第四十三話 安穏無事
安穏無事
「はあ、終わった。お姉ちゃん大丈夫?」
「え、ええ、だ、大丈夫よ。」
そう答えたお姉ちゃんの体には、いくつも小さな傷ができていた。お姉ちゃんは、僕に傷をふさぐポーションを渡すと自分の分も取り出して飲みはじめた。僕も、飲んでおく。あくまで傷をふさぐだけで、血は増えないし、体力も失ったままなので注意が必要だ。それに傷をふさぐにも体力を消耗するし。というわけで、生命力をだいぶ使用してしまっていた僕は意識が遠くなるのを感じました。上の階へ続く階段も封鎖して、この部屋を密室にした時点で意識は、薄れていきました。最後に黒縄との繋がりが切れないように、と思いましたが、そのまま、意識が失われました。
目がさめると、そこは先ほどと同じところでした。ちらっと見ると、どうやら、黒縄は消えず、そして切れなかったようだ。まあ、黒縄はちぎれ辛いから、それはないと思っていたけど、ね。そして、お姉ちゃんなんですが、僕を抱きしめて眠っています。僕はお姉ちゃんを起こさないようにするため、動かずに、目を閉じて体を休めておきました。一時間ほどでお姉ちゃんは目を覚ましました。




