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死の支配者にレクイエムを  作者: looc
L'alba sepàra dalla luce l'ombra
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第八十二話 生殺与奪

生殺与奪


「結奈?本当に結奈なの?」

「うん。」

「なんで、ここに?結奈は・・・」

「うん、そうね、うん。わたしの話をするね。」

「うん。」


はじまりはわたしが5歳の頃、奏も覚えているでしょ?あの事故。そう、あのときはまだ理解していなかったんだけどね。うん、あのときは奏に死んでほしくないって思ったんだと思う。そして次の6歳のとき、このときね。わたしが普通の人とは異なることに気づいたのは。あの事故の直前に天秤が見えて、その天秤は傾いていて、より低い方には、奏らしき人形がのっていて直感的にこのままじゃダメだと思って奏がのっている方の天秤の皿から他の人形を移して。そして、わたしを除いた生き残った人数が奏と同じ皿にのっていた人数と同じだった。それからは、同じことを繰り返したて、友達を殺してお父さんとお母さんを殺して、そして、奏の両親も殺して。そのたびに心が擦り切れていくのを感じて。

この次はわたしが死んだ時の話だね。あのときは、天秤の皿のどの人形を移しても、天秤の傾きが変わらなくて。でも、わたしの手の中に人形がいつのまにか握られてて。うん、それはわたしの人形だったけど、迷うことなく奏の人形と入れ替えてそうしてあの結果になったの。ただ、奏とはずっと一緒にいたのよ。姿を見せることも、触れることも、それに、声を届けることもほとんどできなかったけど。奏が悲しんでいるのを見てわたしもかなしくなったり、奏が心を許せる相手ができて嬉しかった、そして、ボロボロになる奏を見て辛かったり、そして、また、守ってあげたいって思ったら、いつのまにかここにいたんだよね。で、あとは見たとおりかな?


「・・・結奈、気づいてあげられなくてごめんね・・・。」

僕は結奈の独白に彼女の苦しみを全く理解していなかった後悔とともにそう呟いた。

この小説のタイトルは、彼と彼女それぞれの能力にかかっています。

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