山口の殺人疑惑
「山口先生、申し訳有りません屋島が
見つからないので別な女を紹介します」
屋島に逃げられた一文字は山口に詫びを入れた。
「そうか、高慢な女を責めるのも
良いが若いのもいいな」
「はい、今度は女子大生をご紹介します」
「おお、そうか今度は間違いないな」
「はい、今度は間違いありません」
「うん」
山口は電話を切って手を叩くと
黒いスーツ着た女がお茶を運んできた
「おい、千佳」
「はい、今度香港へ連れて行ってやる」
「えっ?本当ですか?」
「ああ」
「ありがとうございます」
千佳は満面の笑みを浮かべていた
しかし、山口は女子大生の女が来ると聞いて
香港マフィアに30歳近い
千佳を差し出す事を考えでいた
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警察病院の2階では亮達を美咲が待っていた。
「お疲れ様、もう準備ができているわよ」
「宜しくお願いします」
屋島は美咲に頭を下げた
レントゲンで金属片の場所を見つけ
一時間足らずで手術は終り
手術室の隣の部屋に三人が入ると
医師が説明をした。
「膣の中にこれが入っていました」
それは以前玲奈の膣の中から取り出した物と
同じものだった
「屋島さんこれをいつ入れられたか
分かりますか?」
「いつかは良く分かりませんが、私が理事長と
関係を持ったのが3年前です」
「そう間違いなく、3年ね」
「はい」
「時効前だわ」
美咲は手を叩いた
「時効?」
「医師以外が他人の体に医療業務を行うと
傷害罪になるの」
「傷害罪になるんですか?」
「はい傷害罪の最長は15年だけど
5年以下は確実だから、一文字を傷害罪で
捕まえる事ができるわ」
「やりましたね」
亮と美咲が握手をした
「今日は警察病院で正式な
手続きを取っているので
証拠なります」
美咲は逮捕に絶対の自信が有った
「屋島さん3年前の話ですけど
思い出してください、
調書を作りたいんです」
「分かりました」
「じゃあ僕はこれで失礼します、
原さん今日から屋島さんは?」
「はい、警察が責任持って
保護します。もう安心よ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、屋島さんまた。ところでパスポートは」
「いつも持っています。ありがとうございました」
屋島は亮の姿が見えなくなるまで頭を下げていた
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「屋島さん、いいやつでしょ亮は」
「分かります。みんながうらやましいです」
「うふふ」
美咲は笑っていたが
美咲も亮と毎日会える女性達が
うらやましく思っていた。
特に美喜には嫉妬していた。
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亮は美喜に新しいマンションの片づけに行かせ
丸の内の治療院に着いて白衣を着た
「亮、助かったわ。手伝って」
亮は直子から白衣を受け取ると
治療ベッドへ行った
「あっ山際さん」
「松平さん、どうしたんですか?
今日は月曜日ですよ」
「はい、たまたま時間が空いたので。
具合悪いんですか?」
「いいえ、いただいた
お薬でずいぶんよくなりました。
それから仕事も順調で、
ありがとうございます」
「それで、今日は?」
「水曜日に予約をしたんですが、
仕事が入ってしまって
それに食事の件も」
「あっいいですよ、
キャンセル気にしないでください」
「いいえ、せっかく一緒に食事を
していただけるなら
日時を変更してください」
「はい連絡をします」
「あの、今日か明日でもいいんですか?」
「はい良いですよ、今日の夜は空いています」
「じゃあ、善は急げだわ。
7時にマリオン前で良いですか?」
「分かりました」
亮は6時にイトシアの二階のコーヒー店で
裕子とコーヒーを飲んでいた
「裕子さんありがとう」
「お役に立てて嬉しいわ」
「凄いですね、あの女性達」
「みんな引退した連中で中にも主婦がいるのよ」
「あはは」
主婦がレディースの真似事に笑った。
「父に聞いたんだけど、
亮。命狙われているの?」
「いいえ、ちょっと脅されただけです」
「天竜組は手を出さないはずだったんだけど、
清次を締めなくちゃ」
「大丈夫ですよ。脅した二人は
天竜組と関係が有りませんから」
「そう、よかった」
「葛西の山口の人間です」
「えっ?山口」
裕子は立ち上がった
「どうしました?」
「山口は私の親友を殺したのよ」
「えっ?」
「二年前、東京湾に浮かんだ全裸女性の死体
城田春子は理容師で私の親友だったの」
「はい・・・気の毒に」
「春子の勤め先は葛西駅の近くで
そこの常連客が山口だったの」
「山口を知っていたんですか?」
「春子が私に付き合いを迫っている男が
相談されていたから」
「はい、それで?」
「お金で関係を持ったらしいんだけど」
「うん」
「それから1ヵ月後に行方不明になっちゃって
それから間もなく東京湾で死体が見つかったの」
「そうか、やっぱり」
「なんなの?」
「山口はサディストで以前女性の両腕を折って
訴えられた事があるらしいんです」
「あっ」
裕子の顔色が変わった
「どうしたんですか?」
「春子の体が傷だらけでロープの痕が
いたるところに有ったって春子
お母さんが言っていました」
「そうか」
「亮、お願い山口を捕まえて」
裕子は涙を流しながら亮の手を握った
「その時どうして山口の事を
警察に言わなかったんですか?」
「もちろん言いました。
でも証拠不十分で逮捕されなかった」
「そうですか分かりました、調べてみます」
亮は山口がずるがしこく逃げているのを分かっていたが
それを裕子には言えなかった。
亮は裕子と別れてすぐに
美咲のところへ電話をいれ裕子の事を話した
「はい、その件は知っているわ。
でも春子さんと山口の関係が薄くて
捜査まで行かれなくて、結局体の傷から
見て変質者の線で捜査してしまって
容疑者が特定できずお宮入りよ」
「分かりました、やはり直子さんの
潜入捜査からですね」
「はい」
亮は肩を落としてマリオンを横切ると
恭子は時計の前に立っていた
「お待たせしました」
「いいえ」
山際恭子は満面の笑みを浮かべていた
「どうしますか?食事?それとも飲みますか?」
「食事がいいわ」
「何がいいですか?」
「中華が食べたいです」
「はい、どこか行き付けの所ありますか?」
「はい」
恭子は銀座一丁目のビルの2階の
中華料理店孟林亭へ亮を案内した
そこは豪華な店内で個室がたくさんあった
「いらっしゃいませ」
店長が二人をむかい入れると声を上げた。
「あっ」
亮は店長に押さえるように手を向けた
「広東料理ですか?」
「はい、ここは魚料理がとても美味しいですよ」
亮と恭子は奥のテーブルで
ふかひれスープ
大海老のからあげ
海鮮野菜炒め
ハト焼き
飲茶と菊茶を注文した
松平さん通ですね
「はい、そうですね。学生時代良く食べました」
「えっ?何処で?」
「アメリカで」
「私は香港で食べました」
「わあ本場ですね、仕事ですか?」
「はい、一年間香港に転勤で行っていました」
「松平さんは?」
「僕は留学で」
「何処ですか?」
「ボストンです」
「ボストンの大学って?」
亮は恭子の質問をはぐらかし
「友人の親戚が中華料理店をやっていて、
良くただで食べさせてもらいました」
「お友達は中国人なんですか?」
「はい、中国共産党の
偉い人の息子って言っていました」
「そうなの?紹介して欲しいわ」
「いやいや、そんなの意外と怪しいですよ」
「でも、アメリカに留学するなんて本物よ」
「そうですか」
「アメリカではどんな勉強をしてきたの?」
「経済学と大学院では経営学です」
「薬学じゃないんですね」
「はい」
「やはり清瀬君の言った事
本当かしら?・・・團さん」
亮はいきなり本名を言われ戸惑ったが
しょうが無しに返事をした
「はい、本当です」
「うふふ、嬉しい話題が合いそう」
「そうですか。僕は金融の方は
あまり知らないんですよ、
逆に教はいただければ、嬉しいです」
「何を教えればいいかしら?」
「たとえば、法人運用部と言うのはどういった
仕事なんですか?」




