ゴルフコンペ
「ならない、ならない。いざとなったら
保険金掛けて密かに
殺すつもりだったから」
「その手があったか、ひょっとしたら
保険金掛けてあったりして」
「もちろん一緒に居る時、死亡保険は掛けてあるけど」
「今でも払っているんですか?」
「うん、毎月2280円、苦しくても払っていたわ。
失踪届を出して7年経ったら保険金貰えるもの」
「まあ、それは有りですね・・・」
亮は美喜が信二に利用されていた事がとても
悔しかった。
「さて話は変わりますが、これから危ない連中が
絡んできそうなのでよろしくお願いします」
「任せて!命を懸けて守るわ。殿」
「殿はないない」
「じゃあ、亮様だね」
「亮で良いけど、ブリリアンスショーの
モデルやりませんか?」
「ブリリアンスショーってあの青山の?」
「はい、売り上げが落ちてうちが買収したんです。
それで社長を僕がやっていて売り上げを上げようと
思っているんです」
「それで元モデルの私にさせるつもり」
「はい、ポスターやカタログなら良いじゃないですか
一日で済むし」
「そうか、私をこき使うつもりね」
「いはいえ、純粋に売り上げを上げるつもりです」
亮は笑ってごまかした。
「でも、私が業界に戻ったら信二が
また出て来るかもしれない
そしたらブリリアンスショーに
迷惑がかかるでしょう」
「そうか・・・それが心配」
亮は信二の件を処理しなくてはならないと思っていた。
「さて、どうやって戻るつもりですか?」
亮は上を指さした。
「あっ、上がれない・・・殿、今夜は夜伽いたします」
美喜はふざけて両手を付けた。
「ところで玲奈さんは大丈夫なの?」
美喜の質問には玲奈の身の危険か裏切りか
両方の意味が有った
「はい、まだ心配です」
「そうよね、殿も彼女に一生懸命尽くさないと
また寝返るかも知れないわね」
「そうですね、ははは」
亮は美喜が行った事が図星だったので
思わず笑ってしまった
「さすがですね、美喜さんですね。
小学校の頃から洗脳していれば
人間の心がそう簡単に変わると思っていません」
亮は玲奈を完全に信用してはいなかった。
「彼女は今、拠り所を探しているの、
だから殿が守ってあげればいいのよ、
毎日やればぜったい裏切らないわ」
「毎日はしませんよ」
そう言うと美喜は亮の上に乗り
激しくキスをした。
「じゃあ、今日は私・・・」
~~~~~~
翌朝、直子、葉子、智子、玲奈、加奈と
朝早く部屋に戻った美喜が
ホテルのラウンジで朝食を
取っているところへ亮が来た
「おはよう」
「亮何処へ行っていたの?」
直子が聞くと亮は首を傾げた。
「夜?今朝?」
「両方よ」
「夜は自分の部屋にいましたよ。へへへ」
亮は屋島の事を隠すためにへんな
笑い方をするので
全員が驚いて顔を見合わせた
「じゃあ朝は?」
「はい、ゴルフの練習です。
初めてのコースだから素振りをしていました。
「え?」
みんなの手が止まり改めて葉子が聞いた
「本当に初めてなの?」
「はい90で回ろうと思っています」
亮はさわやかな笑顔で答えた
「無理よ、初めてなんだから」
葉子が笑っていうと亮はそれを無視したように言った
「では今日はみなさん頑張ってください」
「亮なんか、テンション高くない」
智子は亮の肩を叩いてバイキングの
食べ物を取りに行った
「そうかなあ」
七時半にゴルフ場に着くと
葉子は急いで受付の準備を始めた。
亮はゴルフバックを抱えてパターの練習を始めると
玲奈が話しかけた
「亮さん、調子はどう?」
「見てください」
亮がパットを打つと弧を描いて10m先の
カップにゴルフボールが入った
「凄い」
玲奈は亮の顔を見た。
「はい、グリーンの傾斜と方向と
摩擦係数を間違わければ入りますよ」
「そりゃそうだけど」
玲奈は余りに簡単に言ってのける
亮の事が不思議でたまらなかった
「亮さん、今日は機嫌がいいのね」
「そうですか?玲奈さんは團会長と一緒ですよね」
「はい。コーチができなくて残念だわ。
亮さんは美喜さんとね」
玲奈が美喜の姿を見ていた。
「私は写真担当で色々回ります」
加奈が自分の仕事が有って喜んでいた。
8時半に手続きを終えた12組の
参加者はインとアウトとにならんでいた
「亮はアウトの最終組だね」
亮に話しかけた美喜のゴルフウエア姿で
雑誌のようなポーズを取っている
格好が決まっているので
亮はドキッとした
「美喜さんかっこいいですね」
「うふふ、ありがとう」
亮は同じ組の男性二人に
挨拶をしていた
「松平と申します宜しくお願いします」
「よろしく、盛岡です」
「よろしく、佐々木です」
「幸田です」
亮の先の二人に続く一打目は大きく左に
曲がって林の中に入りOBになった
「あっ、曲がった」
「松平さん右手が強すぎです」
キャディの佐久間が小声で優しくアドバイスしてくれた
「ありがとうございます」
亮は何回か素振りをして
二球目の三打目を打つとフェアウはいのど真ん中に
ボールを落とした
「ナイスショット」
美喜は拍手をすると
綺麗なポーズでショットを打った
「ナイスショット」
佐々木と盛岡は拍手と大きな声
をあげた
「ありがとうございます」
美喜はそう言って歩き出した
「美喜さん上手いですね」
佐々木が美喜に隣を歩きながら話しかけた
「ありがとうございます、一応業界人でしたから」
「という事は、やはりモデルの幸田美喜さん」
「はい」
美喜はにっこりと微笑んだ
「業界人はゴルフをやるんですか」
盛岡が聞いた
「はい、タレントや俳優、雑誌社、TV局、広告代理店の
人はやる人が多いみたいですよ」
「なるほど」
美喜はクリークを持ち
自分の打ったボールのところへ行って
二打目を打った
亮がキャディのところへ行くと
4番アイアンを取って出した
「えっ?これでいいんですか?」
亮が聞くとキャディはうなずいた
「ありがとう」
亮は四打目を思い切り振り切ると
そのボールはまっすぐにピンに向って飛んで
グリーンに乗った。
「ナイスショット、松平さん」
キャディは大きな声で叫んだ
亮は大きな帽子をかぶった
キャディの顔改めて見ると
それは若い女性だった
「あれ?若いんですね」
「ジロジロ見ないでください、恥ずかしいわ」
「すみません」
「あのう、松平さん」
「はい?」
「頑張ってください、クラブは私が選びます」
「ありがとう」
亮はパターを受け取ってグリーンへ走り
亮は7メートルの距離のパットを一打で
カップに入れた
「惜しいですね、OBじゃなければ
バーディでしたね」
佐々木が亮に声をかけた
「まぐれです」
笑いながら佐々木に答えて一緒に歩き出し
盛岡と美喜が話しながら歩き出した
亮は次のホールも次のホールも
林の中にボールを入れてOBになった
ホールアウトする時の
亮のスコアは50だった
「松平さん、初めてのゴルフでは凄いスコアですよ
私の時は60でしたから、あはは」
盛岡は亮の肩を叩いた
「ありがとうございます」
「松平さん」
後ろからキャディの佐久間の
声が聞こえると亮が答えた。
「はい」
亮は振り返えると帽子を取った色黒の
可愛い感じの女性が
白い歯を見せて笑っていた
佐久間は亮のスイングの欠点など
細かい部分を教えてくれた
「ありがとうございます、詳しいですね」
「はい、今年プロテストを受けて
合否待ちです」
「すごい、プロゴルファーですね」
佐久間がうなずきながらメモを渡した。
「そうそう、フロントから」
亮はそれを見ると周りを見渡した。
「佐久間さん、ではまた後で」
そう言って亮は駐車場の方へ向った
駐車場の奥に止まっている
黒いワンボックスカーの前に付くと
昨日の二人組の男達が亮の前に来た




