります」

「はい」

亮は銀座の華に行くように頼んだ

「任せて、すぐ行くわ」

「今どこですか?」

「あなたの後ろ」

「えっ?」

そこにモデル立ちしている美喜が立っていた


「ど、どうしたんですか?」

「今、ちょうど下のスタジオDで

お買い物をしていたの」

「す、すごい」

「いい勘していたでしょう」

「え、はい。それで、買い物の支払いは済みました?」

「まだよ、支払いしようと思っていた時に連絡があったから」


「じゃあ、僕が払っておきます。すぐに行って下さい」

「はい」

美喜はハイヒールの音を立てて走りだした

「亮さま、高いわよ」

「あはは、大丈夫、うちの高いのは知っています」


亮は席に戻ると美咲を誘った。

「美咲さん、今から買い物しませんか?プレゼントします」

「えっ。買ってくれるの?」

「はい」

亮はスタジオDのレジへ

行くと千沙子が立っていた


「亮、お疲れ様」

「はい」

「仕事のほうはどう?」

「はい、明日奴がうちの会社に乗り込んできます」

「まあ、身の程知らずね」

千沙子が微笑んだ


「さっき買い物していた美喜さんの買い物の支払いしに

来ました」

「え?はい」

千沙子は金額を見て目を丸くした

「いいの?」

千沙子が恐る恐るそれを亮に

見せると亮の手が止まった


「あっ」

「いくら?」

美咲がそれを覗き込むと声を上げた。

「30万円・・・・」

「は、払いますよ」

亮は美喜がアルバイトをするほどお金に

困っていると聞いていたのに不思議に思った。


亮は千沙子に頭を下げ耳元でささやいた

「あはは、いいわよ。亮の支払いに回しておくわ」

「亮、私はスーツが良い」

美咲が黒いパンツスーツを手にして笑っていた。

「ああ、安い指輪をあげようと思っていたのに・・・」

亮は悲しそうにつぶやいた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~

美喜はクラブ華に着くと順子を呼んだ

「あら、あなたどこかで」

「美喜です。よろしくお願いします」

「奥の部屋にドレスがあるわ、着替えて」

「はい」


5分程でブルーのロングドレスに着替えてきた美喜は

ファッション誌BBを飾っていた幸田美喜に戻っていた

「あっ、思い出したわ。モデルの幸田美喜ちゃんね」

「はい、よろしくお願いします」

「じゃあ」

順子は美喜を連れて一文字と上原のいる席へ行った

まるでランウエイ歩くファッションモデルのように

美しく歩くと周りの客とホステスたちも目を止めた


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