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十三話、ソラ・ヤマナミは自力で最強目指します。※胸糞注意

最初この作品を開いた時は、こんなクソホモ小説を読まされることになると一体誰が予想できたでしょうか。予想してたらその人の勝ち

「今s――」



 ――――否、正確には叫ぼうとした(・・・・・・)のだ。だが、途中で止めた。いや、正確には出来なかったのだ。



 何故か? 答えは簡単だ――俺の喉に巨大な長槍が貫通していたからだ。



「…………………………え?」



 ぽた、びっ……同時に被害はそれだけで留まらない。リリカは己の肩のあった場所(・・・・・・・)から飛んできた赤い飛沫に、意味も理解できないのか、呆けた声を出した。


 この一瞬、何が起きたのか? それを端的に、一文で表現するならこうだ。



「(音速を越えた、槍……!?)」



 息もままならない刹那に、加速していく思考世界で現状を理解した。


 そう、槍だ。今、俺の喉に刺さり首の骨を壊滅的に壊して貫通している槍だ。


 この槍は対した能力が無いのは鑑定で見た、そう、だからこそオカシイ。



 もしもこの槍に何の能力もなく、

   何の支援魔法の形跡もないのだとしたら。



     この、槍は――――素の身体能力で投げられた。



「(素の身体能力で、音速を越えた投擲した(・・・・・・・・・・)……のか……!?)」



 いやまさか。そんなのこと可能な人間がいるのか?


 魔法があるなら分かる、槍が伝説の武装で凄いとかなら納得も天を上る。だが違う、これは違う。明らかに次元を二三個超越してる。いいや十を超えるかもしれない。



「(ッ……思考加速が切れる、即座に魔法で、治癒だ……!

 ……シルベ……!)」


「(――――了解)」



 思考加速が切れる。灰色の世界に色が付き始める。


 刹那の間にシルベちゃんが回し蹴りで俺の首裏を槍ごと蹴り飛ばして外す。足に治癒魔法を発動していたのか即座に首が塞がる。



 ズドオオオオオオォォォォォォン!!



「(ッ、何つー威力だ。シルベ、これからしばらく念話状態維持!)」

「(了解)」



 同時に回し蹴りで体勢を前方へ傾けていたことで次弾と思われる槍は俺の背中の限界ギリギリを紙一重で当たらず背後の石畳みを貫通して建物を一つ崩壊させて止まる。



「ッ、!!」



 腰に携えた剣を上方へと斬り上げを放つと剣術の補正からか強烈な飛ぶ斬撃となって敵手(?)へと飛ばされる。


 同時、石畳を即席の灰の霧に変えることに成功。シルベちゃんとリリカを拾い物陰へと姿を隠す。



「……少しはやるの。評価を上方修正するの」



 敵手と思わしき人物の声が聞こえた。

 少女だ、少女の声が聞こえた。一撃で仕留められなかったことに対する強烈な悪意が声には混じっているように感じた。



「ソラ・ヤマナミ。ソラ・ヤマナミなの……ああ、ルノの勘は、当たっていたの」

「(あのゴスロリ女が、やったのか……!?)」



 視界の端に迫る黒ドレスに身を包んだロリ。ソラはその敵へ強烈な敵意を持ち、ステータスを鑑定し――。



【名前】  【輪廻灰燼】ルノ・イルシオン

【レベル】561

【スキル】――閲覧できません――

【詳細】怠惰の権能 所有者



 ――彼我の戦力差に、思わず射精した。



 加えて、これはなんだ……? まるで俺という存在に対する痛烈な殺意、悪意、憎悪、思い付く限りの殺害意欲を剥き出し似ているのが良く分かる。


 視界に入れるだけで思考が吹き飛びそうなほどに悪辣な殺意を滲ませている。胃もたれを起こしそうなほどに強い感情の波。



「(マスター、この場は撤退)」


「(了解、早急に更なる成長を行わなければ死ぬと確信した)」



 その上で俺は目の前に倒れているリリカを見た。腕が一本吹っ飛んでおり、このまま放置すれば血液が足りなくなって死ぬことだろう。



「(どうもアレは俺を狙ってるらしい。なんかフシューフシュー言ってるしリリカはきっと巻き添えだろう。槍が明らかに死角を狙っていた。

 嗚呼、糞――――人を壊すことに慣れていやがる)」



 確信した。アレは異常だ。


 アレはどうやらリリカという人間を一つの死角だ(・・・・・・)としか認識してない。



「(アレは余りにも手段を選ばない。だからここにリリカは置いていく。近く隠せる場所があれば理想だがない以上この場で放置だ。というか俺が狙われてる以上ここに放置の方が安全まである)」



 人質にされたらそれまでだが、連れて歩くよりかはまだマシだろう。


 端的に言って、目標()を殺すという目的に対する手段があまりにも選ばなさすぎる。まるで過酷な戦場を生き抜き、倫理が消失した軍師のような存在を思わせる。



「(っ……)」



 ゾクリ、と胸の奥を侵されるような背徳感が胸を絞めた。


 何故か、など理解している。


 手段を選ばない、人殺しに慣れ切っている。ならば――――そこに至るまでに彼女はどのような成長(・・)を辿ったのだろう?


 ――――その成長を、体感出来たらどれほど気持ちいいだろう。


「…………………………」


「(……似た者同士)」



 たらり、と涎が溢れた。念話が入りチラリと見ればシルベちゃんもどうやら発情(・・)しているようだった。


 頬が紅潮し、股を手で押さえて、ジト目でこちらを見ている。



「(シルベ、じゃんけんしようか)」

「(ぱー)」

「(ちょき)」



 …………明らかに先出しされた。なので問答無用で勝った。



「私が負けたから、私がいきゅー!!」


「(おま、ずるいぞおおおおおおおお!!)」


「勝った方がいくなんて誰もいってないのですー!!」



 チラリと振り返るとシルベちゃんは瞳に涙を浮かべていた。コイツ……ッ、この途端場でウソ泣きの技術習得しやがった……!



「(ごめんねマスター。これは仕方ないのです。シルベちゃんはマスターを守るために致し方なく戦うサポート精霊の鑑のような行動をしているのです)」


「(絶対お前の私欲だろうが!! ああ糞、絶対生きてろよ!! あとで尻叩きだからな!!)」


「(分かりましたのです、女版マスターの尻を全力で叩くことを約束します)」


「(お前が叩かれるに決まってんだろうが!!)」



 とりあえずは俺はリリカの切断された方に対して治癒魔法を発動すべく手をかざす。



「(腕一本生やす程度なら……!)」



 腕一本どころか男性器を治した力だ。血液は無理でも腕一本程度なら容易く治すだろう、だが、そこで俺の脳内に待ったがかかった。



「(…………待て。この子、治していいのか……? 本当に)」



 勿論、数日間とは言え共に過ごした仲だ。可愛いし人として好き……かどうかは置いとく。しかし俺は間違いなくこのリリカ・アルバという少女を救いたい。腕を治してよかったよかったと安堵したい。その気持ちは胸にある。



 ――――だからこそ、悩んだ。



「(もしもこの子を治した場合、放置すればリリカは助かる。

  俺も逃げ出せば後で再開も出来るかもしれない……だが)」



 ――――もし、リリカが死ねばどうなる?



「(もしここでこの子が死ねば、その喪失感を以って更なる(・・・・・・・・・・)成長が望めるんじゃな(・・・・・・・・・・)いのか……?(・・・・・・) 加えてリリカの腕を切断したあのゴスロリいかれ女に対しても復讐心が湧き、更なる成長の糧と出来る……)」



 天啓が下りた。俺の視界には今、巨大な天秤が目の前に現れた。



「はぁ……はぁ……ぁ……っ、ぁ……はぁ……」



 息が詰まる、どういうことだ。いいや、意味はもう知っている。


 目の前の選択。この二択。俺は天秤を前に膝を付く。



「(ダメだ、このままじゃリリカが死ぬ。どちらかを……どちらかを、選ばないと)」



 片方にはリリカの命。

 もう片方には失った場合に得られる感情の波。

 ――――どちらがより成長できる?



「……よし!」



 その一語で俺の全てが決まった。俺はあと少しで死ぬリリカを抱きしめる。

 リリカが意識が朦朧としているが何故か震えているのが分かる。



「リリカさん、君の敵は絶対に取るからね――――だからここで死ぬのを感じることにした」



 微笑みを浮かべ、リリカをそっと抱き締めた。


 リリカの鼓動がトクトク……と、小さく感じられる。



「君のおかげで思い出したよ、ありがとう。

 好きな人が目の前で死ぬのは君で四人目だ。

 交通事故、自殺、強姦殺人……今回は殺人かぁ、殺人は二度目だな」



 いつ消えるかな、早く消えないかな。

 俺はリリカの耳元に囁いた。



「すべて、すべて君の、君たちのおかげなんだ。

 大切な人を失うのは苦しいこと。だって、償いができかないからね……子供の頃はとても悩んだ、自殺したら同じ場所にいけるんじゃないかって、何度夢想したか分からない。

 でもね、それじゃ意味が無いんだ……親戚に殺されかけて答えを得れた」



 鼓動が小さく、ゆったりとなっていく。俺はぎゅ、と抱く力を強めた。


 離したくない、目から悲しくて涙が溢れてきた。でも笑うんだ、俺の選択は俺自身が選んだんだ。嬉しくてたまらないに決まってる。



「死んだ人は二度と戻らない……なら、その死を報いるためには成長すればいい。その死が無価値なものではないと、証明し続けたい。

 ――――それが()の真理だよ。リリカさん」



 嗚呼、ありがとう。ありがとう。君のおかげだ、大好きだ。

 リリカさんの虚ろな目を見てニコリと微笑んだ。



「最終位階……ああ、だからなのかもしれないね。

 以前、先生に言われたことがあるんだ……お前は自己の人生に対する命題、その答えを出してしまっている、とね。

 きっと精霊装とか、勇者の位階とかってそういったものを基準しているんだと思う」



 僕はリリカさんをそっと、地面に寝かせて路地裏の方へ歩き出す。



「大丈夫。大好きだよ。君だ死んだのを確認してから復讐をしにいく。

 約束する、君の死は決して無駄にはしない。君の死はきっと、何より深い慟哭になるだろう…………ああ、ありがとう。アリガトウ。

 じゃあね。大好きだよ――――最愛なる生贄(リリカ・アルバさん)



 僕はそこから走り出した。何故? 逃げた後、然るべき成長を行い奴を倒すためだ。


 成長の導を使え? 何を言っている、奴は自力で殺す。でなければつまらない、精霊装とか勇者とかどうでもいい――――俺が殺したいのだから、()が殺す。



 ちなみにこれがリリカちゃんがソラのことを簡単に好きになった理由ですよ。

 あのね、女性はね……そんな簡単じゃないの、油断すれば全て、全て奪っていくの。大切なのは女性の前にいかにニンジンをぶら下げて、その上で跨るか……跨っても気分次第で殺しにかかる暴れ馬。あの女郎が馬串にしてやろうか






・ライバルポジション(シルベ)

・殺しに来る奴 (ルノ)

・死ぬ奴 (リリカ)

 ようやくハーレムメンバーが揃った。完璧だな。



 あとは裏ハーレムの三人目だ。


 現在の裏ハーレム

・副団長(メインさお役)

・騎士団長(主人公の尻を狙うライバルポジ)

 ……しかしソラと副団長が付き合っている(大嘘)と知り焦った騎士団長はどんな行動を取るのか…………みたいな展開。


 残り一人どうする?

・先輩冒険者(たぶん幼馴染ポジション)…………ダメだ、パンチが弱い。物語の絡みがなー

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