女性の力
「えっ、亮と結ばれた日?」
直子は笑っていった
「うふふ、それは無いわ」
「違いますよ」
亮と美咲は慌てて否定した。
「さあ、話はテニスの後にしましょう」
「はい」
亮達がクラブハウスへ入るとそこへ
理恵と杏子が待っていた
「おはようございます」
亮が挨拶をすると理恵が亮に抱きついた
「あっ、大胆」
葉子がつぶやいた
亮は周りを見渡して気付いた。
「男は僕だけですか?」
亮は杏子に聞いた
「大丈夫です、テニスクラブの
人も参加しますから」
「よかった」
「紹介するわ、東京のテニス
仲間の赤沢真紀子さん」
「よろしくお願いします」
「赤沢です」
二人が挨拶をすると理恵が言った。
「赤沢さんはJPTAのコーチを
やっているんです」
「おお」
亮は久々に美咲と加奈以外で本気で打ち合える
女性と会って嬉しかった。
「ところで美喜さんはどれくらいの腕ですか?」
「私サービスとバックが得意です」
「ああ、なるほど。刀ね」
「むしろフォアが下手、うふふ」
「とにかく、お手並み拝見」
美喜のボールを追うスピードと
ボールのスピードは男並みに早かったが
ダブルスのコンビネーションは
慣れていなかった。
クラブの男性を交えてミックスダブルスで
亮たちはテニスを楽しんだ。
昼食をはさみ3時過ぎテニスが終わると
美也子から亮の元に電話があった。
「今、軽井沢グリーンホテルに着いたわ」
「お疲れ様です。僕達は軽井沢テニスクラブの
ラウンジに居ますけど」
「絵里子ママがお話があるので会いたいそうです」
「わかりましたすぐに行きます」
「いいえ。私達がそちらへ行きます」
「はい、お持ちしています」
10分ほどするほどシルバーのベンツが
テニスクラブの駐車場に入ってくるのが
ラウンジから見えた
ゴージャスな絵里子と美也子の二人が
ラウンジに来ると周りの男性の目を引いた
「こんにちは」
絵里子と美也子は女性達を見て挨拶をした
「どうぞ」
亮は隣の席に絵里子と美也子を案内した。
「凄いわね美女軍団」
「えっ?」
亮が振り返って
直子、智子、葉子、玲奈、美喜、美咲
それに理恵と母親の杏子の笑顔を見て言った。
「確かに」
亮はあらためて自分が美しい彼女達に
囲まれて居ることにうれしく思った
「紹介します」
そう言って美咲を呼んで紹介した
「原美咲さんです」
「原です」
「こちらがクラブ蝶のママ、黒崎絵里子さんです」
「私の上司もけっこう行っているかも知れません」
美咲が微笑んだ。
「会社はどちらですか?」
「警察庁です」
「い、居ますよ。何人か警察関係」
美也子が体を乗り出した
「皆さん仕事、身分は隠していますけど
すぐにわかってしまいます。態度で」
「そうですよね、彼らは高圧的ですから」
原は笑いながら話をした
「早速ですが」
亮は絵里子と美也子に一文字が
秘書を使い情報を取って株式で儲けたり
女性の体にICチップを埋め込んで
操っている事を話した。
「ICチップを埋め込むのは傷害罪と
医師法違反で捕まえる事ができるわ」
美咲が玲菜の顔を見た。
絵里子がニコニコ笑って亮に聞いた。
「亮、あなたがこの戦いで勝ったら
私達の神輿に乗ってくれる?」
「神輿ですか」
「どうして?天下取れるわよ」
「では、やりたいようにやっていいですか?」
亮は絵里子に聞いた。
「もちろん、束縛はしないわ」
「わかりました」
「それで私達どうすればいいのかしら?」
亮は六人のヤマト美容専門学校の
理事の名前を出した。
「この男達は一文字に買収されジュディを追い出し
上原を理事長にしたんです」
「はい」
「この男達をもう一度裏切らせたいと思います」
亮は周りを見渡した。
「わかったわ、この男達が夜
何をしているか調べればいいのね」
「はい今、森さんがこの男達の情報を取っています」
「警察の方でもこの男達を調べるわ」
原がリストを見ると美咲は太田正義の名を指差した
「あっ、こいつ」
「どうしたんですか?」
「ちょっと不動産売買の件で検察が動いているわ」
「では太田正義は美咲さんに任せます」
「OK」
「すみません」
加奈が手を上げた。
「どうして女性ばかりなんですか?
ここにいる人達」
「説明すると長いのですが、加奈さん女性と
男性どちらが優秀だと思いますか?」
「男性ですか?」
加奈は恐る恐る答えた。
「それは昔、戦争や暴力など
力で社会を形成してきた時代の
話です。今やすべての力仕事は機械が行い戦争は
武器を使って殴り合いはしません。
ミサイルはボタン一つで何キロ、
何百キロの敵を狙い
外れる事が有りません。
戦争も男性だけの物じゃない。
むしろ女性の方が戦争をしないでしょう
会社の経営も昔の名残、
日本は遅れていて取締役は
先進国では最低ですけど
他の国では経営陣に
多くの女性が参画しています。
ヨーロッパでは女性議員は
40%を超えています」
「そうですね」
加奈は納得した。
「女性は成長が早く脳の発達も早い、
だから小学校の時は女性の方が成績が良い
成長した男性は思春期には
性欲で支配され集中力が落ちる
これはフロイト心理学で学びましたよね」
「はい」
「金と女と権力の欲望が男の弱さなんです。
本来人を育てるべき学校の理事でありながら
それを逸脱する行為は許せない。
この事件はここにいるみんなで解決しましょう」
「やるぞー、おー」
葉子が手を上げた。
「おー」
残りの女性たちも手を上げた。
「加奈ちゃんは良いよ。就活に影響するから」
葉子が加奈にウインクをした。
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その頃、六本木のストレート
ホールディングの会議室で
は20人の女達が集められていた
大きなテーブルに片側に12人座り、
その向かいに10人が座り
その中央に一文字が大きな椅子に座っていた。
その右隣には秘書の新村一恵が
左にはジャパンテレビの
アナウンサー四条美奈代が座っていた
「早速だが新村報告してもらおう」
「はい、四条美奈代さん
ジャパンテレビ営業部売り上げと
番組編成の計画書を入手しております」
「よし、これでジャパンテレビの
株価の変動を読める。
キャスティングでタレントの
動向も読める。四条良くやった」
「ありがとうございます」
四条は全員が拍手をする
中立ち上がって礼をした
「次に電広堂の七瀬初美さん、
営業部のスポンサー
年間広告予算を入手しました」
「おお、これで各企業の業績と販売計画が読める、
よくやったランクを3つ上げる」
「ありがとうございます」
七瀬は全員が拍手する中
立ち上がって挨拶をした
このランクとは会議に出席した
女達にコードナンバーが
付いており四条が1番で2番3番と
20までつけられている、
その貢献度によって一文字が儲けた
金額の一部を与えられる。
もし上場のインサイダー情報なら
その金額は数百万円に及ぶ
次々に結果が報告されている中
で屋島雅恵の順番が来た
一文字は屋島の方を向いて
きつい言い方をした。
「DUN製薬の買収を進めている中、
屋島と三島がDUN製薬に
入社して三島は会長に取り入って
明日からドイツへ
行く事になったにもかかわらず、
屋島は社長秘書で何の情報も取れなかった」
屋島は立って頭を下げたままだった
「他の連中は男と寝て情報を集めているんだ、
お前はプライドが高すぎる」
四条は自分行動をよく知っている一文字に感謝し
にっこり笑った
「はい」
「とにかく、なんとしても
成功させなくてはならない
屋島!とにかくどんな事をしても情報を取れ
それまではこの会議に出なくてもいいぞ」
屋島は無言でうなずいた
一文字はアメリカの製薬会社から
浸透型インシュリンの特許を持っている
DUN製薬の乗っ取りを任され
株の購入資金を借り入れており
失敗したらストレートホールディングの
株をすべて取られてしまうのだ
「ここで、私からの報告だが
先日ヤマト美容専門学校の
ジュディ山都の理事長の解任が決まり
一葉学園との統合を進め
美容学部を設立する予定だ」
そこで全員が拍手をした
会議が終わった後一文字は屋島に声をかけた
「おい、屋島」
「はい」
「今から葛西に行け」
「はい?」
「葛西の山口先生のところだ」
「はい」
葛西の山口とは広域暴力団とつながっている
大物総会屋だった




