敗走
集団の中から1人、リーダーらしき人がこちらに向かって叫びながら剣を振りかざして切りかかってくる。
顔がとてつもなくおっかない感じになっている。
ぶっちゃけかなり怖いです。
ならばこっちはいつも道りの丸くなる戦法でいこう。
決して怖くて丸くなったわけではないぞ。
衝撃が体を襲うのをじっと待つ。
この感じも慣れてきたなぁ。
こっちだってやりたいことがあるんだ、
早く終わらせてくれよ。
そう思いながら体を丸める、そして、刃が体に当たり-
あれ?
なにも衝撃がこないぞ?
空振りしたのか?
何も衝撃が来ない事に疑問を感じる。
しかし、次に自分を襲ったのは今まで感じたことのないようなものだった。
熱い!熱い!熱い!
あついあついあついあつい!!!!!
なんだ!?
なにが起きた!?
背中が焼けるように熱い。
とっさに顔を上げ、振り向いて相手を見ると、
そこには血が通いこびりついた剣と、パックリと切り裂かれた竜の背中があった。
なんだこれ?
何が起きた?
どうして?
相手のステータスを見てみる。
すると
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[名前]___スタック
[種族] ___人間
[レベル] ___ 30
[HP]___300
[MP]___120
[SP]___200
[物攻] ___ 25(+1000:竜種族相手のみ)
[魔攻] ___ 20(+1000:竜種族相手のみ)
[物防] ___ 20(+30)
[魔防] ___ 20
[素早さ] __25(-10)
[精神力]___20
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なんだこのステータス
相手の持っている剣の性能が異常だった。
ヤバそうな剣には見えないけれど、しっかりと竜対策されている。
なんだよ、この前は逃げたんじゃなくて、特効武器持ってくるために引いただけだったのかよ。
というかこのままだと死ぬ?
え、
やばいやばいやばい!!!
どうする!?
いや、逃げるしかないだろ!
走れ!早くここから逃げないと!!
パニックになりながらも、
とっさにそう判断し、死に物狂いで走る。
しかし、騎士の方も逃がすつもりは無いらしく、追いかけながら剣を振るう。
背中を切られる。
尻尾が切り落とされる。
羽が裂ける。
鱗が剥がれる。
痛い!痛い!痛い!
洒落にならないくらい痛い。
このままだと確実に殺される。
流石にこのまま洞窟に逃げたら死ぬことは分かるので森に向けて走る。
痛い!
痛い!
けど走り続けないと確実に殺される。
幸い相手は重そうな装備をしているおかげか、スピードがだんだん落ちてきているようで、
足音が少し離れて聞こえる。
痛い!
死ぬほど痛い!
散々に斬りつけられたら身体が悲鳴をあげる。
そんな体に鞭を打ってひたすらに逃げ続けた。
走り続けて、やっと森に入った。
このままいけば逃げ切れるだろうか。
わからないからただ走り続ける。
もう二度と人間とは関わりたくない
痛みと恐怖でぐちゃぐちゃになった頭でただそう思った。
ステータス欄のプラスの値は装備の補正です。