第六十七話 彗氾画塗
彗氾画塗
僕は、先ほどと同じ絵を描きました。
「いやー、絵上手だね。」
「まあ、頭の中にあるものをそのまま写し取っただけですからね。」
頭の中の風景を紙の上に貼り付けてそれをなぞっただけ。だから、絵が上手いのではなくて、ただ、間違えていないだけ。こんなもの写真と変わらない。
「それではそろそろ行きますね。」
「あ、ああ。わかった。」
僕たちは、ギルドを出ると、再び、詰所へと向かいました。
「あの、すみません。」
「うん?なんだボウズ・・・って、リヴィアさんも?ど、どうしたんだ。今は、殺しの犯人の目撃者から話を聞いているのと、裏道を見回ってるのとで、忙しいから、重要じゃないなら、遠慮していただきたいのだが・・・って、こんなんじゃいけねえよな。それで、何の用だい?」
「まさに、その事件に関することですよ。犯人の姿を描いてきたので、わたしにきたんですよ。」
「なに?!お前たちも、襲われたのか?!」
「いえ、現在話を聞いている女性を連れてきたのが僕たちなんですよ。聞いていませんか?」
「忙しくて聞いてないな。まあ、わかった。君たちなら大丈夫だろう。案内はできないがそれでもいいか?」
「はい、大丈夫です。」
僕たちは、詰所の中に入り、どこにいるのかを探しはじめました。




