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四話、平凡な高校生は冒険者になる。

なんか評価入れてくれた方が二人もいてくれたので、一日に2回投稿します!

◆◇◆

「ほらいけ!」


「わぁー。お払い箱だー」



 翌日の昼。


 クラスメイトの精神を再起不能にさせた超ド級危険人物ソラはどういうわけか世に放たれた。


 勿論、勇者を信仰する教会への配慮、勇者サカイと同じ場所にいさせることはよろしくない。そもそも騎士団長を下したサカイを瀕死に追い込んだ奴倒せるやついんの? など、さまざまな事情が考慮され世に放たれたのだ。


 銀貨一枚(1000円ほどの価値)を持たされて。



「ほらよ、餞別だ!」


「おいおい、それ新人の兵士でも使わねえ粗悪品じゃねえかw」


「いんだよ、聞くとコイツは剣も握れねえって聞くし兵士以下だろ?」


「はっ、ちげえねえ」



 場内へと帰っていく兵士らはソラの陰口を大して隠しもせずに話していた。



 彼が世に放たれたのには幾つかの要因がある。



「はあ……ま、無一文よりかはマシ、かねえ」



 それを聞いて空はボロボロの剣身を確認しながら手に持って前を向いた。



「……ボロボロっつっても重いもんだなー剣って」



 腕にずっしり来る重みを感じながらも、歩みを止めないのは彼が元々最低限の筋力を備えていたゆえだろう。



「にしても……」



 空は周囲を見渡す。



「安いよ安いよー! ホーンラビット串、一本銅貨二枚!!」


「短パンニーソ! 短パンニーソだよぉ! 大特価で一着銀貨一枚!! さぁー! 早いもん勝ちだ」「なんだと!?」「短パンニーソが売られてるわ!!」「買うしかねえぜ!!」


「これはもう凄い魔道具でしてね~この機会を逃すともう手に入らない!!」



 耳をすませば聞いたことのない単語ばかりが入ってくる。



「本当に異世界に来たんだな……」



 それを自覚して口元をにまっと歪める――――空はワクワクしていた。



「この世界ならではの成長ができる、か……! よっし、目標は決まった!」



 空は己の成長できる機会、というものを好んでいた。ゆえに目の前に見たことも無い知識や技術が溢れてるとなれば、彼は飛びつくほかなかった。



「世界を見よう! そして色々成長しよう!!」



 要望:いろいろな成長


         を受諾。



【成長ノ導】を発動しますか?


【レベル9999】を得ることが出来ます。


  はい・いいえ



「…………」



 無言で『いいえ』を選択する。



「つーかまずは、金を稼がねえとな」



 手持ちは銀貨一枚とボロイ片手剣のみ。これだと1日かからずに金が枯渇するだろう。



「でも伝手がな……その辺のパン屋とかでバイト募集ないかな、たぶん文明レベルから見ても雇用とかマイナンバーの書類とか無くても出来そうだし……」



 そう思い歩き出した刹那に。



「あー、薬草が足りねえ……またギルドに依頼出すかねー……」

「……ギルド?」



 商人らしき男性がギルド、というロマン臭ぷんぷんな単語を言った。


 そして思わず呟いたソラに反応して目が合う。



「あん? なんだあんちゃん、冒険者さんかい?」


「……いいや、違う……職を探している時に聞き慣れない職業が耳に入ったものでついオウム返ししてしまっただけなんだ」



 正直に話すと商人らしき男は呆れたように頭を掻いた。



「聞き慣れないって……お前さん、どんだけ田舎から……っていや、冒険者ギルドが普及してない村とかもあるんだっけか……それで最近は傭兵崩れだかが占領して問題に……じゃねえや! すまねえな、つい独り言をしちまってよ」


「いえいえ。ちなみに、その冒険者ギルド、の場所を教えて頂けますか?」


「おう! いいぜ」



 商人の男性から場所を聞いてからソラは冒険者ギルドへと向かった。




 ~冒険者ギルドだよ~



「冒険者に登録な、じゃあこれに必要事項の」

「あれ? スーパードライさ」


「この書類に必要事k」

「いやあの、スーパードr」


「かけ」

「はい」



 受付嬢スーパードライさんが書類を取り出す。すると背後に謎の男が立ってカウンターに腕を勢いよく乗せた。



「ちょっと待ちなァ!」


「……? はい、なんですか」



 ソラの目の前には筋肉質でガーターベルトを履いている男が立っていた。

 背にある大剣からして冒険者であることが窺える。



「ガーダー……お前、またか……」


「へへ、わりぃな。これが生き甲斐みたいなもんでよぉ」



 ソラは警戒して剣の柄へ手を掛ける。



「おいガキ。お前みたいな田舎野郎が、冒険者になんざなれると思うか?」


「登録すれば誰でもなれると聞いています」



 挑発するような口調に対してソラは冷静に対処した。



「くくく……確かに」



 大男は「いや違う、間違えた」と自分の言葉を訂正しだす。そして二カット目。



「おいガキ。お前みたいな田舎野郎が、冒険者の行う討伐、採取、調査その他諸々の仕事を経験も練習も無しに出来ると思ってんのかァ? 特殊な方法じゃねえと取れねえ薬草とかコツとかあるんだぜぇ? へへへ」


「(露骨に言いなおした……そして丁寧)」



 割と丁寧な説明に戸惑いながらもソラは剣から手を離さない。



「何が言いたいのでしょう」


「けけけ、分かり易く言ってやる」



 ガーダーは腰から一枚の巻物を取った。そして――――。



「新人冒険者用の講座、毎週日曜日に開いてるから気が向いたら来いよ……ぐへへ……」


「草」



 勧誘した。



「(異世界一日目だし貰える情報は真偽問わず受けとっとこ)」


「おぉ……初めて素直に受け取ってくれた……! やべ、なんか涙出てきた」



 ガーダーは感動のあまり涙を流す。その様子を見て冒険者らがニヤニヤと頬筋を働かせる。



「おいおいガーダーの奴、またやってるぜ」


「くくく、奴の手に掛かればどんなヒョロガリも数ヶ月でCランク冒険者並みの腕前」


「さぁて、今回のガキはどの程度の時間でホモガキ落ちするかねぇ、見ものだぜ……さて俺はガーダー総受け本の依頼を受けてるからこの辺で失礼するぜ」



「(なんかメッチャ良い人らしいなこの人……)」



 そして総受けらしいなこの人。



「(個人的には攻めかと思ったんだがな、いや、面倒見がいいタイプ→相手を子供のようにしか思っていない→その子供だと思った奴に襲われる……なるほど、完全に理解した。そしてガーダーさんはイケる)」



 そしてソラは勉強に関しては見境ない男だった。ゆえに様々な価値観に対する知識を持っている。



「じゃあ次の講座に参加します。参加料は……銅貨五枚(500円ぐらい)、値段設定まで初心者に配慮されてる」


「おうよ! ちなみに参加者が少ない時は個別の悩みとかを解決する感じになるぜ!!」


「分かりました、では当日はよろしくお願いします。ガーダーさん」



 こうして中々いい人に出会い、ソラは冒険者登録を済ませたのだった。



【名前】ソラ・ヤマナミ

【ランク】F

【称号】なし



「じゃあ登録はこれで完了だ。依頼はあの依頼板から選べや」

「はい」



 受付嬢スーパードライに言われて依頼板を確認する。受けれる依頼は以下の通りだ。



【依頼名】迷子の猫探し。

【ランク】F

【報酬】銅貨8枚

【内容】猫が消えました! 探してください!



【依頼名】薬草の採取

【ランク】F+

【報酬】指定の薬草3枚に付き銅貨1枚。その他の薬草もあれば買い取ります。

【内容】ポーション作成に必要な薬草を求めます。




「(まずは街を確認も兼ねて……と言いたいけど金額がショボい、今はそれをする金銭的余裕がないんだよなぁ……おし!)」



 ソラは薬草採取の依頼を取った。



「はい、斡旋した。あと、注意だが絶対に魔物と戦わんでくださいね! 見つけたら逃げてくださいね!

 その剣はゴブリン一匹倒せるかすら怪しいレベルだぞ。って、何この剣ちょっとしたウンコみたい……」


「俺の命の綱がちょっとしたウンコとか言われたんだが泣いてもいいかな」



 受付嬢に剣をかっぱらわれて滅茶苦茶ディスられたソラは森へと向かった。





「あっ、そういやアイツに東の森だけは絶対にいくなって言わなくてよかったのかねぇ?」


「はは、ガーダーも冗談キツイ。今、東の森は兵士の方に封鎖されてるだろ」


「ま、そうだよな……杞憂か……」

◆◇◆

 東の森前。



「おいおい、知ってるか? 勇者様が召喚されたって噂」


「おー聞いた聞いた。王城とかで訓練してるらしいな」



 兵士は周囲を見渡した。対魔獣用の結界魔道具がこれでもかと設置されてる――――こんな光景を見れば一般人はまず近付かないだろう。



「……見にいかね?」


「…………いいね。この王手商会で大々的に売り出されていて公国もバンバン出て認知度MAXの魔道具があるし一般人はこれ見たら危険だって分かるだろ」







「ここが森かー。ん? なんか玩具が置いてる……まあいいか……」

ガーダーは総受け。ソラは……ちょっと分からない。個人的には受けだと嬉しい。


 注意:ハーレム(予定)は全員、女の子(?)です。ご安心ください。




 こんなうんちっち作品を読んでくださりありがとうございます。

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