屋島との接触
屋島は三島の移動はまだ聞いていなかった。
「今まで何をやっていたんだ」
「すみません」
屋島は謝るしか出来なかった
「お前の方が三島よりレベルも高かったはずだ。
普通の秘書ならお前じゃなくてもできるぞ。
みんな体を張ってやっているんだ」
「はい、すみません」
屋島のプライドがずたずたになって
玲奈に嫉妬を感じていた
「明日の会議で報告してもらうからな」
「わかりました」
~~~~~~
「ふう」
電話を終えた玲奈はため息をついた
「一文字、機嫌が良かったわ」
「そうですか、良かった」
亮は玲奈の手を握ると
その手に玲奈は額をつけた
「あっ一文字はどれ位慎重ですか?」
「どれくらいと言うと?」
「連絡方法とか」
「毎日二回定時報告をします。必ず通話で」
「あっ、そのスマフォは?」
「一文字から支給されています」
「まずいです」
「えっ?」
「GPSと通話記録を取っている
可能性があります」
「そうか」
玲奈は驚いて電源を切り投げ捨てた。
「すぐにもう一つのスマフォを契約しましょう」
「はい」
「それと今夜、報告通り團会長と食事をしてください」
「どうしてですか?」
「屋島さんはあなたの出世に今頃、
一文字に叱責されているはずです」
「はい」
玲奈は以前一文字の口汚い叱責を
受けたことを思い出していた。
「きっと、屋島さんは玲奈さんに
敵意を持ってきますので
会長との関係を調べるはずです」
「はい」
玲奈は同じ女として醜い嫉妬を
持つ事を悲しく思っていた
「大丈夫ですよ、いつか屋島さんもわかってくれます」
「ありがとうございます」
「じゃあ、今夜会長と銀遊亭で食事をしてください」
「はい、でも・・・」
「大丈夫です、僕も一緒に行きます」
「よかった」
亮は秀樹に電話をして銀遊亭に呼び出した
「なんだ、今日例のコンドームを
試そうと思っていたのに」
「裏口から出ればいいじゃないですか?」
「そうかわかった」
亮が電話を切ると
首をかしげながら独り言を言った
「お父さん、誰とやるつもりなんだろう」
そこに、玲奈の電話が鳴った。
「はい」
「お前、会長の秘書に成り上がったそうだな
たいしたものだよ」
今井は怒ったように言った
「そう言われても会社の命令ですから」
「今度は会長とよろしくやるつもりだな」
「そんな事はありません」
「じゃあ今度はいつ会える」
今度は泣きつくように言った
「しばらくは無理です」
「頼むもう一度会ってくれ、玲奈お前が
いないとだめなんだ」
「そう言われても・・・」
玲奈は困り果てていた
「わかった、俺は捨てられたわけだ」
今井はそう言って電話を切った
「どうしましょう、今井部長怒っています」
「困りましたね、子供みたいに」
「亮さん私、情報を取るために
一度だけ関係を持ちましたけど」
「えっ?一度だけなんですか?」
亮は今井が夢中になるのはもっと多いと思っていた
「はい、すみません」
玲奈は恥ずかしそうにうつむいた
「あまり仕事を忘れて玲奈さんに迫るようでしたら
父に判断してもらうしかありませんね」
「はい」
「さて、会社に戻りますか?」
「はい」
亮達が会社に戻ると
玲奈の膣に埋め込まれていた
ICチップを調べるために亮は社内の研究室
に入り玲奈は会長室へ入り中村と再び
打ち合わせに入った
そして、6時過ぎに團秀樹と三島玲奈は
社用車で銀座の銀遊亭に向った
それを屋島が後をつけてタクシーに乗り込んだ
「亮、やはりお前が言った通りだな」
会社の前に車を止めていた森が
亮を乗せて車を走らせた。
「はい、とりあえず銀遊亭までつけて終わりだと
思いますが、その後をお願いします」
「わかった」
案の定、屋島は銀遊亭の前で
秀樹と玲奈が降りるのを見届け
銀座4丁目交差点へ向って歩き出した
「森さんすみません、僕が声をかけてみます」
「ん?何か作戦があるのか?」
「いえ、別に」
亮は森の車を降りると
屋島に声をかけた
「屋島さん!」
亮が声をかけると
紺のコートにブランドバックを持った
品のある感じのする屋島はゆっくり振り返った
「あ、松平係長」
「屋島さんお買い物ですか?」
「えっ?まあ」
「お茶でもいかがですか?」
今までの屋島ならすぐに断っていたが
一文字に屈辱的な事を言われていて
何か情報が欲しかった屋島は
亮の誘いを受ける事にして
二人は近くのフルーツパーラー入いった
「先日は素敵な課会があったそうですね、
うらやましいわ」
「はい、社長秘書の屋島さんは恐れ多くて
お誘いできませんでした」
「あら、誘っていただければよかったのにあの
ローラン・ギャロスでなんてうらやましいわ」
「課会の後のワイン会は團会長もみえたんですよ」
何も聞いていない屋島はそれを聞いて驚いた
「えっ?その時三島さんいました?」
「はい」
「そうですか?」
屋島は玲奈がその時に團秀樹に取り入ったと確信した。
しかし、署の情報を一切知らされていない事に
屋島は一文字に不信感を抱いた
「そういえば、以前松平さんの履歴書を
拝見したのですが、東大薬学部ですよね」
「はい」
「どうして営業をなさっているのですか?」
「ああ、良い薬を病院に営業をしてみたかったんです。
会社の利益に関してはもう一つの
大学で学んだものですから」
「もう一つ?」
屋島はそれも知らなかった
「はい」
「もう一つは履歴書に書いていないようですが」
「はい、書かなくても入社できましたから」
「そうですね東大薬学部なら、もう一つは?」
「ハーバード大学で経営学MBAを取得しました」
屋島は一文字比べ簡単に言ってのける亮を
信じられなかった。
「本当ですか?」
「あはは、今度卒業証書もって来ます」
屋島は流暢な英語で答え
身長180cm、端正な顔立ち
高学歴どこか育ちの良さそうな
雰囲気をかもしだす亮に
心が揺らいだ
「素敵です、高学歴を表に出さない人」
「学歴は会社にとっては基準でしかありません、
いい大学を出たからと言ってふんぞり返ったら
会社はつぶれてしまいます、
一人で会社は動かせませんからね」
「その通りですね」
「人を命令だけで動かしていたら、
いつか組織は崩壊してしまいます」
屋島は一文字の横柄な態度を思い浮かべていた
「屋島さん学校は?」
「一葉学園です」
「あっ、三島さんも一葉ですよね」
「そうです」
「仲がいいんでしょうね」
「いいえ、この会社に来てから知り合ったので」
「そうですか」
亮は一文字が彼女達を互いに競わせて、
横のつながり無いようにして離反を防いでいるのが
判り屋島が気の毒に思えた。
「屋島さん、素敵ですね」
「えっ、ありがとうございます」
男性と付き合った経験の無い屋島は
とても嬉しかった
「屋島さん、ここだけの話ですが今度会長が
ドイツのザクソン社と販売契約は
浸透インスリンなんですが、
その帰りにフランスの製薬会社とも
契約の話をする予定なんです」
「えっ?どうして知っているんですか」
「僕が説明書のフランス語翻訳をしたんですよ」
「そうなんですか、私フランス語得意なんです」
「じゃあ契約のときは屋島さんが同行ですね」
「はい」
屋島は嬉しそうな顔をしていた。
「屋島さん、今日は今から友人と
飲む約束があるのでだめ
なんですけど、今度食事しませんか?」
「はい、ありがとうございます」
「では、ローラン・ギャロス予約しておきます」
「はい」
亮と屋島は電話とメールアドレスを
交換して別れた。
そこへ秀樹から電話があった
「おい、いつ来るんだよ」
「すみません後5分でつきます」
「目の前に美人がいて
ムラムラしているんだ早く来い」
「はい」
亮が走って銀遊亭に着くと
秀樹と玲奈と智子がいた
「あっ、智子さん」
「お疲れ様」
「どうしたんですか?智子さん」
「さっき森さんから電話があって
会長たちと一緒に食事をしろって」




