プロローグ 『now loading』
プロローグです!これから気合い入れて頑張ろうと思います!!!よければ呼んでいってください!
——もうひとつの現実世界。
『LSO』がそう呼ばれ始めたのは、そう昔のことじゃない。
二千十二年、完全没入型VRギアが発売された。その事実は世界中に衝撃を運んだ。
この波に乗り遅れぬよう、様々なゲーム会社が選り取り見取りのゲームを発売した。
音ゲー、MMORPG、レーシングゲーム、カードゲーム、シューティングゲーム。
文字通り、無数のタイトルが発売されたのだ。
そして、その数あるゲームの中でも今。もっとも熱く、もっとも注目されているゲーム。
それが『Life Sword Online』、通称LSOである。
このゲームは、普段は広大なフィールドをソロかもしくはマルチで冒険し、協力して大きなボスを倒したり、木を凝って自分だけの夢のマイハウスを作るなり、自分だけの店を経営して商売するなど、様々な楽しみがある。
だが、このゲームで一番注目されているのはPVP。プレイヤー対プレイヤーの対人戦である。
様々なスキルや、このゲームだけの特徴を活かした戦闘に誰もが思わず見入ってしまったのだ。
年に一度開かれる公式が主催するチーム対抗の大きな大会。
その優勝を目指し、今もなお様々なプレイヤー達が腕を磨いている。
そして、ここにも——
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——どこまでも続く青い空、どこへ行くのかもわからぬまま飛び去ってゆく白く大きな綿飴。
そしてこの大空を羽ばたいてゆく、小さな羽を生やした小鳥達。
翼をはためかす音が聞こえた。
少年は長い黒髪で隠れていた瞳を、小さく開いた。
緑のコンクリートの床に寝転ぶ少年の周りには、中身がなくなりくしゃくしゃになった小さな袋。
青いブレザーを着る彼の周りには、大きな鉄柵がぎっしり囲むように置いてあった。
黒髪の間から見える赤く光る鋭い瞳。彼は紅蓮の眼光で青空を見つめた。
そして静かに笑い、空へと手を伸ばした。
「やってやるぞ、俺は。」
少年は小さく呟くと、今度は大きく口を開けてまるで何かの決意表明のように叫んだ。
「てっぺんを、とる!!」
彼の叫びは、何もかもを透き通す青く美しい空へと消えていった。
ここまで呼んでくださりありがとうございます!毎日とは言えずとも三日に一度は更新したいと思いますので、何卒よろしくお願いします!