第四十九話 異類異形
異類異形
「そ、そろそろ動こう?」
僕はお姉ちゃんにそう言いました。べ、別に、お姉ちゃんに可愛いって言われて照れて、それをごまかそうとしているわけじゃ無いよ。ほんとだよ。
「ふふっ、カナデ、赤くなって・・・」
「なってない!」
「ふふっ、わかったわ、行きましょうか。そろそろ脱出したいのだけれどね。」
そして次の階へと向かうと、そこはまだ、迷宮でした。心が折れそうになった。
「お姉ちゃん・・・」
「・・・ええ、行きましょうか・・・」
僕たちはローテンションで、そう言った。
襲いかかってきた、蝙蝠の群れを僕の右腕から飛び出した、五本の黒縄は蝙蝠をまとめて貫いた。今までとは違い、丈夫な縄から、貫通能力のある縄に進化したらしい。切断まではいかないけれどね。それをしたら、反動もあるからね。しかし、いよいよ化け物みたいな戦い方だね。まあ、別に地面から出すこともできるけど、それには貫通能力ないんだよね。黒縄ではなく触手だったりしたら、完全に化け物だったからまだましなのかな?人前では、あまり使わないようにしよう。
「カナデは魔力大丈夫なの?」
「うん、なんか、たしかにまだ、体内の魔力は動かせないけど、なんか、溢れてきているから、それを使っているよ。」
「溢れているって?」
「穴が空いているんじゃなくて、コップに水を入れすぎた感じかな?」
「それなら、問題ないかな?前者だったら、はやめに対処しなければならなかったのだけれど。」
ただ、実は、漏れ出している量はそこまで多くないから、地面から黒縄を出すほうは、生命力も必要になりそう。なぜか、体から出した場合は、それほどでもないのにね。最大五本までしか出せないっていうのもあるから、強い相手にはきかないんだろうな。




