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脅迫

「おい松平、屋島の行き先は何処だ?」

「何のことですか?」

「嘘をつくと、ただじゃすまないぞ」

がっちりした体の男の一人がそう言って

亮の胸ぐらを掴んだ、その男の吐く息はとても

タバコ臭く亮は気分が悪くなっていた。


「知りませんよ」

もう一人の男が手に持っていたドスを見せ

鞘からそれを抜いて亮の頬を叩いた

「これが見えねえか、兄ちゃん」

亮は震えた声で答えた。


「見えますけど本当に知りませんよ」

そこにクラブの従業員が近づいてくると

男達は亮から離れた

「後でもう一度聞かせてもらうからな」

男は亮の震えた声を聞いて

充分に脅しが効いたと満足し

強面の顔がほころんでいた


クラブハウスに向って歩いていた

亮は男達の無礼な態度で

頭に血が上って手が震えた

亮はスマートフォンを取って森に電話をかけた


「もしもし、亮です」

「おお、スコアはどうだ?」

「僕のところへやくざが屋島さんの

居所を聞きにきました」

「昨日、顔を見られたか?」

「いいえ、でもここで屋島さんが接触した

可能性は僕しかいないのでここに来たと思います


「なるほど、まだこっちを出られそうにないな」

「はい、暗くなってからですね」

「わかった」

「屋島さんは?」

「多恵さんと昼飯を作っている」

「良かった」


亮の朝からの目立つ態度は

亮を見張っていたヤクザどもを油断させる

亮のパフォーマンスだった

「こっちへ来たのは二人しかいませんでしたから

他の連中は軽井沢中探しているんじゃないでしょうか?」


「そうか、彼女は落ち着いてきたし

亮の事を説明しておいたからな」

「5時過ぎには戻りますのでよろしくお願いします」

「わかった」

亮がクラブハウスのレストランに入ると

内村が手招きをした


「亮9ホール全部林の中だそうだな」

「谷に落ちたのと池ポチャもありましたけど、

上手くコントロールできなくて」


「あはは、午後を楽しみにしているぞ」

「はい」

「そうだ、ボールが無くなって大変だろう」

内村はボールを1ダース亮に渡した

「おお、タイトリストAVX。ありがとうございます」

亮は食事をしている美咲のところへ行くと

耳元で囁いた


「ヤクザが僕を脅しに来ました」

「えっ大丈夫?」

「はい、刃渡り20cmのドスを

見せてくれました、安物ですが」

「うふふ、亮は相変わらず冷静なのね」

「いいえ、今回は自分を抑えるのが大変で声が震えて」

思わず怪我をさせるところでした。


「まあ、珍しい」

「容疑は何でもいいです、あいつを捕まえてください」

「もちろん、亮を脅すなんて許せない」

「はい」

「ところで、スコアはどうなの?」

「50です」


「私達と勝負する?」

「いいですよ」

「私が45、今村さんが42、田中さんが41よ」

「上手ですね」

今村と田中が笑うと美咲は

亮に聞いた。


「ハンデは?」

「10でいいですよ」

「えっ?10」

「大丈夫です」

「何を握ろうか?そのあれ握る」

まじめな顔でジョークを言う美咲が怖かった。

「食事でいいでしょう」

「うん、豪華なやつね」

美咲はうれしそうに笑った


食事が終わってスタート待ちをしている亮に

佐久間が近づいてきた。

スイングのチェックをした。

「すみません。松平さんは腕力があるのでシャフトが固い

ドライバーが良いと思いますよ」

「本当ですか?」

「はい」

佐久間はドライバーを亮に渡した。


「ヘッドは小さくて軽いですけどコントロールがしやすく

弾道が低いので狙ったところへ行きます。

 私のお古ですが使ってみてください」

「ありがとう」

亮はそのドライバーでスイングをした。


「これ借ります」

午後の亮はOBが無くフェアウはい真ん中に

ボールを落し連続でバーディを取って行った

「松平さんナイスです」

佐久間は手を叩いた。


「いいえ、あなたの指導が良かったからです」

亮はあっという間にゴルフを覚えて行った

その度にこっそりと佐久間と亮はタッチをしていた

そして、亮はプロ並みの32でホールアウトした


「亮32で回ったんだ」

ホールアウトした美咲が亮の肩を叩いた

「はい」

「いや、完敗です」

今井と田中が頭を下げた

亮はコンペのハンデを返しトータル82の10位で終り

表彰式が終わると

亮の前に和服姿の女性が立っていた。


「亮さん!」

声を掛けたのは裕子の妹の雨宮奈津美だった

「あれ?奈津美さんどうしました?」

「姉から連絡があって父がせっかく近くに

居るんだから連れて来いって」


「はい?近くって松本は近くないですよ」

「いいえ、軽井沢にもあるんですよ、ホテル翔峰」

「じゃあ、お父さんも?」

「はい、ファッションショーの日のお礼をしたいそうです」

「分かりました、ちょうどお願いしようと

夕食を思っていたところなので」

亮は奈津美の耳元で囁いた


亮は秀樹に近づいて言った。

「お父さんでは気をつけて帰ってください」

「おお、お前はこの後どうするんだ?」

「ホテル翔峰で食事をします」

「翔峰か?いつ予約したんだ」

「えっ?今日です」


「空いていたのか?」

「はい」

「俺も行くぞ」

「駄目です。ちょっと打ち合わせがあるので」

「そうか、じゃあドイツから帰ったら行くから

予約しておいてくれ」


「はい」

「翔峰の蕎麦懐石は最高だ」

「そうですね、お父さん蕎麦が好きですからね」

「亮、あそこに居る和服の美人は誰だ?」

秀樹は奈津子を指差した


「翔峰のお嬢さんです」

「お、お前こんなところまで来て」

「ち、違いますよ」

秀樹は亮を見て笑った


「今度またゴルフをやるぞ」

「はい、腕を磨いておきます」

「あはは、それくらいにしておけ、周りが迷惑だ」

「はい、では気をつけて」

「おお」


亮は佐久間陽子がプロ試験に受かったら

一緒にコースを回る約束をして連絡先を交換した。


亮は五時に直子、玲奈、智子、美喜、美也子、

絵里子、加奈を連れて翔峰に着くと

奥の部屋に案内され

そこに森と屋島が座っていた


「森さんどうやってここへ?」

「あはは、五郎さんが裏道を案内してくれて、

でもいきなりここへ連れてこられると思っていなかったよ」

「はい、偶然に奈津美さんが来てくれたもので」


「屋島さん」

玲奈が駆け寄って屋島の手を握って

心配そうに屋島の顔を覗き込んだ

「大丈夫?」

「はい」

屋島は年下の玲奈に対して気丈な態度を取った


そこに美咲と田中と今村が入ってきた

「ではみんなで打ち上げ会をしましょう、

原さんたちのおごりですから」

「わあ」


国家公務員は接待を受ける事は出来ないが、

利益関係者でない他人にごちそうする事は問題

無かった。

みんなが拍手をすると美咲たち三人は苦笑いをした


「僕たちを付けて来たようですね」

亮が美咲に外を指差して話した

「そうね、彼女をどうやってここから脱出させるの?」

「森の中の木ですよ」

「えっ?」


それぞれの席に蕎麦懐石が運ばれると

亮は隣の部屋に呼ばれ雨宮裕子の父

源一郎が挨拶をした

「ご無沙汰しています」

「お久しぶりです、すみません軽井沢に

あるとは知らなかったもので」


「いはいえ、今日裕子から亮さんが軽井沢に来ていると

電話がありましてすぐに奈津美を行かせたんです」

「嬉しいですよ、また翔峰の蕎麦懐石が食べられるなんて」

「いやいや、それより表に変なやつらがいますが」

源一郎が心配していた。


「はい、僕をつけてきたんですよ」

「えっ、また事件ですか?」

源一郎が亮の前で正座してうれしそうに体を近づけた。

「はい。天竜組のやつらです」

「そうですか、あいつら」

源一郎は立ち上がって部屋の外に出た


「雨宮さん、何をするんですか?」

亮は源一郎の後を追って言った

「大丈夫ですよ。任せてください」

源一郎は帳場へ行って電話を取った

「おい、清次いるか。雨宮だ」

源一郎はだんだん声が大きくなってきた


「ああ、おじさん。御無沙汰しています」

「お前何のつもりだ」

「はい?」

「うちのホテルの前にお前の所の若い衆いるが、

営業妨害するつもりか」


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