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一話、クラス転移とか勇者とか言われたが俺は平凡な高校生

 おはようこんにちはこんばんは。作者です。



 とりあえず15話ほど溜め書きあるので安心してほしいです。

 この作品をどうかよろしくお願いします。

◆◇◆

 みんな、俺は何処にでもいる平凡な高校生、山波空(やまなみ そら)



 極平凡な日常を謳歌してるんだ!



 え? なんでそんな自己紹介を急にしてるのかって? ふふふ、それはね。







 その平凡自己紹介、今ならまだギリギリ通るかなって……思って……。



「おお! こ、これは!! どういうことじゃ!! 異世界からの勇者が、何故、こんなにも多いのだ!?」

「お待ちを! 陛下、すぐに確認を」



 いやいや、これはまだドッキリかもしれない。まだ明日も明後日も十年後も平凡な高校生で通るはずだ!!



 ちなみに今はこんな状況。


①学校で授業を受けていたよ!

②教室の床に魔法陣みたいのが出てきたヨ!!

③気が付いたらここにいたよ!←今ここ。



「恐らくこの者全員が、勇者か……またはこの中の誰かが勇者、かと」

「なぬ! この者らが、全員勇者!? …………ほう」



 周囲にはなんか中世の王城っぽいところ! わあ、騎士がいっぱい! はは!!



「…………平凡、どこ。どこ……」

「空、何言ってんだ……?」



 体育座りの状態のまま器用に横に倒れて親指をしゃぶっていると友人が声を掛けてくれた、優しい。



「ありがとう西田」

「俺は小菅なんだけど……まあ、どういたしまして」



 改めて周囲を見渡す。どたどたしてる騎士や変な魔法使いっぽい人。あとクラスメイト。



「ここどこ!?」

「うぇぇぇぇん、こわいよぉおおおお」

「短パンニーソ」

「お、落ち着けよ! うるせえな!」



 やはり動揺してる生徒が大半のようだ。割合はこんぐらい。



 パニック勢:六割

 困惑勢  :三割(精神的にまだマシ、と言う程度)

 冷静勢  :一割

 短パンニーソ:9999999999割。



「山田は落ち着いてるな」

「明らかにバグってて親指しゃぶってる奴が視界に入ると〝こいつにだけはなりたくねえ〟って気持ちが湧いてきてな。あと小菅な」



 何やらとんでもなく失礼なことを言われた気がするが気のせいだろう。



「皆さん、事情を説明するのでどうか! どうか静かに黙れ……!」

「静かに黙れとは」



 なんかローブ纏った人が静かに黙れと命令する。だが。



「おうちに返してよー!」

「ああああ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」

「短パンニーソのニーソはサイハイとオーバーの二種に分類されておりハイソックスは邪道です」



 クラスメイトのパニックがその程度で止まる訳もなく、黙ったのは僅か三割。



「なあ空、こういうのって向こうさんはどんな選択を取るのが正解なんだろ?」

「えぇ……まあ……この状況が……あー……つか向こうの情報一切ないのに推測できるかよ吉田」

「んじゃ、よくある異世界召喚系のパターンと仮定してくれや。あと小菅な」



 小山に話を振られ、俺はとりあえず身体を起こして胡坐をかく、周囲を観察して瞳を閉じて思考を加速させる。そして結論を応える。



「とりあえずの情報を説明して一度休ませる、とかじゃないか?」

「ふーん、その心は?」

「みんなパニックだ。今日は話できない。普通なら休ませるのが常道」



 そして可能性としてもそれが一番高い。



「だけどこの場合、間違いなく突拍子もない情報の羅列になる。だったらここは伏線を一枚でも多く貼るのが得策だ」



 その場合の方が、より成長を促しやすい。



「もしもここで情報を『とりあえず』でもいいから流せば睡眠中に精神を落ち着かせることに加えて幾らか脳に整理をさせることができる。その上で明日、同じ話をすれば繰り返しの学習になって話も進みやすくなる」



 繰り返しの学習など勉学の基本。

 話を終わらせると菊岡がパチパチとわざとらしく拍手をする。



「小菅な」

「まだ名前言ってねえ」

「お前心の中で絶対小山とか菊岡とか言ったの聞いてんだからな」

「ナチュラルに心読まないで貰っていいですか?」



 状況の答え合わせを待つと、そこで一人の生徒が立ちあがった。



「皆! 落ち着くんだ、騒いでいても何も始まらないよ!!」



 その男、名を堺光翼(さかいこうすけ)という。クラスカーストのトップと言えば彼が一番に上がるであろうイケメンだ。



「まさかここで第三の選択登場とはな。読み間違えた空の負けっつーことで」

「いや今のはお前の問題ミス。向こうの選択肢についての問題だっただろ、堺が立ち上がるのはそも問題の範疇に含まれてない」


「じゃ引き分けっつーことで。一応、空の立場だったらこの展開も読むことは可能だった」

「そこを突かれると痛いがこれは純粋にお前のミスだぞ可部。もっと成長するんだな」

「小菅だ」



 野次馬根性を極めた我ら陰キャコンビはその行く末を見ている。



「コウスケ……」

「俺たち二年一組が力を合わせて勝てなかったことがあったか!?」

「運動会と学期末のクラス対抗テストと冒険活動教室の……」

「俺たちが力を合わせて出来なかったことなんてなかったはずだ!! 

 今こそ力を合わせよう!」



 堺の感動的な演説を聞いて全員がとりあえずパニック状態から脱した。



「ふむ……あなたが彼らの代表とお見受けします……突然のことに驚くのも無理はないでしょう。ですが一度、説明をさせていただけないでしょうか」

「はい、構いません。俺は堺コウスケです」

「……コウスケ様、でございますね……では陛下……陛下?」

「ん? え? ……あー……うん。台本は?」

「…………こちらに」



 魔術師のローブを纏った男の声に応えるように王様が目を覚ました。



「今ねてなかったか?」

「確実に寝てた」



「勇者よ……どうか我らを救ってくれはしまいか……。

 我らは今、恐るべき魔王軍の侵略を受けているのだ。

 始まりは今より1000年…………」



 一時間後。



「と、いうことなのだ……」

「そんな……なんて、酷い……!」



 王様の話を聞いて堺は声を震わせる。



「空、僕は糞ゲーでもここまで話長くないと思う」



 尚、要約すると〝戦争中だから力貸してください〟だけだった。

 話の大半が魔王軍にされたことだらだら話してるだけだった。



「ですが王様……俺たちに魔王と戦う力など……」

「ふっ、案ずるな。勇者は異世界より来るとき、精霊装を授かっておるのだ」

「せ、精霊装……?」



「みな! ステータスオープンと唱えるがよい、それで己の精霊装を確認できる」

「ステータスオープン……? ……! なんだこれは……!」



 ステータスオープンと唱えると堺の目の前に透明なプレートが出現した。そこにはこう記されている。



 名前 :コースケ・サカイ

 精霊装:聖光剣

 位階 :未開放(あなた以外には閲覧不可能な項目ですよ、ヤマナミ様)



 【能力値】

 レベル:1

 筋力:400

 防御:200

 知力:300

 精神:200



「ふむ! これは、これは凄まじい逸材じゃ……! レベル一なのにも拘らず新人騎士に近い能力値とは……!」

「聖光剣……ふふ。ふひ」


「コースケ殿?」

「あ、いや……えーと……騎士のレベルはどの程度なのですか?」



 コホン、と咳ばらいをしてから宮廷魔術師は話を続けた。



「そうですね、平均で25ぐらい、でしょうか。ですがコースケ殿の能力値はレベル1なのにも拘らず! 既にその騎士とほど同じ能力値を得ているのです!!」

「ふふ、ふひ」



 堺が何かをこらえているのが口元がニマニマしていた。

 だが、待て…………今、妙な文が無かっただろうか? 確か、そう、俺の目が壊れていなければ。



 ――――あなた以外には閲覧不可能な項目ですよ、ヤマナミ様。



「おー、すげーすげー。これが僕のステータスかー」

「……森、あのプレートに何が書いてあったか教えてくれないか? 項目だけでいい」

「ん? 項目? 別にいいが……ええっと【名前】と【精霊装】と【能力値】の三項目だな、それがどうかしたか? あと小菅な」



 【位階】という項目は、少なくとも長谷部には見えていないらしい。



「皆様! 精霊装のデータを調べるので順々にこの水晶に手をかざしてください」



 そう言っている間に王国の人が話を進めていた。

 俺は急いでステータスを開き、その内容を確認する。



 名前 :ソラ・ヤマナミ

 精霊装:成長ノ導

 位階 :最終位階

 命題 :成長


 【能力値】

 レベル:1

 筋力 :50

 防御 :50

 知力 :50

 精神 :50


 【称号】

 いじめられっ子

 呪われた子供(カースチャイルド)


【いじめられっ子】

 自覚がない。


【呪われた子供】

 過去のトラウマにより生まれた称号。

 その過去は致命的な欠損を齎している。




「(…………クラス転移で備わった精霊装、なんか俺だけ《最終位階》になんだけど……イヤ、ナニコレ)」



 明らかに他の人とは違った単語が見える。能力値に関してはかなり低い部類だろう。



「(……つかなんだよ最終位階って、意味が解らん)」



 ――――最終位階。その単語が明らかに危険な臭いを漂わせていることを、俺は直感ながら悟る。



「…………この力あれば、なんか堺を殺せそうだな。よし……!」



 俺は立ち上がる。向井に全力で止められた、何故だ。



「待て待て待て待て! お前がサカイをどういうわけか常に殺す気満々なのは知ってるが少し待て!!」

「待てぬ! 離せぇ……! 佐藤」



【成長ノ導】を発動しますか?

 はい/いいえ。



 問答無用ではいを選択!!



「小菅だ。つか落ち着けぇぇ!!」

「いっけー☆」



【成長ノ導】でコースケ・サカイを攻撃します。



 俺はその項目を見て歓喜に震える。個人的に大嫌いな堺を潰せるのなら是非もなし!!



「ちょ、待て待て待て待て! 陰キャの僕たちが陽キャに対して多大なる殺意を抱きがちなのは分かる! だがまてぇい!!」



 小谷の声など知らぬ聞こえぬ! さあ、なんかよくわからんけど最終位階の武装よ! その真価を見せてみろ!



 確認です。攻撃した場合、余波で5987人の死者が出ます。

 よろしいですか?

 はい/いいえ



 …………ん?



「…………は?」

「お……と、止まった……」



 他の人間が死ぬ……? ……余波(・・)、で?



【成長ノ導】発動時の再現映像があります。確認しますか?

 はい/いいえ。



 とりあえず俺は【はい】を選択した――――





「――――うん! 人殺しは良くない!!」

「お、急にまともに……いやこれ、まともか……?」



「最後はあなた方だけです、手を」



 そうこうしているうちに術者の人が声を掛けてきた。そして促されるままに水晶へと手をかざし。



「な!? こ、これは……精霊装が、無い……!?」



 術者は叫んだ。



「…………は?」



【水晶】精霊装を(第一位階までなら)調べることが出来る優れもの。

作者はこのソラ君、結構嫌い。

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