平凡な日常、そして始まりの日。
初の現代学園ものの挑戦です。
生暖かい目で見てください。
出会いは衝撃的だった。
俺、斎藤 圭慧廊下で彼女とぶつかる。
慌てて謝る。
「すいま……」
「あら、貴方、前を見て歩くことも出来ないのですね」
近藤 柚子、噂には聞いたことがある。
長い黒髪とキリっとした睫毛、鋭い瞳、モデルも泣いて逃げ出すそのプロポーション。
胸がないのが賛否が割れるらしいがはっきり言って学園一は揺らぎない。
成績優秀、授業態度は良好、運動もかなりのもの。実家も当たり前のようにお金持ちだそうだ。
まるで物語のテンプレのような人物だ。
しかし、
その可愛い名前とは裏腹に口が超悪い。さっきの彼女のセリフ、あれででまだマシな方である。
「あの人恐い、話しかけると何かが折れそうになる」
「コミュ力なさすぎ、ありえんわー」
「俺、あの人のおかげで真理の扉を見つけたんだ」
なんてのが彼女の学園の評価である。おかしいのが混じってるのは気にしない。
「ごめんなさい!邪魔してすいませんでした」
「今後気を付けることね」
これが彼女との出会いである。
教室では幼馴染の楠木 宗近がいた。
ふむ、短い髪に端正な顔、均整の取れた顔はなかなかのもの
「おーい、かなぴーこっち来いよ」
「かなぴーよぶな!」
「えぇー、だって圭慧って呼んでも起こるじゃん」
「畜生、あの親父ども、マジで腹立つわ。近も人のこと言えないだろ」
「まぁねー、未だに女子からラブレター来るんだよ。僕はノーマルだってのに」
そう、こいつは女だ!いったいどれだけの女子を泣かせたであろう。
そして、どれほどの男性に悲劇が出ただろう。
ちなみに、俺もラブレターなど来たことがない。
ざっけんな!
「そういや遅かったね、何かあったの」
「いや、あの『氷毒の姫』のと廊下でぶつかっちゃてさ」
「おいおい、マジかよ。お前良く生きて帰れたな」
あ、めんどくさい奴が来た。
月見里幸次。茶髪のボサボサ頭でヤンキーみたいな奴だ。
もちろん、アホである。
「いや、噂通り、なかなかきつい物言いだね」
「あ、やっぱ、そうなんだ」
「あの女、性格と口直すべきだよな」
「いや、幸次には言われたくねぇだろ」
「ははは、違いないねー。幸次の上位互換だもんね」
「るっせーな!」
「でも………綺麗な声だったけどさ」
「ん?」「おっなんだ」
「なんだか寂しそうな声だったんだよねー」
「へぇー」「おいおい」
二人ともにやにやしている。
むっ、なんだその顔。妙に腹が立つ。
「んだよ、その顔は」
「べっつにー、ねぇ幸次―」
「なぁー宗近―」
「よし殴ろう、今すぐ歯ぁ食いしばれ」
「ごめんごめん」
「おっと、悪ぃな、すまんかった」
「ふっふっふ、そんな恋する乙女の君に僕が良い情報をあげよう」
「は?」
「彼女は放課後、図書室にいるらしいよ」
「いや、聞いてねぇしんな情報」
「えぇー、ほんとにー、まあいいか」
「おい、やべぇ。先公がもうすぐ来るって」
「ほれ、解散解散」
「え~、つまんないー」
近はぶつくさ言いながら席に帰っていった。
アホは………うん、何とか間に合ったみたいだ。
何気ない日常が、変わることがないこんな日々が続くと俺は思っていた。
→放課後、図書室に行く
三人で帰る
いや、すっごいあるあるだと思うけど、最近好きななろうが見事に現代学園ものばかりで、我慢できずに書いちゃいました。
こっちはもう一個連載でそっちがメインですが、人気が出ればこっちも書くかもしれません。
ちなみに、チョロイン見たくすぐには落ちません。今の所、好感度、興味ゼロの状態です。