飲食店
「そうか。実は例の件情報が漏れていたようで
それなら、君に動いてもらったほうが良いかと
思ってな」
「はい、ありがとうございます」
亮は怪訝な顔をして聞いた。
「ところで、情報の漏れと言うと」
「ああ、買収しようとしていた会社の株が
誰か急に買い始めて、TOBをせざるおえなかった」
「そうですか。その株を買っている
相手がわかりましたか?」
「いや、だがそろそろわかるだろう」
「うちも危ないかな」
「そうだ、DUN製薬さんも株が上がっているな」
「はい、社長の会社もうちの会社の株をお持ちですよね」
「ああ、うちは機関投資家だから他に売らんからな」
「はい、問題は情報が漏れたということですね」
「ああ、社員のモラルがなくなっているか。
産業スパイがもぐりこんでいるとしか考えられん」
「産業スパイか」
「どうだ、こっちで一緒に飲むか?」
「いいえ、ちょっと」
「うん、わかった。そうだ理恵が宝石をもらったと言って
喜んでいたぞ、ありがとう。それと杏子が仕事に
誘われたとか言っていた」
「はい、冷凍食品を作ろうと思っています」
「冷凍食品か。大手食品会社が
躍起になって開発しているが
勝てそうか?」
「もちろんです。その冷凍食品を
例のスナックで売ります」
「ほんとうか?」
「はい」
「じゃあ、頼む」
内村は頭を下げた
「いいえ、こちらこそ」
亮は席を立って挨拶をした
森のいる席に戻ると森が聞いた。
「一緒に居たのは、誰だ?」
「五島物産の内村社長です」
森の質問に淳子が答えた
「おお」
「松平さんと内村社長親しいんですね」
雅美が言って亮が笑うと淳子は
うれしそうに亮の手を握ぎった。
「あはは」
亮は森に目で合図を送るとそれを察した森は
淳子に話かけた。
「淳子ちゃん昼間は何の仕事しているのかな?」
「OLです、派遣の」
「そうか、美人だから秘書かな?」
「わかりますか」
「うん。雅美ちゃんも?」
「私は営業の仕事です」
「そうか、そうか」
「お客さまのお仕事は?」
雅美が聞くと森は以前と
違った立場で堂々と答えた。
「リサーチ会社を経営している」
「私は営業をしているので興味あるわ。
どんなリサーチ?」
「何でもリサーチするよ」
「すごい」
雅美は笑った。
「森さん、僕は帰ります」
亮は森の耳元で囁いた
「これからだぞ」
「はい、わかっています。
ですから僕は先に」
「わかった」
「ここの代金は気にしないでゆっくりと飲んでください」
「うん」
亮は美也子の方を向いて声を掛けた。
「では、帰りますね」
「もう帰るの?」
「はい」
「今週会える?」
「はい、後はお願いします」
「任せて」
亮は内村に挨拶をしに
行くと誰かと話をしていた。
亮が渋谷着くとハチ公前で智子が待っていた
「ただいま」
「お帰り亮」
「食事しましょうか?何が良いですか?」
「任せます」
亮はセンター街のパスタ店に行った。
「パスタ屋さんって多いよね」
「うん、女性が好きですから
マーケットがあるんですよ
「単価も安いし」
「そうか、だから亮の会社が
パスタ屋さんをやらないの?」
「はい、フランス料理、中華料理、
和食、焼き肉に比べれば
安いイタリアンが有るので難しいいですね」
「そうですね、パスタ400円で食べられますよね」
「はい」
「亮と話をしていると面白いわ」
「はい、早速だけど打ち合わせしましょう」
「はい」
「琴乃さんが売っているのがダイエットと
リラクゼーション用のアロマ漢方ですけど、
今度はフェロモンが出て肌がきれいになる
アロマ漢方を作ろうと思っています」
「あ素敵、本当に作れるの?」
「はい、ご先祖様の文献によると大奥の
お局様がお香として焚いたそうです」
「すごい、直ちゃんお店も使えるじゃない」
「はい、そのつもりです」
亮は淡々と答えた
「ありがとう」
「それとマテリアの3店舗で
使えば他の同業他社との
差別化できますから」
「うん」
アイパッドを開き本草網目の目次を調べた。
「これがレシピです」
「レシピって?料理じゃない」
「元々は薬の製法をレシピと言うんです」
「そうなの、その本草網目と言うのは?」
「これは中国の漢方の辞典です」
「じゃあ、本草網目を見れば漢方薬が出来るわけ?」
「いや、本草網目はあくまでマテリアルです、
その製法は古文書に書いてあります。それと陳先生が
書いていたレシピもあります」
「その古文書やレシピの他にも書いてあるの?」
「はい、胸が大きくなる物や女性の感度が
良くなるものをありますね」
「じゃあそれも作りましょう」
智子はニコニコと笑った
「あはは、わかりました」
亮と智子はコーヒーを飲みながら話をした。
~~~~~~~
朝、亮のスマートフォンが鳴ると
電話の向こうから森の声が聞こえた
「おはよう」
「あ、おはようございます」
「早速、あの娘の淳子に早苗が付いたからな」
「あっ、お疲れ様です」
「あの後、美也子さんが二人を誘ってくれて
四人で寿司を食ったんだ」
「そうですか」
「それに美也子さんが寿司代も払ってくれた」
「わかりました。こちらで処理します。ではお願いします」
「おお、任せてくれ」
亮が直子の丸ノ内の治療院を10時に開くと
すでに客が待っていた
「直子さん凄い人気ですね」
「うふふ、先生がいいから」
「先生って?」
亮は直子を追いかけて聞いた
「亮でしょう」
「そうか、良かった」
亮は志村先生のことが気になっていたので
直子の言葉にほっとした。
亮は午前中の治療を終えると
ジュディからメールが来ていた
「至急連絡をください」
~~~~~
数時間前、汐溜のジュディのところへ
理事の上原から緊急理事会を開きたいと言う申し出で
その言葉にジュディは驚き父親の雅彦に連絡をした
「どうした?」
「上原さんが理事会を開きたいて言っています」
「どうした?急に」
「私も良くわからないんですけど」
「うん、学校の業績は落ち込んでいない」
「はい、去年のマテリアファッションショーのおかげで
今年の入学希望者は増えています」
「うん」
「ただ、マテリアの名古屋店の
運営がうまくいっていないだけで」
「それは学校運営と関係ない」
「はい」
ジュディはそれでも落ち着かなかった
上原武志と言う男は学校法人ヤマト設立時に
多額の資金援助を行った上原総一郎の孫で
中堅建設会社上原建設の3代目社長であり
ヤマトビューティ株式会社の大株主でもあるのだった。
「どうしました?」
ジュディは亮の電話を受けてホッとした
「良かった連絡が取れて」
「あっ、すみません。治療をしていたので」
「ううん、電話をくれただけでもうれしい」
「いいえ」
「話があるの」
「今日はそっちへ行けない、夜は用があるし」
「今どこにいるの?」
「丸の内、直子さんの店」
「じゃあそっちへ行くわ」
「はい」
その頃、一文字の六本木のオフィイスでは
会議が行われていた、そこで磯村常務が
立ち上がった
「予定通りプレステージ計画がスタートしました。
来週中にはヤマトの理事会が開かれる予定です」
一文字はうなずいた。
「上原さんの他の理事は?」
「はい、現在10名のうち5名と話が付いています。
他に評議委員10名と話をしています」
「よし、もう少しだな」
「はい、お任せください」
~~~~~~
亮に電話があってから1時間ほどで
ジュディは直子の店にやってきた
「お久しぶりです」
ジュディが直子に挨拶をした
「こんにちは」
「繁盛していていいですね」
「うふふ」
ジュディは治療をしていくことにし
ジュディは治療用のベッドに横になった
「相変わらず背中が凝っていますね」
「うん」
「それで、どうしました?」
「あの、来週緊急理事会要請が来たの」




