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課会

「あはは、分かりました」

「でも。高かったんじゃない?これだけのワイン」

「ですよね・・・」

「姉さん、ロマネは取っておいてください」

「そう、やはりね、1本300万円以上だものね、

ローラン・ギャロスのカーヴで大事に預かっておく

そうよ」

「お願いします」


~~~~~~

亮はデビッドに電話をした。

「デビッド、ワインが着きました。ありがとうございます」

「喜んでもらえたか?」

「もちろんですけど・・・普段飲みにはちょっと

 高級すぎます」

「まあ、美味いワインを楽しんでくれ」

「はい」

「落ち着いたら早くアメリカに戻ってこいよ

 山のように相談がある」

「もちろんです、なるべく早く」


~~~~~~

6時半にはレストランローラン・ギャロスには20人の

社員が集まり、販売企画課の鈴木萌奈、保坂奈緒美、

田端清子、千成茂吉、日村もやって来た。

「ずいぶん早いですね。皆さん」

亮が呟いた。


ローラン・ギャロスの中では

バイキング用にチューフィンチングディッシュ、

大皿が並んでいてとても豪華だった。

そしてワインはデビッドから送られてきたカルフォルニアワイン

を出しステーキはオーダーを受けてからキッチンで焼いて

出す事になっていた。


「素敵だわ、いつも予約でいっぱいのレストランを貸切るなんて」

智子が黒いドレスに着替えて優越感でいっぱいだった。

「智子さん似合いますよ。そのドレス」

「ありがとう」

「でも、課会をここでやったの、まずかったかな」

「うん、他の課の課長がひがんでいるでしょうね

課会と言っても係長が集めたんだから」


「どうしよう・・・」

亮はまた敵を作ったのではないかと心配していた。

「いいじゃない、ほらみんな集まったようよ。挨拶、挨拶」

亮はおどおどしながらテーブルの前の中央に立った

「はい、今日は皆さんお集まりありがとうございます」

女性社員が目を輝かせ、男子社員は羨望の眼差しで亮を見ていた


「我が課の皆さんの日ごろの努力で売り上げが順調・・・・うーん」

亮は言葉につまり

「日頃のみなさんの活躍に感謝して

慰労の意味で課会を行いました。ぜひローラン・ギャロス

料理を堪能してください」

手元のシャンペングラスを持って

亮は「かんぱい!」と言って手を上げた

全員がグラスを持ち上げて「乾杯」と言った


「ふー、それと8時からこの場所でパーティがありますので

時間まで楽しんでいってください」

参加者は料理をプレートに盛ると写真を撮って

SNSアップしていった。


そこに女性達が亮のいるテーブルに近づいてきた

「係長この後何のパーティなんですか?」

「ワインの飲み会かな?」

「ワインですか?」

「うん、美味しい高級ワインです」

「私達も参加できますか?」


「・・・はい、楽しんでください」

「本当ですか?ありがとうございます」

そこに智子が亮の所へ来た。

「亮、三島さん大橋さんと話をしているわ」

「三島さんも大橋さんも僕たちの方へこないですね」

「大橋君プライドが高いので

来れないのよ、連れて来るわ」


「いや僕が行きましょう・・・」

亮は三歩歩いて躊躇してUターンして戻った。

「やはり、智子さんお願いします。あはは」

「うふふ」

智子は亮の顔を見て三島のほうへ行って

しばらく話をして三島を連れて来た

「こんばんは、三島さん」

亮は頭を下げた


「松平係長、豪華な料理ですね。美味しいです」

「はい」

「あの、ここは何か月前から予約を?」

「はい、どうしてですか?」

「予約を取るのが大変と聞いていたので」

「あ、ああ。はいずいぶん前に」

亮の経歴と言っても学歴しか知らない


三島はこの馬鹿高いローラン・ギャロスの

飲食代を亮が払う事を疑問に持っていた

「ここお高いでしょう」

三島は英語で聞いた

「はい、まあ」

亮は日本語で答えると

「本当に会費無しでいいのかしら?」

三島はフランス語で聞くと

「はい、僕のおごりです」

亮は日本語で答えた。

三島は亮を試しても良く判らないでいると

「ワインはお好きですか?」

亮はドイツ語で聞いた

「はい好きです」

「ちょっと待ってください」


亮はキッチンの前でソムリエの立川を呼び

ワインを持って入ってきた

「みんなに内緒ですよ」

「わっ、シャトー・ラ・トゥール」

「さあ、飲みましょう」

亮はソムリエナイフを使っててきぱきと

使いコルクを抜いてグラスに注いだ

三島はグラスを手に持って

クルクルと回しスワーリングして

ワインの香りを引き出して

香りを嗅いだ

「いい香り」

「どうぞ」

「あっ、ちょっと失礼します」


三島は席をはずし

2、3分ほどで戻ってきて

その顔は口紅を落としていた

亮はそのマナーを知っている

三島に驚いていた

「すみません、いただきます」

三島は口にワインを入れコロコロと転がし

味わって微笑んだ。


「美味しい」

「本当ですか?」

亮が笑うと亮が顔をしかめた。

「はい、ちょっと角がまだ」

三島は微笑んだ

「さすがですね。三島さん」

亮は三島の優秀さに驚き

三島がスパイならかなりの情報を

取られているだろうと思った


「いいえ」

亮はワインをグラスに注ぎ

席をはずしソムリエの立川を呼んだ

「立川さん」

「はい」

「今日届いたラ・トゥールですが」

立川はテースティングをするとすぐに答えた。


「開くのに時間がかかりそうですね」

「はい」

「分かりました、開けておきます」

「お願いします」

亮はにっこりと笑った


立川は亮の立ち振る舞いが27歳に見えない

落ち着きを放っている事に驚きを隠せなかった。

「立川さんには4大シャトー各1本ずつ差し上げます」

「えっ、本当ですか?」

立川は満面の笑みを浮かべた。


「はい、ロマネ以外ですけど。あはは」

亮が席に戻ると智子と三島が話をして待っていた

「失礼しました三島さん、

ワインを開けるように頼んでおきました。

デキャンティングは必要ないと思いますので

少し時間をください」


「はい、楽しみです」

「はい」

亮はそう言って周りを見渡した。

「三島さん僕は課会は初めてなので

どうしていいのか分からないんです」

亮は三島に話をした。


「しばらく放っておいた方がいいんじゃないですか。

みんな楽しんでいるようですし」

「そうですか、学生時代から人の集まるところが苦手なもので」

「係長、今お付き合いしている方は?」


「もちろんいますよ。アメリカ人ですけど」

今までの男性はたとえ、付き合っている女性が居たとしても、

三島の前では下心があるので、

居ないと言うか夫婦が上手くいっていないと言うのが

常だったからであったからである。


「三島さんは?あっセクハラかな?」

「居ませんよ」

「ああ、そうですか。早く見つかると良いですね」

亮がそっけなく返事をすると

隣に居た智子が亮の足を蹴飛ばした

「私、他のテーブルへ行って来ます」

智子が合図を送って行った。


三島は智子が席を離れるとすぐに聞いた。

「係長は大原さんとお付き合いしているんじゃ?」

「いいえ、僕が入社したときからの仲間で、

一緒に営業を歩いてくれたんです。

いいパートナーです」

「大原さん素敵ですよね」

「はい、素敵です。幸せになってもらいたいです」

亮は智子の行き先を目で追った


すると智子の周りに経理担当の梶原たちが近づいてきた

「ねえ、大原さん。松平係長のところへ行っていいのかしら?」

「はい、もちろんよ。課会なんだから」

「そう、係長って何か近寄りがたくて。ね」

周りの女性に同意を求めるとみんながうなずいた


「みんなでいってらっしゃいよ、寂しがっていたわよ」

「はい」

梶原を含めた三人はバイキングの料理を取りに行った


「そうだ、三島さんこの後のパーティで紹介する人

がいますので名刺用意しておいてください」

「はい」

そこへ梶原たちが食べ物をプレートに乗せて

やって来ると

三島はその席を離れて大橋のいるテーブルへ行った


「係長、付き合っている人いるんですか?」

梶原が聞いた。

「日本人ではありませんよ」

亮はジェニファーの写真を見せた。

「きゃー、美人!」

「それに足長!」

「巨乳!」


「身長が173cmありますから」

平均身長158cmの日本人女性から見れば

173cmはテロリストやゾンビと戦える身長だ。

「遠恋ですか?」

「日本に戻って1度も連絡していないんです」

「えっ、どうして?」

「最初は忙しかっただけですけど、時間が経つに従って

連絡するのが怖い!」

「あはは・・・」

三人は亮のおびえる顔が可笑しかった。


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