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八話、霧はジワリジワリと這い寄り潜むことを平凡な高校生はまだ知らない。

◆◇◆

 言われるがままに着いていった先には一つの教会があった。



「あ! リリカねえ! おかえr男連れだああああああああああ!!」


「なんだとぉ!?」「短パンニーソだ! 者共、短パンニーソを持て!!」



 教会の敷地に入るソラとリリカ、彼らを迎えたのは子供たちの声だった。すぐさま二人を囲み、ワイワイと擬音を放っている。



「ちょ、み、みんな!? フードが取れちゃ、わっ!」



 バサッ、わちゃわちゃしてフードから顔がチラリと見えた拍子にタイミングよく風が舞いそのフードを引っぺがした。運命操作による現象は完璧だった。



「(……金色の髪に、尖った耳?)」


「!」



 ソラはリリカの耳が人間のソレとは異なるものだと気付いた。その視線を感じ取ったのかリリカは即座にフードを被る。



「……見て、しまいましたか?」


「ええ、見ました。ですが望むならば忘れますよ」



 ソラは爽やかで、けれども柔らかな声でそう告げる。



「……お願いします」


「はい、忘れます」



 ソラはニッコリ、と擬音の付きそうな完璧スマイルを浮かべる。


 それは普段の彼を知っているととんでもなく違和感塗れの様子だが、普段の空を知っている人間はこの場にいなかった。



「すごぉい……なんか、キュンってきた」


「わたしもー」


「いけめーん! 短パンニーソ履く?」



 孤児院の子供に一瞬で気に入られたソラはそのまま教会の中に進んでいく。


 そして教会の一室、質素ながらもどこか女性らしさを感じさせる部屋に入る。リリカが傍に椅子を用意する、どうやらそこが目的地らしいとソラは察する。



「それでリリカさん、依頼とはどのようなモノでしょうか?」


「ええと……その、ヤマナミ、さん?」



 椅子を借りてにこやかな笑みを浮かべると、流石にリリカは固まる。



「はい、どうかしましたか」


「…………」



 リリカはジト目を向ける。それを受けてソラは意味が分からず首を傾げる。



「……リリカさん?」


「違和感が、ありませんか?」


「はい?」



 リリカは立ち上がりソラに対して人差し指を向ける。行儀が悪いがそれほどまでにリリカには衝撃だったのだろう。



「態度が、なんか……妙……? に感じてしまうのは私の気のせい、でしょうか」


「それは緊張もしているからでしょう。女性を前にするとどうしても緊張してしまうモノです――――綺麗な女性が相手ならば尚更に」



 ニコリ、と笑い掛けるとリリカは頬を紅潮させて何処か恐縮したように椅子に座りなおす。



「なので態度がおかしいと感じるのはそのせいだと認識して頂ければ幸いです」


「…………」



 リリカは何処か呆けた様子で俺を見る。



「……リリカさん?」


「……ひゃ、ひゃいっ」



 そして両手をぐーにして膝の上に直立させる――――目に見えて緊張していた。



「し、紳士的に口説くんですね……」


「はい?」


「ななな、なんでもないでしゅ!」



 慌てること数分、リリカが落ち着いたところでようやく本題に入ろうとする。



「まずは改めて自己紹介させてください……私はリリカ・アルバです。もう気付かれちゃいましたが色々と事情があり、この孤児院で育ちました。こっちは相棒の二ホンカワウソです」


「二ホンカワウソッ」(渾身の鳴き声)



 二ホンカワウソは二ホンカワウソって鳴かねえよ。



「ご丁寧にどうもありがとうございます。()はソラ・ヤマナミ。身分は新人冒険者、ということになります」



 訓練場での自己紹介は彼女にとって目立たないようにするためのものであったため、情報量は最低限だった。それを挽回したいのだろうという意思が窺えた。



「依頼というのは……その、この孤児院を、守ってほしいんです」


「はい、守る……というのを護衛を解釈して期間と報酬はどの程度でしょうか」


「……それは」



 口淀むリリカ。余りにも分かり易い反応に対してソラは数秒ほど待っている。



「…………」


「それは、ですね……」



 けれども返答を得られない。それに対してソラはここでは依頼から手を引くことが正解である、と認識する。だが。



「……この孤児院に寝泊まりは可能ですか? 護衛する時間によってはそれでも十分代用できます」



              【成長ノ導】を発動します。

  【成長ノ導】を発動します。

        【成長ノ導】を発動します。



「そ、それをお願いします!」


「了解しました、冒険者ギルドで正式な契約書を作成したいのですがそれは可能ですか?」


「い、いえ……それはやめてほしい、です」


「…………」



 どうもできないらしい。と悟りソラはまた助け舟を出す。



【成長ノ導】をヲをヲをシル長ノ【発動シ発動します。【成長ノ導】を発動します。

【成導発動マすシね。

  シね【成長ノ導】を発動します。」



「出来ないのであれば構いませんよ」


「あ、ありがとうございます!」


「いえいえ」(ニッコリ)



 【成長ノ導】を発動します。【成長ノ導ヲ発動シマス。

セイチョウノ導シルシルッシルベ標し【成長ノ導】を発動死シシシシシンgfメdbfvhdjsc:x。



「あ、お、お茶入れてきますね!」


「おや、それはありがたい」



 ゴミ 部屋を出た。 殺せ、追いかけて殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ。



黙れ(・・)



 ――――



「あの子は幼い。困った際の反応、浅すぎる計画性、そこから中身も子供のソレと大差ないと判断。そこから学べるものは幼子の精神構造、または思考回路。そしてその知識は間違いなく俺の成長に繋がる。

 俺の能力だというならその程度の成長はしろ、出来ないならこの場で斬り殺すぞ」


 ……………………【成長ノ導】の発動を中断します。


「俺の内臓をミキサーにかける(・・・・・・・)前にまずは質問しろ。返答ぐらいはしてやる、加えてミスがあればミンチを受け入れる程度の度量はあると自負している――――次、舐めた真似をしてみろ、その時は俺の力であろうが成長の邪魔をするならば殺す」


 …………【成長ノ導】の提案。


 【念話Lv10】を会得しますか?


 ソラは【はい】を選んだ。


『命令を受諾。精霊装:成長ノ導

 これより自我の取得に挑戦します』


「……! 自我の、取得に挑戦……!?」



 ソラは己の能力が前代未聞すぎる自我の取得を行おうとしていた。


 それは正直言ってこの世界で初の事例なのだがソラには知らない。だがこれだけは分かった。


 ――――コイツ、成長しようとしている……!



「素晴らしすぎる……!」



 下半身にテントが構築される。その下品すぎる癖にソラは自覚があるものの、それは彼の成長という概念に対する想いのイカれ具合を表していた。

◆◇◆

 ゆらり ゆらりと 白き乙女は霧と共に訪れる。


 こつ、こつと歩を進める度に霧は溢れてその深さを増していく。


「……不快、不快なの」



 僅か数分で街の一区画を霧の海に飲み込む。最早一寸先すら見えない状況だ。


 しかし、それに加えてこの光景には明らかに異質な点が浮かんでいた。それは。



「ホーンラビットの串焼きいっちょ上がり!」


「治癒請け負ってまーす、一回銀貨一枚です。無理ならこの貧乏お姉さんに宿代を恵んでけれー」


「短パンニーソだ! 短パンニーソ商店開店です!!」「なんだって!?」「100短パンニーソだ! 今すぐ寄越せ!」「短パンニーソ、嗚呼、短パンニーソ」



 誰も霧を気にしていない、ということ。いいやそれどころか誰もこの霧の存在に気付けてすらいない(・・・・・・・)



「…………ここなの」



 ゴシックドレスを身に纏った少女、ルノは王都にてとある人間を探していた。その人物の情報があるであろう場所――――ギルドの門を潜る。



 冒険者が使う門は彼女にとっては恐ろしく大きいため、明らかに場違いな場所にやってきた幼女にしか見えない。ゆえにそれを見た冒険者は絡む、が。



「おいおい、嬢ちゃんここは嬢ちゃんみたい、な」


「…………」



 ルノは冒険者の脳天に人差し指を押し向ける。瞬間、冒険者の瞳が虚ろなモノになる。そのまま、膝を付いて廃人のように腕を肩から垂らす。



「王都近辺に出没していたCシリーズ……狼の形状をした魔物を破壊した奴に関する情報の開示しろなの」


「新人冒険者 名前は 知りま せん。受付嬢なら知ッている はず」



 それを聞き、ルノは受付カウンターまで進み再度催眠術(・・・)を掛ける。



「それは ソラ・ヤマナミさん だと思います」


「ソラ・ヤマナミなの……それの居場所はどこなの?」


「分かりません ですがここに戻る可能性が高い です」



 ルノは情報を記憶すると次いで質問を投げる。



「最近のソラ・ヤマナミの行動に関する情報を開示しろなの」

「はい ソラ・ヤマナミは 

 五日前 冒険者登録を 行う。

 同日  狼の魔物を討伐した と報告する。


 四日前 騎士エミール と友人になる。


 一日前 冒険者ガーダー の講座に参加する。

  この個体が認識している情報は以上になります」



 情報を聞き出してからルノは口元に人差し指を丸めて添え考え事をする。



「(戻る可能性が高い以上、この後の行動はこの場での待機が王道なの。

  けれどソラ・ヤマナミが本当にルノの敵か、まだ確定していないの……)」



 現状から行動を確定し、同時に不確定要素へと目を向ける。


 それはソラ・ヤマナミの人格だ。ルノはソラをかなりの高い確率で自分の殺すべき敵だ、と認識している。


 だがそれは全て彼女の()によるものであり、僅かだが勘違いの可能性もあるのだ。



「(……私が殺してはいけない人(・・・・・・・・・)の可能性も僅かだけど、あるの)」



 殺すのは確定だ、しかし彼女はとある事情によりそれが出来ない可能性もあった。ゆえに。



「(ならここでは情報収集をしておきたいの……少なくとも仮説の一つは立てられる程度はほしいの……!)」



 そして彼女は受付嬢に命令して『騎士エミールと友人になった』という情報に入り込む。




「ねばあああああああああああああああぎぶああああああああああっぷ!!」


「…………いたの」



 王城の騎士の詰め所、そこで訓練している男へ濁った瞳を向ける。

 霧に包まれた世界ではゴシックドレスを纏う少女がいても誰も突っ込まない。



「アイツすげーなー。数日前まで堕落しきった人間だったのによー」


「ああ……馬鹿らし、俺たち貴族は勝ち組なんだから訓練なんか必要ないのによw」


「……なんかアイツ、前騎士団長のガーダー・グリンクスぐらい強そうになってるんだが……」



 騎士の一人がエミールの様子を見て評価した。



「前騎士団長? ああ、あの剣聖とか言われてた……ってバカ! その名前はご法度だろ、イヤミ騎士団長がその名前聴くだけで発狂するの知ってるだろ!?」


「やべ……」「キエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」


「遅かったか……」



 座り込んで酒を煽る騎士を横目に聞き捨てならない情報を耳にしてルノは眉を顰める。



「数日前とは、違った……なの?」



 そして再度、騎士エミールを見て――――目を見張る。



「……! 魔法の痕跡、なの……!」



 彼女の瞳には映っていた。エミール・ミートソースの頭という魔法を掛けるには些かおかしな部位に対して魔法が使用されている痕跡を。



 これがただの魔法(例えば治癒魔法など)なら気にすることも無かっただろう。しかし違うのだ、ここで彼に掛けられていたものは。



「精神、操作……なの……! しれともう一つは…火魔法? まあいいの」



 それを理解した瞬間――ルノは――消えた。

 否、それは消えたのではない。移動だ。


 生来の超人的身体能力に加えて重心移動による瞬歩で脅威的なスピードを出してエミールの背に届き、そのままうなじを掴み背にのしかかる形で地面に叩き付ける。



「ぐぇ゛っ」


「おいおい、なんかエミールの奴。急に倒れたぞ?」


「あんな転び方初めて見たw」



 エミールの頭を観察して、そこに宿る魔力を見る。



「っ、技術が限りなく完璧に近いの……! 魔力の漏れがほとんどないの、経過時間は四日でほど残りカスとかありえないの……!」



 そして即座に理解する。これをした奴は間違いなく病んでいる(・・・・・)と。



「(魔術式は基本、脳裏で描いた術に対して必要な魔力を注ぐことで発動する、そしてその魔力を注ぐ作業はその人の匙加減に依存するの。


 例えるなら小麦粉を60グラム計るのを、全て目視で行うのと同じ……だから必然的に注ぐ魔力と必要な魔力にズレが生じるの。そのズレを魔力の漏れという、けどなの)」



 明らかに異常すぎる事態に脳裏で教科書をなぞり始める。それだけの目の前の状態は異端な存在なのだ。



「(仮に魔力の漏れが数値にして10分の1だったとしても一週間はその痕跡が辿れるほど技術は収めている、世界でもトップクラスだと自負してるの……なのに、なのに!)」



 ――――そのズレが少なすぎて追えない。


 出来て精々がその魔法がどんなものなのか、という程度。


 小麦粉を60グラム計れと言われて視覚による情報のみで60.0グラムを計っている、と言えばその異端さが分かるだろう。まず人間技とは思えない。



「追えないの……っ……! こんなのレベル10の領域なの……!」



 魔力の漏れが少なすぎて――――術者特有の魔力の波長が調べられない。調べることが出来ればルノの探しているソラ・ヤマナミの位置程度なら特定できる。しかしそれが出来ないという現状があった。



「チッ……次、なの」




 そしてルノは冒険者ギルドへ戻り、再度の情報収集を行う。



「ソラ・ヤマナミさんは この部屋で エミール・ミートソースと出会いました。

 ですが 出るところは見ていません」


「ソラ・ヤマナミさんは 大きなリュックを持っていました」


「ソラ・ヤマナミさんは 三十分後 部屋を出ました。

 騎士の方は 分かりません」



 エミール・ミートソースとソラ・ヤマナミが友人になった。その瞬間に何かしらの情報があるだろうと睨んだルノは催眠術で手当たり次第の情報を得る。


 そしてその部屋に立ち入った瞬間、魔法の痕跡を感じ取った。



「(……この少なすぎる魔法の痕跡は奴なの……魔法の種類は、火属性なの……? この室内で、なの?)」



 魔物がいないはずので室内で火魔法を使うという痕跡、それは何か彼女の危険センサーをビンビンに刺激させた。



「…………室内……? ダメなの、情報の整理から始めるの」



 ルノは今ある情報を整理している。その中で全てに共通項があることを見付けた。



「……エミール・ミートソースの退出した瞬間を誰も見てない、なの……。職員が多く常駐する、このギルドで……?」



 ――――何故? その姿を一度も認識されることが無かった、という情報から想像できる方法は。


「ソラ・ヤマナミが運んだ……? と仮定しても、空間魔法の類は感じ取れない。あるのは火魔法のみ……いや、大きなリュック……?」



 ルノは知っていた。麻袋に子供を詰めたり、暗殺者を潜り込ませるために小さなカバンに身体をすっぽり入れることが出来る人間の存在を。



「大きなリュックに騎士エミールを詰めた……?

 …………そこの、ソラ・ヤマナミの持っていたリュックのサイズとか分かったりする?」



 近くにいる催眠術を掛けている職員に聞く。すると職員はカウンターの内側から大きなリュックを取り出した。



「ソラ・ヤマナミさんのリュックは 冒険者ギルドで推奨されている種類 のものです。サイズは これと同じです」


「…………小さいの」



 確かに冒険用の大きなリュックで沢山のモノが入るだろう、しかしそれでも成人男性をまるまる入れるには少し小さい。



「(こんなんじゃ入るのは精々胴体……)」



 胴体……胴体……?


 その単語がルノの脳内で何度も繰り返され、違和感を覚えた。



「…………!」



 そして彼女はとある可能性に行き着いた。常人なら届くことすら出来そうもない非現実的な手段を。



「……まさか、切断した……? いや、その場合は血、が……」



 大きさが足りないなら、入れるモノを小さくすればいい。


 ――エミール・ミートソースの四肢を切断すればリュックに入る。



 その発想が浮かぶも即座に違うだろうと結論付けられ――る、寸前で



「そのための火魔法……?」



 ――線が、繋がった。



「切断面を火で炙り、残った四肢を灰にした……? それだけの高火力、これだけの魔力操作技術があれば狙ったモノだけ燃やすなんて芸当は朝飯前のはずなの……だとすれば」



 がダンッ、ドンッ。そこら中のテーブルや椅子を退かして周囲を調べる。すると――――



「……あった、なの」



 灰が、確かに残っていた。そして確信には至らないモノの、強烈な不信感を覚える。


 ――――自分の追っている人物はイカれた奴なのではないか? と。



「……ソラ・ヤマナミ。ソラ・ヤマナミ、なの……」



 人の腕を切断して、リュックに詰めて、洗脳するという鬼畜外道の所業を行ったかもしれない異端者。その名を噛み締めるように、その名を憎悪するように反芻し。



「――――必ず殺すの」



 殺意の贄滾る瞳でそう決意した。






「なあ君、この霧、君がやったの?」

「!?」



 刹那、ルノは警戒を最大限に戻してソードブレイカーを構える。



「ああ、ごめんね。俺、小菅っつーんだけどさ、この霧があんまりにも濃くてさ。

 何か目的が終わったなら、消してくれねえ?」

 ソラは距離を取りたい相手には基本敬語を使います。




 こんなウンコソードな作品を読んでくださりありがとうございます。

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