プロローグ
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地球に魔物が現れて10年。
人々には能力が与えられたが、そのことごとくが無惨に散っていった。チートを持つ物が現れるわけでもなく、強力な魔物が人類の味方になることもなかった。当然、人類は滅び、地球上には、強力な魔物と人類が残した有象無象の建造物が並ぶだけであった。
現れた魔物は、何を思って地球に現れたのだろうか。それは神様にしか分から無いことだろう。
地球に現れた魔物たちは、進化し高度な知恵をもち。国家を形成していた。意思を持つ物は群れを形成し争う。このことは人類がいた頃と何も変わりは無かった。
ところが、様々な国家が立ち並ぶ中、すこしおかしな国家があった。
魔物が支配しないが人間が支配しているわけでもない。そこには正真正銘の動物の国があった。
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「犬王ポチ・エレンフィード様がいらっしゃったぞ!!!!」
部屋に入ってきた俺を前にして、様々な犬種の犬たちがひざまずいている。俺は、その光景に満足感を覚えながらあたりを見回した。なぜなら、自分がこの10年で積み重ねた物が、そこに現れている気がしたからだ。
今、この地球上に人類は残ってないかもしれないが、人類がいた頃の生き物は、すべて滅んだわけではなかった。
犬である。
俺は、10年前までは、一般の家庭で飼われていた犬であった。名前はポチである。少々、安直過ぎやしないだろうか。まあ、今ではかっこいい名前ランキングをしたら一位になるだろう。それぐらいのことはしてきた。
魔物を食い殺し、仲間の犬を束ね、他の動物たちを仲間に引き入れる。思い返すと、我ながら大変な思いをした。周りの犬たちからの視線を感じ、応える。
「さて、昔話でもしようかな」
これは、一匹の犬が犬の王となるまでの物語。