表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死の支配者にレクイエムを  作者: looc
Nun komm, der Heiden Heiland
7/381

第七話 心的外傷

心的外傷


腹も満たされたので、僕は、この家から立ち去ろうとした。

「ま、待って、どこいくの!」

「さあ、どこにいくかは決めて無いな。まあ、適当に旅でもするかな。」

「ひ、一人でですか?!」

「そうだけど。」

「ダメです!そんなにちっちゃいのに、危ないです。」

何を言ってと言いかけたが、現在の自分の姿を思い出す。

「別に構わない。世話になった。じゃあ行くよ。」

「どうしても行くと言うんだったら、私も一緒に行きます。」

僕はその言葉に反射的に、

「僕に近寄るな!」

と怒鳴るように返してしまい、ハッとして、

「ご、ごめん、でも、頼むから、僕に関わらないでくれ。」

僕はそう言った。僕の周りの人が全員死ぬと言うトラウマが思い出され、僕の目から、雫がこぼれ落ちた。そんな僕を、彼女は抱きしめた。振り払おうとしたが、さらに強く抱きしめられた。僕は、彼女に抱きしめられたまま、目より落ちる液体を掛け流していた。結奈が死んだ日以来、こんなに感情を表に出したことは無かったかもしれない。こんな風に甘え、いや、依存するのが心地良く感じ、しかし、それを失うことに恐怖を覚え、体が震えだした。そんな僕を彼女は、ただただ抱きしめ続けていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ