はちの巻
中間テストが終わったと思ったらもう期末テストがやってきた。癖付けどころか付け焼き刃状態な弟くん。
姉は手法を変えた。口頭で答える方式で行くのではなく最初からワークを活用して問題を解かせるのだ。先ずワークに答えを赤ペンで書き込む。そして覚える。そして解く。解く。解く。ひたすらに解いて覚える。 社会とか理科ならこの方法でいけるんじゃないかと思っていた。がしかし、弟のやる気が急降下。
「前のやり方でいいやん」の一点張り。前のやり方でやって中間テストでひどい目にあったから戦略を変えようと、言ってるんやないか。何故分からぬ弟よ。というか、ただ面倒臭そうにしかみえないんだよ。もうちょっと、やる気だそーよー。姉の心が折れちまいますよ。
ちょっとやって、「あーイライラする。もういい!」
と、弟は姉の家を飛び出していった。因みに姉は一人暮らし。弟は姉の家に来て勉強している。
お、追いかけるか?
いやでも戻ってきたときに誰もいないのも困るしな。そのうち帰ってくるよね? というか、何故に出ていった? イラついてモノに当たるなとは言ったけれど。出ていくなんて思っても見ないじゃないか。きっと自転車かっ飛ばして気を紛らわせているんだろうけれどさ。心配するじゃないか。あの感じで出ていかれると心配するじゃないか。事故起こさず無事に帰ってこいよ。
ウロウロ、ウロウロ。姉、狼狽える。
そうこうしている内にガチャッと玄関から帰って来た音が。
帰って来たー! と姉、ほっとする。
でも弟の機嫌は直っていないまま。また出ていった、
えっ? 今の何?
また姉はウロウロ、ウロウロ。狼狽える。
どうしよう探しに行くか?
でもな、でもな。と考えている内にガチャッと再び帰って来た。
でも、やっぱり機嫌は直っていない。そして、
「帰る?」と聞くと「帰る」と言って実家に帰っていきましたとさ。