事情聴取
「痛て!」
男がドスを落すと亮は後ろから男の
股間にラケットを突っ込み
引き上げると小太りの男はその場で
股間を押さえ転がっていた
そしてもう一人の男鴨志田は
懐からピストルを持って
亮に銃口を向けた
「撃つぞ、ラケットを放せ」
「3m」
亮はそう言うと足を小刻みに動かしていた
「分かった」
亮はラケットを男に投げつけ
男がラケットを避けた瞬間
「亮!避けて」
亮は体をかがめると男の腕に手裏剣が刺さり
ピストルを落した。
「うっ」
鴨志田は手裏剣が刺さった腕を抑えた。
「よかったなあ、殺されなくて首に刺さっていたら
死ぬところだったよ」
「はいっ!」
「あのねえ、ドスやピストルを持っているからって
強いと思うなよ、素手で戦ってあんたらを
殺す事なんて簡単なんだから」
美喜は鴨志田の股間をつま先で蹴りあげた。
「あっ」
亮はあまりにも痛そうなので
答えを上げた。
美喜は二人の顔の写真をスマフォで撮った。
「何をするんだ!」
「今度会ったら彼女は本当に殺すつもりらしい。
あんたの千葉の妹とサッカー好きの息子も危ないぞ」
それを聞いた鴨志田の顔色が変わった。
「何でそれを・・・すみません」
鴨志田は自分の事を詳しく知っている
亮に恐れ戦き腕を抑えながら謝った。
痛みが治まった田所が股間を抑えて走り出した。
「ちょっと貸してくださいね」
亮は男が持っていたピストルを持って撃った。
「ああ」
男はわき腹を抑えて倒れた。
「へたくそ!」
美喜が言った。
「違う!わざと外した」
亮はジャンパー一枚に当てた。
それを見た美喜は走って行って
田所の股間を蹴飛ばした。
「天誅」
田所は股間を抑えながら転がった。
亮は鴨志田の腰の下のほうを強く押すと
ゆっくりと車の方に歩いてバックの中から
手錠を持ち出した
亮は鴨志田をうつ伏せにして
後ろ手に手錠をはめた
「なんだ、警察でもないのに」
男が苦しい声を出して叫んだ
「それが一般人でも逮捕権あるんですよ、殺人未遂、
銃刀法違反それと執行猶予中のあんたは
逮捕されても文句言えない」
それを二人の男が聞くと全身の力を抜いた
そこへパトカーと雨宮と直子がやって来た
「お巡りさんピストルを持っていたので殺人未遂です、
もう一人は刃渡り17cm銃刀法違反です」
亮は警官に言うと二人を抑えた。
「もしもし、あなたは?」
「はい?」
「どうして手錠を持っているんですか?」
「しゅ、趣味で」
「そんな一般人がピストルを持った人間に
向っていく人なんかいませんよ」
警官は亮の腕を掴んだ
「実は僕は秘密諜報員なんです」
「ふざけるな!」
警察官が怒鳴った。
「じゃあ電話させてください」
「事情聴取を終えてからにしてください」
警官の一人が答えると
そこへスマートフォンを持った直子が警官に渡した
「ちょっと代わってください」
「もしもし」
「警察庁の原と申します」
「はい」
「團亮をそのまま放してください」
「どういった権限で」
「事情は言えませんが」
「怪しいですね、本当に警察庁なんですか?」
美咲は電話を受けた警官の返事にムッとした
「分かりました。あなたのお名前は?」
「村田です」
警官の受けた電話が切れてすぐに村田の所に
無線が入りしばらく話すと村田は顔色が変わり
硬直して亮に敬礼をした
「失礼しました」
「格闘したので腕に怪我していますので
治療お願いします」
パトカーは犯人の二人を乗せて
走り出した
「美喜さん中々やりますね」
「うふふすっきりした」
「あとで手裏剣投げ教えてください」
「いいわよ、教えてあげる」
子供の頃から手裏剣投げに憧れていた。
美咲と森と早苗以外は亮の警察での
立場を知らず美喜にも嘘をつく
事になっていた
亮は美咲に電話を掛けた。
「ありがとうございます、
解決しました」
「いいえ、あんなのがいるから今の
警察が市民に信じてもらえないのよ。
それに今度で二度目だしそれより、
亮命を狙われたの?」
「いいえ、僕をいじめたかったようですね」
「指示したのは山口かしら一文字かしら」
「たぶん一文字ですね、そろそろ僕の存在が
邪魔になってきたんだと思いますよ」
「相手が悪かったわね彼ら。
でも亮ピストルを持った男と戦うなんてすごいわね」
亮は美咲の言葉を無視するように答えた。
「あっ、ラケット壊れてしまったので・・・」
「弁償するわよ、亮はそんな所が変ね」
「そうですか、ありがとうございます、ボールも」
亮は嬉そうに笑った
「ついでに私にラケット買っておいて」
「ところで山口に二人の逮捕の情報が
漏れないようにして欲しいんですが、
こっちが済むまで」
「はい、田中さんに言っておくわ」
「お願いします、今から東京へ向って
屋島さんを連れてそっちへ向います」
「はい、待っています」
「直子さん、美喜さん朝食を食べて出発しましょう」
「はい」
亮はホテルを出て内村に挨拶をして軽井沢を出た。
三人が東京に着くと直子は仕事に行く事になっていた。
「私はこのまま治療院へ行きますね」
「はい」
「そして夜から蝶に出ます」
直子は山口と戦う心の準備をしていた。
「きょ、今日から?」
「はい、一応絵里子ママが山口に電話をして呼ぶそうよ」
「あっ、そんな話をしていたんですね」
「うん。じゃあね」
そう言って直子は東京駅前で降り
亮と美喜は目白の家に着いた
それは、生垣に囲まれていた蔵のある
ある二階建ての大きな家だった
「ただいま」
「お帰りなさい」
亮と美喜が玄関に入ると
千沙子が立っていた
「あっ姉さん」
「お父さんからお金の件聞いているわよ」
「ありがとう。お母さんは?」
「お父さんを空港へ送って行ったわ」
「こちら幸田美喜さん」
亮が美喜を紹介美喜は静かにお辞儀をした。
「あっ、パーティで会いましたよね、幸田美喜さん」
千沙子が言うと亮は耳元で囁いた。
「仁兄さんのアシスタントをしていて
それを僕が美喜さんをアシスタントとして雇ったんです」
「アシスタント?」
千沙子は元モデルが何のアシスタントをするのか
疑問だった。
「それからマンションの鍵預かっているわ」
千沙子は住所を書いた紙が入っている封筒を
亮に渡した。
「おはようございます」
屋島が奥の部屋から出てきた。
「屋島さん昨日はバイクに乗って疲れたでしょう」
「はい、でも楽しかったですよ、暴走族みたいで」
「あはは、それは良かった」
「ねえ、亮」
「はい?」
亮は千沙子の顔を見た
「お父さんと話したんだけど、
フランスに通訳に行ってもらったら」
「そうか」
「後で屋島さんと話をしてね」
「はい、屋島さん行きましょうか」
「はい」
亮と美喜と屋島は車で中野の警察病院へ向った
「屋島さん姉との話は?」
「私このままでDUN製薬へ戻れないし、
もちろん一文字の所にも戻らないわ」
「はい」
「それで千沙子さんと昨日話をしたんですけど、
美宝堂名古屋で雇ってくれるそうなんです」
「はい、父がOKならいいんじゃないですか」
「千沙子さんは亮さんがOKなら良いそうです」
話がグルグル回って亮のところへ来た。
「それなら、ぜひお願いします」
亮は屋島に頭を下げた。
「本当ですか。ありがとうございます」
「でも、良いんですか美宝堂は小さな会社ですよ」
「でもやりがいが有りますから、
実家のある名古屋店でぜひ」
「わかりました、とりあえずスタジオDと
ブリリアンスショー名古屋店の
管理をお願いします。それと僕は月二回
名古屋へ行きますので報告とミーティングは
その時にしましょう」
「そんなに来ていただけるんですか?」
「もちろんです」
亮は飯田の会社ĪĪDに行く事が出来るので
一石二鳥だった。
しかも、ひつまぶしとアンバターパンが食べられる
亮はハンドルから左手をはずして
屋島に握手を求めた
屋島は自分を信じて信頼してくれる團の
家族に感謝をした




