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十一話、裏ハーレムの人脈は広がる、どこまでも…全ては平凡な高校生を中心に

すまないでござる。20時に更新予定が設定し間違えていたでござる



詫びに明日は3回更新にするよ

◆◇◆

 勇者三名を撃退後。



「……シルベ君さん。かっこいい……」


「(チョロい……)」「(マスター、この子チョロいです)」



 チョロくなったリリカを引き連れてイヤミ君の家を荒そうとする、がここで問題があった。



「イヤミの家って……何処だ?」


「シルベ君は知りません」


「私も知りません……ごめんなさい」


「二ホンカワウソッ」



 二ホンカワウソは二ホンカワウソって鳴かねえよ。



「まずはイヤミの家知る必要がありますね」


「イヤミの家、か……知ってそうな奴がいれ、ば……」



 ――――騎士団長イヤミと仲のいい相手。


◆◇◆

「やあ、やあああああああああああ!! ぽうっ!

 このエミール・ミートソースにぃぃいいいっ、ナニカヨウカネ!?」



 王都の外周を走り回っていたエミール・ミートソース。筋力は数日前とは比べ物にならないほど付いていた。筋肉達磨。



「やあ同志エミール、騎士団長イヤミの家を知らないか?」



 ソーラは気やすい様子で話しかけるとそれに返答する。



「ああ、知っているとも!! 他ならぬ君の頼みだああああああああああ!! 案内しようッ……む? そういえばなんか身体縮んだね!! 成長期かい!?」


「俺今、女の子の身体なんだが!?」



 ソーラをどうやって識別しているのかという謎が残ったもののエミールという仲間を得て四名は本拠地へ向かう。

◆◇◆

「そうだそうだ! 我が友よ、このエミール・ミートソースは最近、剣術と体力と精神のスキルレベルが4になったぞ!! 一人前の剣士を名乗っても良いとされるレベルだ!!」


「我が同志! 努力してるのだな!」


「うぅぅう、分かってくれるか我が友~~~」



 がばっ、と抱き締め合うソーラとエミール。ソーラの中身が男だと考えると少しフェチが刺激される。



「ついたぁあああああああああああああ、ぜッ☆

 ここがイヤミ騎士団長の屋敷ィィィィィィィッ! で、どうするのだ?」



屋敷の目の前に付いたことでソーラは新たに手に入れた透明化を使用する。計画ではソーラが中に入り情報を探り、『イヤミが成長を尊ぶ人間か否か』を調べる。



 その上で尊べば別の選択へ、成長を軽んじていれば説得(魔法)をする予定となっている。



「さて、と……じゃあ俺はこれから透明k」


「スキル【光魔法】Lv5。光彩操作」



 その場にいる四名と一匹が透明になった。



「…………」

「…………」



「…………アバター作成、した意味は?」

「…………だって、身体欲しかったんだもん……」


◆◇◆

 透明化が割と無意味だったことが判明したためシルベ君とソーラは身体を交換した。それにより呼び方がソーラはソラへ、シルベ君はシルベちゃんになった。



「(屋敷広いなーマップとか出ねえかな。いや、しかしだからこそ冒険者(12日目)の血が騒ぐぜ)」



 【鑑定Lv8】-地形鑑定を発動します。


 地図が表示されます。



「(血、冷めたな)」



 ソラは軽い賢者モードになりながらも地図を見て正確に進んでいく。



「流石ソラさん……! 動きが頼りになる」

「うん、ありがとう」


「流石だな我が友!」

「うん、ありがとう」


「流石マスターです。これは常識的に考えて逆レをするしかないですかね」

「うん、やめろ」


 そんな調子でアサシンゲームを二三回やってからついにターゲットのいる部屋に辿り着いた。



「こんにちはー」


「え!? 誰!? 二ホンカワウソ!?」


「二ホンカワウソっ(迫真の鳴き声)」


「二ホンカワウソは二ホンカワウソって鳴かねえよ(真顔)」



 透明化の力を解き、姿を現すとイヤミは驚愕した。それはメンバーにエミールとリリカなどの見知った人間がいたゆえだろう。



「な、なんだ……隠れて吾輩に遭いたくなったのか」


「なんという自信……」



 ソラはコホン、を咳ばらいをしてから要件を話し出す。



「え、あー。リリカさんから『あの騎士団長をズタズタに殺して肥溜めに落として大爆笑してください』との依頼を受けてここきました」


「そこまで言ってませんが!?」



 アルバさん冤罪事件が発生した。



「マジかよアルバさん最低だな」「シルベちゃんもドン引きです」

「冤罪です!!」


「そんな軽いノリで吾輩は不法侵入された……?」


 イヤミは法の脆弱さに驚愕するもすぐに勢いを取り戻してふふん、と笑んでからソラを見た。


「吾輩の家に不法侵入した点は看過し難い、なので罰を与える」

「順当」「当然の末路」「ええ!? 逃げませんか!?」「我が友、生きて帰ろう!」



 イヤミはテーブルに置いてあった細剣を取る。



「吾輩はな、幼少期から戦闘の訓練を受けているのだ」



 びゅん、とイヤミは剣を振り空を斬る。鋭そう(小並感)



「7歳には彼の剣聖より剣の才能を認められ」


「よっと」



 剣技【亜空切断】発動


 ソーラは木の棒を振って空間を切断した。

 ブラッドホールが生み出され屋敷が崩壊したがシルベ君が時を操作して元に戻した。



 パチン、とイヤミは指を弾いて火花を散らす。



「8歳の時には魔術の才能があると言われた」


「ほっ」



 魔法【極太陽アルティメットサン


 ソーラは指を弾いて小規模の太陽を生み出した。酸素が一瞬で消え失せ王都全土が蒸発したが次の瞬間にはシルベ君が時を操作して戻した。



「ふぅー、ワカルカネ?

 学力も才能もないお前には分からんかもしれないがな、吾輩は……いい奴なのだ」


「……は?」



 イヤミの言葉が余りにもぶっ飛んでいてリリカが呆けた声を出した。



「孤児院の件も、騎士団の地位も、リリカ一人のためにしたことなのだ。これを男らしいと言わずして何という?」


「卑怯」「せこい」「女々しすぎる」



 イヤミは芝居がかった仕草で額に指を添えてヤレヤレ、と言わんばかりのポーズをとる。



「吾輩を求めれば孤児院の金は払う、そして吾輩の嫁になる。君からしてもウィンウィンじゃないか? 拒んでいるフリもまた可愛らしい」



 手をばッと広げて宣言するイヤミを前にソラは思案する。



「あれ? 意外と優良物件じゃね? 孤児院の金をせき止めてる点とこの客観的視点と常識的感性の欠如しているオッサンの嫁という点に目を瞑れば玉の輿では?」


「流石マスター。新たな選択肢の登場にシルベちゃんは唾を吐き掛けたくなりました。ペッ、吐いていいですか?」


「既に吐かれたよ」



 そう、この男。たぶん優良物件なのだ。


 客観的視点と常識的感性の抜け落ちている点と孤児院の金せき止めてる張本人という点に目を瞑ることが可能であれば優良物件だった。



「私は好きな人と結婚したいですよ……」


「ふっ……おいで」



「おいでじゃないが??」

「何を以って自分が好かれていると思っているのでしょうか」

「凄い自信だ……自分が好きな人だと信じて疑ってない」



 感想の飛び交う屋敷の一室。


 イヤミは膝から崩れ落ちる。



「バ、馬鹿な……」


「順当」「現実を只平伏して受け止めることを推奨」「大丈夫です! 僕と努力の素晴らしさに気付きましょう!!」


 いつの間にか崩れ落ちたイヤミを慰める会が始まっていた。


「――――こんなにも、ツンデレだなんて……っ」



 リリカが膝から崩れ落ちた。



「無敵すぎる……本当にもうこの人やだ……」



 顔を覆うリリカ。それを見てようやくリリカの前にソラが立ちふさがった。



「このコント、いつまでも続くの面倒だからもう成長の心植えるか」


「何故だ!? 吾輩はこんなにも努力しているのに何故振り向かぬ!? おかしい、絶対に何かおかしいぞ!! こんなにも、吾輩はお前のために頑張って、いるのに! もう成長するべき場所など(・・・・・・・・・・)ない(・・)ほどいい人なのに!」


「――――は?」


 何故この世界の住人は自ら地雷原に突入したがる奴しかいないのか。


 ソラ・ヤマナミの成長、という概念に対する執着には幾つかのルールがある。その一つを今、イヤミは完全に。確実に踏み抜いた。


 ソラはイヤミの頭を掴むと膝に叩き付けた。



「ぷぎっ!」


「は?」



 ソラは髪を離して突き飛ばすとそのままイヤミの股間に蹴りを叩き込んだ。



「ぎゃあああ!!」


「は?」



 イヤミは家具を二三個巻き込んで吹っ飛ぶ。ソラは剣を傍へ投げる。



「あ、、ク、来るなああ!! く、くると吾輩の剣が火を」


「は?」



 抜刀――――否、手刀でイヤミの剣を切断した。



「ひ、ひぃいいいっ! だが、吾輩には魔法g」


「は?」



 指を弾いて火の弾もソラは無視して火花ごと顔面に拳を叩き込んだ。


 ソラの腕が焦げているがそれでもソラは無視して殴った。



「そ、ひぎっ、いや……まて゛! まっだ!」


「は? は?」



 は? しか言えんのかカス。


 は? botと化したソラは意識が切れかけになったイヤミの方へ近付く。


 床に仰向けになりボロボロのボロ雑巾になったイヤミの傍で蹲踞の態勢で座り込み、イヤミの髪を掴んでから見下しと嘲りを込めて吐き捨てた。



「なあなあ、お前の才能、一ヶ月も異世界過ごしてない平凡な高校生に負けたけど感想ある? 無様に助けを求めたら助けてあげないこともないよ」


「う、うひぃ……たすけ、へ……」


「俺は動物愛護団体じゃない、他を当たれ」



 ぺっ、顔面に唾を吐く、お前そういうとこだぞ。



「なあ教えてくれよ自称いい人、気になるじゃない、かッ!」



 蹴り飛ばしてそれでもうイヤミは限界だった。



「あとさ、お前。なんで振り向いてもらえないとか言ってたけどさ。あの自分は尽くしてますポーズが一番の原因だと思うぞ」



 手を払ってから脳味噌に手を添える。説得の時間だ。 



「加えてお前が振り向いてもらえないのは需要と供給があってないからだと思うよ」


「……ばぶ?」


「お前の需要は聞いてねえよ」



 気を取り直してソラはイヤミのフラれた理由を自分なりに解析したモノを話し始める。



「この子は恐らく良くも悪くも普通の女の子だ。

 だから普通の女の子が好きなものを適度に繰り返しておけば落とせるぞ」


「ソラさん?」



 リリカの声にソラは固まる。



「…………」

「…………」



 ニコっ。ソラは爽やかスマイルを浮かべた。リリカはぽっ、と頬を赤らめた。



「爽やかスマイル(似非)に惹かれるところ。

 特に目的もなく助けを求めて救いを得たがる悪癖。

 そして孤児院のベットの下に隠されてた主人公の名前がリリカアルバのシンデレラストーリー」


「ソラさん!?」



 リリカの声にソラは振り向く。



「…………」

「…………」



 ニコっ。ソラは爽やかスマイルを浮かべた。リリカもニコっ、と微笑みを浮かべた。



「この子の求めているモノはそう言った物語だ。金に女になれ権力で屈させるなんて行動すれば物語力の起爆剤にされるなんて当然だろうが!!」


「ソラさん!?!?」



 リリカが突撃した。ジャーマンスープレックスを掛けられるが即座に復活、強い。



「お前のした行動を客観的に言うとこうだ。

 『お前に渡される予定の金を返してほしければ女になれ』

 『お前の気持ち一切汲まないけど俺の気持ち汲め』

 『成長したくない』――――お前、嫌われて当然じゃねえか」


「え? 最後の関係n」


「お前は屑だ、お前は塵だ。息することすら恥と自覚しろよ」


「え? あの、最後の私怨n」


「ではさらばだ、次合う時は同志となっているだろう」


「ねえ聞いt」


「【精神操作魔法】発動!!」



 これにて事件は解決。孤児院にこれまで不当に奪われていた支援金は全て払われることとなった。


こんな似非BL小説を読んでくださりありがとうございます。

感想、評価、ブクマを頂けると励みになります。


あと感想で質問なども(あれば)受け付けます。『ソラとエミールの絡み増やして』などの要望が作者の都合を兼ね合わせて出来そうなら物語に影響させます。

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