第五話 トロイメライ
トロイメライ
「死ぬなら死ぬで全然構わないんだけど。ま、態々殺されるつもりもないけど、ね。」
そう言うと同時に近くにいた狼を蹴り上げる。素人ながら、なかなかいい感じにできているような気がする。狼の動きが止まっているので、近くにいた狼の鼻っ面を思い切り殴る。ギャウといって倒れた。そのこえに漸く状況を思い出したのか、狼が連携して襲いかかってくる。僕も、狼に殴りかかるが、所詮素人のパンチだ。当てることはできても、ダメージになっているとは到底思えない。なんとか動きを止めなきゃ、まともな、ダメージを与えることはできないと思っていると、突如、地面から縄のようなものが出てきて、狼を地面に縫い付けていく。
「なんだ?やっぱりこれは夢なのか?」
と言いつつも、狼の鼻っ面を思い切り蹴り飛ばしていく。全ての狼が絶命した頃、突如、体から力が抜けて地面に倒れこみ、抗いようのない睡魔に襲われ、僕は夢の世界へ旅立った。・・あれ?これって・・・夢じゃ・・なかったの・・か?・・・・・夢の中で・・ねむるの・・か・・・・
どこかで聞いたことがあるような声が聞こえてきた。
奏、生きて。
と。
そして僕の意識は浮上した。




